1971年の『フレンチ・コネクション』でアカデミー賞作品賞、監督賞などを受賞、73年の『エクソシスト』を大ヒットさせたハリウッドの名匠ウィリアム・フリードキン監督が8月7日、ロサンゼルスで心不全などのため死去した。妻で製作者のシェリー・ランシングが発表した。享年87。

1935年イリノイ州出身。両親はウクライナからのユダヤ人移民だった。父親の死で大学を諦めテレビ局のメッセンジャーボーイとして就職し、その後アシスタントディレクターになる。1960年代にドキュメンタリーなどを作っていたところ、65年にハリウッドへ移り、67年に「ソニーとシェールのグッドタイムス」(日本未公開)で映画監督デビュー。70年にオフブロードウェイのヒット劇『真夜中のパーティー』を監督したことで評価を高め、次の『フレンチ・コネクション』でアカデミー賞を受賞。本作は作品、主演男優(ジーン・ハックマン)など5部門で受賞した。
そして73年にオカルトホラー・ブームの先駆けとなった『エクソシスト』を監督し、時の人に。ハリウッドのナンバーワン監督に躍り出た。本作は今年製作50周年を迎え、日本でも9月1日からディレクターズカット版が「午前十時の映画祭」で上映される。全米では10月に本格的な続編が公開されることになっている。
その後、『恐怖の報酬』(77)『ブリンクス』(78)『クルージング』(80)『L.A.大捜査線/狼たちの街』(85)『ランページ/裁かれた狂気』(87)『ガーディアン/森は泣いている』(90)などを次々発表した。2000年代に入っても『英雄の条件』(00)『ハンテッド』(03)などを手掛け、さらにオペラの演出なども行っている。
遺作となったキーファー・サザーランド出演の『The Caine Mutiny Court-Martial(原題)』は、第80回ベネチア国際映画祭でプレミア上映される予定。
この訃報を受けて盟友フランシス・フォード・コッポラは追悼コメントを発表。「ウィリアム・フリードキンは、私と同世代の映画作家の中で最初の友人であり、愛する仲間を失ったことを悲しんでいる。彼の作品は、映画界における真の金字塔であり、決して忘れ去られることはない。すべての作品に彼の天才性が息づいている。もう二度と彼と一緒に楽しむことができないことを理解するのはとても難しいが、彼の作品は彼の代わりになってくれる」と綴った。




