気鋭の米映画スタジオ“NEON”配給で監督スティーヴン・ソダーバーグ×脚本デヴィッド・コープの手掛ける新感覚ホラー『プレゼンス 存在』(公開中)の公開を記念したトークショーが3月9日(日)に行われ、ゲストとしてお笑い芸人・みなみかわが登壇した。

映画『プレゼンス 存在』公開記念トークショーに登壇に登壇したのは、映画好きが高じて学生時代に映画館でアルバイトをした経験もあり、自身もオムニバスホラー 『劇場版 ほんとうにあった怖い話~変な間取り~』(2024)に出演するなど多彩な活動をするみなみかわ。本作の魅力について、たっぷり語った。
まず、本作に興味を持ったキッカケについて尋ねられるとみなみかわは「映画コラムの候補作5本の中の一本で、実際に観てみて面白かった」とのことで、司会のSYOも「怖い映画だろうと思って観ていたら、どんどん幽霊に共感し、この人が何を考えているのだろうかと気になった」と頷く。

みなみかわも「(幽霊の)動きが可愛いですよね。毎回絶対にクローゼットに帰っていくが、なんで毎回ここなん?ここなんや定位置!」と笑顔。劇中にある少しHなシーンでクローゼットに隠れてしまう幽霊をとても可愛く思ったとのこと。さらに本作はソダーバーグ監督自身が撮影を務めていると聞くと「なんでもできるんですね!揺れの感じもすごく良かった。何よりも、低予算だけれど低予算と思えない凄さがあった」と語る。撮影期間がたったの11日だったことにも、「スティーヴン・ソダーバーグのランクで11日で(予算)200万ドルはありえない。めちゃくちゃコスパ良いことやりましたよ。えぐいな」と驚愕。
そんなみなみかわは最近引っ越したそうで、「ちょうど僕も引っ越したんですよ!マンションから賃貸の一軒家に住むこと決めた際、事務所の社長をしている妻が事務所兼で借りるため大きめの家を選択し、まさに “子供の学区内で私はここに住む”と劇中の母レベッカ(ルーシー・リュー)と同じことを言っていたので怖かった。旦那もスキンヘッドだから他人の気もしないし、子供も2人なので、ほとんどこの一家と同じなんですよ!!」と映画とのまさかのリンクを語る。しかも、劇中の父クリスと同じく「この家じゃなくて良いんじゃないか、急ぎすぎないほうがいいぞ」と妻を諭したが「ここに住む!ここがいいねん」と返されたそうで映画とのあまりの合致に「家に帰るのが怖くなってきた。ちょうど2階に映画と同じクローゼットがある…」と慄いていた。
他の幽霊映画にない本作ならではのポイントを聞かれると、「一人称って宣伝で言っちゃっていいんや、と思った。ナディアがおそらく一人称のものとしてのものだと思ったが、終わってからナディアじゃないパターンもいくつもあると聞いて、なるほどな!と思った。自分一人では思いつかないが、考察好きの人も楽しめると思う」とアピール。
続いて話題は“超考察系ホラー映画“とも評される本作一番の考察ポイント、「目線の正体=幽霊は誰なのか?」について。長女クロエの亡くなったばかりの親友であるナディア派のみなみかわと違う意見である兄タイラー派の人は、幽霊の時間軸が生者の時間軸と違うから、後から亡くなるという展開があったとしても現在過去未来が繋がっているので同時に存在するという解釈だそうで、それを聞いたみなみかわは、「だからこそ助けに行けたということだ!」と納得の様子。
他にも、クロエの亡くなったもう一人の友人説には「確かにクロエの部屋に定位置としている理由があると思う。目線が少し高いのが気になったが、幽霊は宙に浮いているし、いろんなパターンが考えられる。全員で話し合いましょうよ!」と観客の考察も聞いていく。
タイラーと答えた男性に対しては「初めて観てタイラーだと思うって変態!!すごい。もう一回観ないといけない」と観客を大絶賛。「タイムリープ的なことも要素としてあるということも踏まえると、すごくテクニカルな映画」と感心。さらに「私たち自身が幽霊なのではないか」との新しい視点も飛び出し、観客も巻き込んだ考察合戦は大いに盛り上がった。
本作の監督を務めるソダーバーグ作品では『サイド・エフェクト』『エリン・ブロコビッチ』が好きとのこと。商業的にヒットした作品から入っており、当時はとにかくジュード・ロウが好きだったそう。そんなソダーバーグについて、「すごく器用。新しいことをしたいという事がすごくかっこいい。クリエーターとしていい。メッセージ性、作家主義にこだわらずどんどん新しいものを作っていこうという姿勢がかっこいい」と評した。
そして最後に会場へ向けて、みなみかわは「2回観ても3回観ても色々な考察ができる。一人称=幽霊が誰かを考えるのが面白い。家族の再構築、家族愛もあり、面白くて楽しめる映画」と笑顔で語り、「上映時間84分というのがとにかく素晴らしい!!TV番組「爆笑レッドカーペット」世代でスタッフさんに「ネタ削れ!」と言われてきたので、84分にできるスティーヴン・ソダーバーグは素晴らしい」と熱弁。「観やすいし、人にも勧めやすい。90分を巻くというのは腕がある人にしかできない!」と熱く語り、大きな拍手に包まれながらトークイベントは終了した。
プレゼンス 存在
2025年3月7日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督:スティーヴン・ソダーバーグ 脚本:デヴィッド・コープ
出演:ルーシー・リュー、クリス・サリヴァン、カリーナ・リャン、エディ・メデイ、ウェスト・マルホランド
2024 | アメリカ | 84分 | 英語 | カラー | 1.78ビスタ | 音声5.1ch | 原題 PRESENCE |字幕翻訳 中沢志乃 |<PG-12>
配給:ロングライド
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