長編アニメーションに特化したアジア最大の祭典「第2回新潟国際アニメーション映画祭」が2024年3月15日(金)~20日(水)に開催。このたび審査員として3名の国内外の第一人者たちが決定した。審査員長は世界的に高い評価を得るスタジオ、カートゥーン・サルーンの映画監督ノラ・トゥーミーが務める。あわせて3人の審査員からのコメントも到着した。
世界で初の長編アニメーション中心の映画祭として、また多岐にわたるプログラムとアジア最大のアニメーション映画祭として、世界で大きな反響を呼んだ今年3月の第1回映画祭。続く「第2回新潟国際アニメーション映画祭」が来年3月に開催される。
映画祭は長編(40分以上)アニメーション映画に絞ったコンペティション「長編コンペティション部門」をはじめ、最新作や話題作、忘れられない数々のアニメーション映画などを招待上映する「イベント上映(招待作品)」、“アニメーションの今”を代表する作品をいろいろな視点で世界中から集めて上映する「世界の潮流」など様々なプログラムで構成され、そのほか、技術的貢献に対する顕彰の大川博賞・蔣谷虹児賞授賞式などが予定される。各プログラムの詳細は追って発表される。
このたび長編コンペティション部門の審査員が決定し、それぞれのコメントが到着した。審査員、コメント全文は以下のとおり。
長編部門(コンペティション)審査員
【審査員長:ノラ・トゥーミー(映画監督)】
アイルランドのスタジオ カートゥーン・サルーンの初期から、受賞歴のある短編映画やコマーシャルの監督を務め、アカデミー賞®にノミネートされた『ケルズの秘密』ではトム・ムーア監督と共同監督をする一方、幼児向け番組『Puffin Rock』など数多くのシリーズの開発プロセスを指導した。
アカデミー賞®にノミネートされた『Song of the Sea』では、ストーリーとボイスのディレクターを務めた。監督を務めた『The Breadwinner』ではアカデミー賞®とゴールデングローブ賞にノミネートされたほか、米国アニー賞の最優秀長編映画(インディペンデント)賞、アヌシー国際映画祭で観客賞、審査員賞など数々の国際賞を受賞。最近では、ニューベリー賞を受賞したルース・スタイルズ・ガネットの絵本にインスパイアされたNetflixオリジナル長編アニメーション『エルマーのぼうけん(My Father's Dragon)』を監督。
【コメント】
2024年3月に初来日することが決まりました。新潟国際アニメーション映画祭という長編アニメーション映画の祭典の審査委員長を務めることになり、旧友に会い、新しい友人を作り、美しい新潟の街を訪れることをとても楽しみにしています。
【審査員:齋藤優一郎(映画プロデューサー)】
1976年生まれ。米国留学後、MADHOUSE入社。細田守監督作品『時をかける少女』『サマーウォーズ』のプロデューサーを務める。2011年、細田守と共にアニメーション映画製作会社スタジオ地図を設立。以後、細田監督作品のプロデュースに専念。『おおかみこどもの雨と雪』、『竜とそばかすの姫』などを企画・制作し、2018年公開の『未来のミライ』は、第91回アカデミー賞®にノミネートされた。アカデミー会員(AMPAS®)、全米製作者組合員(PGA)。
【コメント】
私はアニメーションを愛し、尊敬しています。
そしてアニメーションとは、世界中の子どもたちや多くの人々の未来を肯定するものと信じています。
この度、栄えある新潟国際アニメーション映画祭にて、敬愛するNora Twomey監督、Michael Fukushima監督と共に審査員をさせて頂けることを大変光栄に思います。
国際映画祭は美しく多様な作品と映画製作者、そして多くの人々と出会える場所です。
またその場所は、私たちがアニメーションに魅了される理由を思い出させてくれ、この芸術形態が刺激的で美しく、全てのエネルギーと時間を費やす価値があることを感じさせてくれるのです。
そう言った想いをこの新潟で多くの皆さんと共に共有できたらと思います。
【審査員:マイケル・フクシマ(映画監督)】
1985年からアニメーター、映画監督として活躍し、1997年から2021年までNFBアニメーションのプロデューサー兼代表を務めた。これまでに200本以上の作品を手がけ、AMPAS®のメンバーでもあり、アカデミー賞®にノミネートされた短編アニメーションを3本制作した。現在はOCADUのエクスペリメンタル・アニメーション・エグゼクティブ・プロデューサーを務めている。
【コメント】
3月の映画祭の審査員にお招きいただき、大変嬉しく光栄に思っています。興味深い地域(新潟)を訪れ、素晴らしい場所やアクティビティを拝見することを楽しみにしていますが、それ以上に、審査員として、この2年間に公開された素晴らしい長編アニメーション映画を観ることをとても楽しみにしています。世界で長編アニメーション映画が製作される素晴らしい時期であり、来年3月にはいくつかの作品を見ることができることを期待しています。それでは、またお会いしましょう。
長編コンペティション部門のエントリーは2023年12月22日までとなっている。エントリー作品募集の詳細、応募方法は映画祭公式HPにて。
また新潟国際アニメーション映画祭Youtubeチャンネルがスタート。第1回映画祭でのイベントの様子がアーカイブとしてアップされる(毎週火曜日18時更新)。押井守監督(第1回審査員長)による閉会式スピーチやりんたろう監督による新作上映後のトークなど、話題を呼んだ貴重なイベントのアーカイブ映像が楽しめる。新潟国際アニメーション映画祭Youtubeチャンネルはこちら→https://www.youtube.com/channel/UC81m7n8a8MgQGC-8MUXs7pA
なお、第1回映画祭のコンペティション部門でグランプリに輝いたピエール・フォルデス監督「めくらやなぎと眠る女」は、ユーロスペース・インターフィルム・ニューディアーの配給で2024年初夏劇場公開が決定。公開決定のニュースが出るやいなや、村上春樹ファンやアニメーションファンを中心に話題沸騰、ピエール監督は10月28日に早稲田大学で行われた国際シンポジウム「世界とつながる日本文学〜after murakami〜」にもゲストとして招かれるなど、さらに広がりを見せている。
ピエール監督は劇場公開に向け、「『めくらやなぎと眠る女』が日本で公開されると聞いて、とても幸せな気分です。この映画は、純粋なひらめきと野心の両方から生まれました――史上最も偉大で最もインスピレーションに溢れた作家の作品から得たひらめきと、アニメーションにおいてテクニックだけではなく語り方をも一新しようとした野心の産物なのです。この映画は、様々な物語とキャラクターを絡み合わせつつ、2011年の地震と津波という大きな出来事が、登場人物たちをいかに目覚めさせ、自分の人生を生きようと試みさせるのかを探っていきます。私が村上春樹の小説を読んでいるときに感じたような、そしてこの映画を作っているときに感じたような大きな刺激を、観客に感じてほしいと思っています」と劇場公開に向けての喜びを語っている。
第2回新潟国際アニメーション映画祭
2024年3月15日(金)~20日(水)開催
英語表記:Niigata International Animation Film Festival
主催:新潟国際アニメーション映画祭実行委員会
企画制作:ユーロスペース+ジェンコ
公式サイト https://niaff.net
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