クロード・ベリ監督による映画『チャオ・パンタン 4K』が渋谷ユーロスペース、神保町シネマリスほか全国順次上映中。このたび、アザービジュアルと各界から到着したコメントが解禁された。

『老人と子供』や『愛と宿命の泉』などで知られるクロード・ベリが監督した1983年製作映画『チャオ・パンタン』。フランスでは当時、400万人近くの観客を集める大ヒットとなり、セザール賞でも5部門に輝き高く評価された。それまでのフレンチ・ノワールの美学を踏襲しつつ、当時の時代背景を色濃く映し、都市から追いやられた者たちの孤独、哀しみを鮮烈に描き出した作品だ。
今回解禁されたのは、コリューシュ演じる主人公・ランベールが夜の街へと歩き出す様子を捉えたアザービジュアル。ガソリンスタンドで働くアルコール中毒者のランベールを見事に演じ、セザール賞では最優秀主演男優賞に輝いたコリューシュ。その哀愁漂う佇まいはフランスの人気コメディアンとしての顔とは一変し、孤独を生きるランベールそのものである。フランス・ナンシー生まれのミュージシャン、シャルレリー・クチュールが本作のために書き下ろした楽曲「Les nuits sont trop longues(夜はあまりにも長い)」の歌詞が添えられ、窮屈な街で生きるランベールがアルコールへと逃避する心境、そして死への恐怖との葛藤を感じさせる。
さらに今回、本作を絶賛するコメントも多数到着した。映画評論の渡部幻は「肉体と都会が生々しく摩擦した痕跡をとらえている」と、80年代フレンチ・ノワールに位置づけられる『チャオ・パンタン』が映し出す、その時代の空気に言及。映画評論家でジャーナリストの大森さわこは「ただならぬ気配を漂わせた冒頭場面から、一気に映画に連れ去られる」、映画監督で脚本家の佐向大も「ここ最近で一番、胸が熱くなった」と、その魅力を熱を込めて表現した。コメント全文は以下のとおり。
著名人コメント全文 *敬称略/順不同
『チャオ・パンタン』は1983年のフランス映画である。
オープニングの夜の質感、雨音の響かせ方に触れるだけで「傑作」を予感させてくれる。
80年代の映画表現は「雨に濡れた都会の夜景」を先鋭化させた。20世紀末の都市は、濡れて冷たく、
人間に優しくはなかったが、70年代後半の『タクシードライバー』『ウォリアーズ』などをはじめ、
80年代前半の『クルージング』『ザ・クラッカー』『ブレードランナー』『チューズ・ミー』『ヴァラエティ』
など切りなく挙げられるが、クロード・ベリの『チャオ・パンタン』もまた欠かせない傑作である。
夜の暗さ、コンクリートの重み、雨水の湿り気とカビ臭さに、身も心も侵食されるような生活のディテールが
実感的で、人生の鬱陶しさ、いつかは死に至る生の非情さの中で、束の間、見知らぬ誰かと誰かが共有した
時間の亡霊性が際立ってくる。
この「80年代的なフレンチ・ノワール」が40年以上を経た今、改めて魅惑的なのは、
肉体と都会が生々しく摩擦した痕跡を捉えているからだ。
——渡部幻(映画評論)
雨にぬれた都市のブルーの夜。そこに不穏な音楽が重なる。
ただならぬ気配を漂わせた冒頭場面から、一気に映画に連れ去られる。
フランス版『タクシードライバー』と呼ばれるが、クールで不条理なあの傑作の闇とは個性が違う。
寡黙な主人公の感情もぬれていて、情の深さがあり、悲哀が余韻となる。影を生かす撮影も圧巻。
80年代、初期ユーロスペースで上映された“死角”的な作品で、40年ぶりに同劇場へのカムバックも感慨深い。
——大森さわこ(映画評論家/ジャーナリスト)
80年代のフィルム・ノワールの金字塔に大人の濃厚なブルース・ロックを聴かせて豊醇な味わいを加える
シンガーソングライター、シャルレリー・クチュールによるサウンドトラック。
彼の作る妖しい夜の甘い世界が、ハードボイルドで危険をまとう男の痛みを癒していく。
——馬場敏裕(サウンドトラック・ナビゲーター)
フレンチノワールと言ったら、トレンチコートを着たおっさんたちが、
組織のためとかなんとか言いながら、裏切ったり暗殺したりするイメージ。
でも全然違かった。
コート着ないしクロワッサンも食べない。
タトゥーにタンクトップの中年給油係が、ひたすら火に油を注ぎまくる。
ジョージ・C・スコットのように激怒し、ブロンソンのように復讐する。
『ディーバ』よりもスタイリッシュで、『レオン』よりも切ない。
彼の最後の決断に、ここ最近で一番、胸が熱くなった。
——佐向大(映画監督/脚本家)
いたってふつうの日常が不思議とグラマラスに見える、これこそ映画の魔法!
美術監督は『天井桟敷の人々』『愛人ジュリエット』のアレクサンドル・トローネルなのだから納得だ。
勝負にも見捨てられた、疲れた大人たちが夢をみるために、こういう映画はいつも映画館で流れているべき!
——和泉萌香(映画文筆)
まとめ(注目ポイント)
- 『チャオ・パンタン 4K』全国順次公開中80年代フレンチ・ノワールの名作『チャオ・パンタン 4K』が全国順次公開中。
- アザービジュアル解禁コリューシュ演じるランベールが夜の街へ歩き出す姿と、劇中楽曲「Les nuits sont trop longues」の歌詞を使用したビジュアル公開。
- セザール賞5部門受賞の名作1983年にフランスで約400万人を動員し、セザール賞5部門受賞を果たしたフレンチ・ノワールの代表作。
- 各界著名人が絶賛渡部幻、大森さわこ、佐向大らが作品の映像美や80年代の都市性、フレンチ・ノワールとしての魅力を高く評価。
チャオ・パンタン 4K
2026年7月4日(土)より渋谷ユーロスペース、神保町シネマリスほか全国順次ロードショー
STORY
パリ18区。しがないアル中の中年男ランベールは、夜のガソリンスタンドで働いている。ある晩、彼のもとに、ユダヤとアラブの血を引く青年ベンスサンが逃げ込んでくる。親と子ほど歳の差のある二人だが、ベンスサンはたびたびランベールに会いにくるようになる。ランベールもまた、何かと彼の世話を焼き始めるが、ある日そんな日々も突然の終わりを迎える。麻薬の売人をやっていたベンスサンが、オートバイに乗った二人組の男たちに殺されてしまったのだ。ランベールは、ベンスサンを死に至らしめた者たちへの復讐の決意を固め、夜の街へと足を踏み出していく。そしてすでに死んでいるかのような人生を送っていたランベールの過去も次第に明らかになっていく。
監督・脚本 クロード・ベリ 原作 アラン・パージュ 撮影 ブリュノ・ニュイッテン 編集 エルヴェ・ド・リューズ
美術 アレクサンドル・トローネル 音楽 シャルレリー・クチュール 製作 ピエール・グルンステイン
出演:コリューシュ リシャール・アンコニナ アニエス・ソラル フィリップ・レオタール
1983年|フランス|カラー|ヨーロピアン・ヴィスタ|92分|原題 TCHAO PANTIN
提供:キングレコード
配給:コピアポア・フィルム
©1983 - PATHE FILMS
公式サイト tchao-pantin2026.com




