『スパニッシュ・アパートメント』『ダンサー イン Paris』などで知られるセドリック・クラピッシュ監督による最新作『モネと時間旅行』が9月18日(金)より公開。このたび、パリのオランジュリー美術館「睡蓮の間」での一幕を捉えた本編冒頭シーンが解禁された。
今回解禁された本編映像は、モネの晩年を代表する大作、連作「睡蓮」が展示されているパリのオランジュリー美術館「睡蓮の間」と、作品を鑑賞する人々の様子を捉えたもの。モネ自身が配置を構想したという、自然光が差し込む空間の壁面を埋め尽くすように展示された《睡蓮》。巨大な画面を通して、水面に揺らめく光の移ろいを体感できるこの空間では、鑑賞者が自由に写真や動画を撮影することができ、自撮りや記録のためにカメラを向ける姿も見られる。

モネの絵より先に、自分を撮る――。そこにクラピッシュ監督が見つめたのは、SNSが生み出した「現代的な盲目」だった。
クラピッシュ監督はこのシーンについて、「いまの時代は、インスタグラムのようなソーシャルメディアが、人々の暮らしや存在のあり方そのものを変えました。インターネット上では、ミームやインフルエンサーが次々と話題を生み出し、人々はその流れに身を委ねています」と語る。
さらに、「映画の冒頭、オランジュリー美術館のシーンで描いたのも、その光景です。人々はモネの絵を見るより先に、その前で自分の写真を撮り、SNSに投稿する」と続け、「あらゆるものを見ることができる時代であるにもかかわらず、その中心にはつねに自分自身がいる」と指摘。そして、「私は、この状況が、一種の現代的な“盲目”を生み出しているように思うのです」と語っている。
一方で本作では、現代のSNSやAIだけでなく、モネが生きた1900年前後の社会における「現代性」にも目を向けている。「今日の私たちにとっての現代性がインターネットやAIだとすれば、1900年前後の人々にとっての現代性は、電気や温水でした。そうした変化をすべて物語のなかへ織り込むのは容易なことではありません。ひとつひとつが重要だからこそ、それらを消化し、ひとつの物語へまとめ上げるには多くの時間が必要でした」と振り返る。
さらに、「この映画が描いているのは、技術の進歩だけではありません。社会そのものもまた、大きく変化してきました。1900年当時、女性の生き方は現在とはまったく異なっていました。その後、多くの進歩があったことは間違いありません。もちろん、まだ道半ばではありますが。労働のあり方も、都市の姿も、同じように大きく変わってきたのです」と述べている。
モネと時間旅行
2026年9月18日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国公開
監督・脚本:セドリック・クラピッシュ 『ダンサー イン Paris』
出演:スザンヌ・ランドン『スザンヌ、16歳』、アブラム・ヴァプレ、ヴァンサン・マケーニュ『画家ボナール ピエールとマルト』、ジュリア・ピアトン『最高の花婿』、ジヌディーヌ・スアレム『パリのどこかで、あなたと』、ポール・キルシェ『Winter boy』、サラ・ジロドー『ベルナデット 最強のファーストレディ』、セシル・ドゥ・フランス『幻滅』、オリヴィエ・グルメ『私は確信する』、ヴァシリ・シュナイダー『モンテ・クリスト伯』、ヴァランタン・カンパーニュ『Coward』
原題:La Venue de l'avenir/2025 年/126分/フランス/フランス語/日本語字幕:古田由紀子/1:2.35/5.1ch/配給:セテラ・インターナショナル/協力:ユニフランス
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