今年も残すところあとわずか、この冬は3本の「ロック・ドキュメンタリー映画」が奇しくも同時期に劇場公開される。いずれもロック音楽界の「伝説」誕生の瞬間を捉えた珠玉作、極上の音響と迫力の大スクリーンで堪能してみてはいかがだろうか?
『甦る三大テノール 永遠の歌声』『ジャズ・ロフト』『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』『リスペクト』『アメリカン・ユートピア』『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』『オアシス :ネブワース1996』など、多様なジャンルの音楽映画が毎月のように公開され、音楽映画ムーブメントの起きた2021年。
そんな年の最後を彩るのもまた音楽映画だ。ローリング・ストーンズの名ドラマー、チャーリー・ワッツの追悼の意を込めてリバイバル公開されるのが『ワン・プラス・ワン』。ジャン=リュック・ゴダール監督がザ・ローリング・ストーンズのレコーディング風景を撮影した伝説の音楽ドキュメンタリーだ。
さらに年明けにはデヴィッド・ボウイの至高のライヴ映像『ジギー・スターダスト』、ブリティッシュ・ロックの傑作を次々と生みだした伝説的の音楽スタジオ、ロックフィールドの歴史を辿るドキュメンタリー『ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ』が公開。珠玉のロック・ドキュメンタリー三本が出揃う「音楽の冬」がまもなくやってくる。
『ワン・プラス・ワン』
『ワン・プラス・ワン』はロックンロール史上に輝く名曲「悪魔を憐れむ歌」(Sympathy For The Devil)誕生の瞬間を捉えた音楽ドキュメンタリー。1968年、ロンドン。5月革命のパリを離れ、ロンドンにやってきたヌーヴェルヴァーグを代表する巨匠ジャン=リュック・ゴダールと、世界最強のロックンロール・バンド、ザ・ローリング・ストーンズ。今もなお最前線で活躍し続けるゴダールとストーンズの、若き日のコラボレーション。カメラが映し出すのは、ストーンズのレコーディング風景、ブラック・パワー、我が闘争、革命のヒロイン アンヌ・ヴィアゼムスキー…。『ワン・プラス・ワン』は唯一無二の映像体験である。2021年12月3日 (金)公開。
ワン・プラス・ワン
2021年12月3日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
〈STORY〉 ロックンロール史上に輝く名曲「悪魔を憐れむ歌」(Sympathy For The Devil)誕生の瞬間を捉えた音楽映画。1968年、ロンドン。5月革命のパリを離れ、ロンドンにやってきたヌーヴェルヴァーグを代表する巨匠ジャン=リュック・ゴダールと、世界最強のロックンロール・バンド、ザ・ローリング・ストーンズ。今もなお最前線で活躍し続けるゴダールとストーンズの、若き日のコラボレーション。カメラが映し出すのは、ストーンズのレコーディング風景、ブラック・パワー、我が闘争、革命のヒロイン アンヌ・ヴィアゼムスキー…。『ワン・プラス・ワン』は唯一無二の映像体験である。
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
出演:ザ・ローリング・ストーンズ ミック・ジャガー、キース・リチャード、ブライアン・ジョーンズ、チャーリー・ワッツ、ビル・ワイマン、アンヌ・ヴィアゼムスキー
(日本劇場初公開:1978年11月1日)
1968年/イギリス/英語/カラー/101分/原題:ONE PLUS ONE 字幕翻訳:寺尾次郎
配給:ロングライド
©CUPID Productions Ltd.1970
『ジギー・スターダスト』
ボウイが1972年から73年にかけてイギリス、アメリカ、日本で行った長期ツアーの最終公演、ロンドンのハマースミス・オデオン劇場での伝説的なライヴを撮影したドキュメンタリーで、ボウイ自身が製作に関わった生涯最高のライヴ映画。この時のステージ衣装にはロンドンでコレクションを発表して間もない27歳の山本寛斎が参加。監督はボブ・ディランの『ドント・ルック・バック』で音楽ドキュメンタリーの歴史に一線を画したアカデミー賞名誉賞受賞監督D・A・ペネベイカー。全曲の歌詞翻訳を含む字幕はシュガーベイブのベーシストだった寺尾次郎。2022年1月7日(金)公開。
ジギー・スターダスト
2022年1月7日(金)よりBunkamuraル・シネマ、1月28日(金)よりアップリンク吉祥寺他にて全国順次公開
監督:D・A・ペネベイカー
出演:デヴィッド・ボウイ(ヴォーカル/ギター) ミック・ロンソン(ギター/ヴォーカル)
トレヴァー・ボーダー(ベース) ウッディ-・ウッドマンジー(ドラムス)
字幕:寺尾次郎
原題:Ziggy Stardust and the Spiders from Mars
1973年/イギリス/90分
配給:オンリー・ハーツ
© Jones-Tintoretto Entertainment Co.,LLC
『ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ』
イギリス・ウェールズにある伝説的音楽スタジオ、ロックフィールドのドキュメンタリー映画。今から50年以上前。ウェールズの片田舎で音楽好きの兄弟キングズリーとチャールズが家業の酪農場を引き継ぐ。当時エルヴィス・プレスリーに夢中だったふたりは、農場の仕事の傍ら、屋根裏に録音機材を持ち込み、大胆にもレコーディングスタジオを作ってしまう。当初は友人らと使用する目的だったが、空き部屋を宿泊施設に改修したことで、兄弟は無意識に“世界初”の宿泊可能な滞在型音楽スタジオ、ロックフィールドを設立。図らずもまたたく間に情報が広がり、バンドマンが録音したい場所として国際的な注目を集め出す。ブラック・サバス、クイーン、エコー&ザ・バニー・メン、イギー・ポップら多くの人気ミュージシャンが利用したというロックフィールド。オアシスの「ワンダーウォール」、コールドプレイの「イエロー」といった数えきれないほどの名曲たちがここで誕生した。なかでも、クイーンの名曲「ボヘミアン・ラプソディ」をレコーディングしたのはこの地であり、映画『ボヘミアン・ラプソディ』でもその様子が描かれたことで広く知られている。2022年1月28日 (金)公開。
ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ
2022年1月28日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開
監督:ハンナ・ベリーマン 撮影:パトリック・スミス 編集:ルパート・ハウスマン 音楽:アレクサンダー・パーソンズ
出演:キングズリー・ウォード、チャールズ・ウォード、オジー・オズボーン、ロバート・プラント、リアム・ギャラガー、クリス・マーティン、ティム・バージェス、ジム・カー
2020年/イギリス/ドキュメンタリー/96分/シネスコ/2.0ch/原題:Rockfield:The Studio on the Farm /日本語字幕:大塚美左恵
配給:アンプラグド
© 2020 Ie Ie Rockfield Productions Ltd.
公式サイト rockfield-movie.com
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