チャイ売りから映画監督を目指した少年の驚くべき“実話”から生まれた感動作『エンドロールのつづき』がいよいよ今週末1月20日(金)より全国公開。このたび、本作のプロモーションで来日を果たしたパン・ナリン監督が1月17日(火)の試写会イベントに登壇し、トークショーを行った。
チャイ売りの少年が映画と出会い、やがて世界で活躍する映画監督になる―。監督自身の驚くべき物語を映画化した『エンドロールのつづき』は、トライベッカ映画祭ほか、世界中の映画祭で5つの観客賞を受賞し、さらにバリャドリード国際映画祭では最高賞にあたるゴールデンスパイク賞をインド映画として初めて受賞。そして世界中の映画祭から喝采を浴び、第95回アカデミー賞インド代表(国際長編映画賞)に決定している。
試写会イベントに笑顔で登場したパン・ナリン監督は「みなさま、最後まで残ってくれて嬉しいです。(上映後に拍手が沸いたことについて)ありがとうございます。拍手を聞きそびれてしまい残念でしたが、映画館で映画を見るということから足が遠のいている状況の中、わざわざお越しくださって嬉しいです。配信ではなく、まずは映画館で見て欲しいと思っていました」と感謝を述べた。
12、3年ぶりとなる5回目の来日ということで、「日本に来てやりたいことは?」と問われると、「前回は映画の撮影でしたが、今回は観客のみなさまとお会いするのが目的です。この映画がどんなふうにみなさんに届いたのか興味があります」と抱負を語った。
第95回アカデミー賞インド代表(国際長編映画賞)としてショートリストにも選出された本作。現在世界各国をキャンペーンで飛び回っている監督は、観客からの反響について「主人公サマイの物語にグッときたという方もいれば、金融関係の方がグループが成功を手にするためのお手本のようだ、と言う見方もありました。また、中国ではヒンズー教徒とイスラム教徒の分断について、調和を謳った映画である、と言う人もいるんです(主人公のサマイはヒンズー教徒で、のちに友人となる映写技師のファザルはイスラム教徒)」と世界中で多様な受け取り方をされていることを説明。そしてアイスランドや中国、台湾、インドなど世界中で12以上の観客賞を受賞していることについて「多くの方が映画を愛しているんだと感じる」と感無量の様子。
ここから観客からの質問に監督が返答するティーチインとなり、まず「サマイが未来にどういう作品を作ってどういう大人になっていくか、構想があれば教えてください」という質問に「自分自身の子供時代にインスパイアされている物語なので、あえて申し上げると自分が心から作りたいものを作っていると思います。インドでは大衆向けの映画が方程式にのっとって作られていますが、自分にとってリアルなものを作る監督になるんじゃないかなと思います」と答えた。
「映画愛に溢れていて、映画ファンでいることを幸せに感じた作品でした」と監督に感想を伝えた観客は「厳しいお父さんとお母さんはモデルがいるのでしょうか」と質問。これに監督は「登場する両親も私の実の両親にインスパイアされたキャラクターです。インドの地方で育つと、映画は道徳的ではないという方も多く両親も心配をしていたんですが、子供が幸せになってほしい、やりたいことをやって欲しいということで背中を押してくれました。母も夢を追うことに対してはじめから背中を押してくれました。また母は料理が得意だったのですが、そのスキルを家族に教えてくれたんですね。この映画に出てくる料理は全て弟が作っています。家族というものを再現したかったんです」と監督の家族への想いが作品に反映されていることを明かした。
また「光というのが大事な要素かと思いますが、こだわりがあれば教えてください」という問いには「初めて映画を見に行った時に、頭上の光の筋がすごく印象的でした。当時そもそもどうやって映画というものが上映されるのか全くわからなかった。そこにとにかく魅了されたんです。映画の魔法が光の中にあるに違いない、そこから光を求める旅が始まりました」と返答した。
最後の質問として「映画技師の方(ファザル)は映画を見たのでしょうか?どのような反応でしたか?」と聞かれると、「ファザル(のモデルとなった人)は、実際はモハメッドさんという方で、完成前の本編を観てくれたのですが、観たあと一日中泣いたと言っていました。ドキュメンタリーにしか思えないと。コンピューターや英語はできないけれども、人として聡明な人物で、僕の2人目の先生という存在でもあります」と幼少時代の出会いに思いを馳せた。
そして監督は「みなさん本当に心からありがとうございます。映画が好きな方々、配給会社も映画を作る監督も頑張りますが、観客あっての映画だと思うので、より多くの方が映画館で観ていただけると嬉しいです。主人公を演じたバヴィンくん(当時9歳)の言葉を借りると、本作は『まず笑えて、そして泣いて、最後にお腹が減る』映画だと言います。いろんな方にこの映画の話をしてくれたら嬉しいです」と締めくくった。
トーク後は監督が希望する観客たちと快く撮影と握手をし、監督の映画への愛が存分に感じられるトークイベントになった。『エンドロールのつづき』は1月20日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋 他全国公開。
また数々の企業が本作を応援中。タイアップ詳細は以下の通り。
『エンドロールのつづき』タイアップ情報
1.スズキ株式会社
インドのグジャラートに工場を持つ大手自動車メーカーが全力応援。1月13日(金)実施の試写と1月21日(土)実施のトークショー付上映会、新聞広告に協賛。
2.インド料理ムンバイ
インド大使館御用達の本格インド料理店でスペシャルコラボメニューを販売。本編に登場するレシピ「ダル・ドカール」の再現メニューを、四谷・銀座の店舗でディナータイムに販売する。このコラボのためだけにインド人シェフがメニュー開発した、絶品の一品。インドのお弁当箱「ダッバー」で提供し、マサラチャイ付き。
販売期間:
インド料理ムンバイ四谷店:実施中〜2/15まで
インド料理ムンバイ銀座店:1/26〜2/15
詳細:https://mumbaijapan.com/news/202301_endroll/
※1月12日(木)実施の試写にて、オリジナルデザインのマサラチャイ用スパイスキットを提供。
3.Sumik Tea
高品質、オンリーワンで皆様に寄り添う紅茶を提供する紅茶専門店、Sumik Teaが、映画公開を記念して作ったオリジナル“ピュアマサラチャイ”を入場者にプレゼント。公開初日から新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋にて、数量限定で配布。なくなり次第終了。
※松竹洋画公式ツイッターで実施中の“あなたが映画に恋した、あの1本を教えてください!
キャンペーン賞品として“スミックマジックスティック12本アソート”を提供。
3.エリックサウス
本格南インド料理を提供する大人気レストラン、エリックサウスと特別コラボ。南インド料理ブームの立役者で有名な稲田俊輔が映画をイメージした野菜カレーをプロデュース。下記7店舗とエリックサウスウェブショップにて映画「エンドロールのつづき」公開記念公式インドの菜食ランチセットを販売。
エリックサウス 八重洲店
エリックサウス 虎ノ門ヒルズ店
エリックサウス 高円寺 カレー&ビリヤニセンター
エリックサウス KITTE名古屋店
エリック サウス 名古屋則武新町店
エリックサウス 岐阜AG店
エリックサウス 西天満店
4.インド食材 スパイスの専門店-アンビカショップ
国内最大手のインドスパイスショップが全面協力。
※「キッチンキング100g」を1月13日(金)、17日(火)実施の試写会にプレゼントとして提供。
※松竹洋画公式ツイッターで実施中の“あなたが映画に恋した、あの1本を教えてください!”キャンペーン賞品としてオンラインショップ用の10%OFFクーポンコードを提供。
5.モクシャチャイ
日印親子創業の老舗本格マサラチャイ専門店・モクシャチャイの公式ツイッターにて、映画鑑賞券が当たるフォロー&リツイートキャンペーンを実施。
エンドロールのつづき
2023年1月20日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋 他全国公開
STORY
9歳のサマイはインドの田舎町で、学校に通いながら父のチャイ店を手伝っている。厳格な父は映画を低劣なものだと思っているが、信仰するカーリー女神の映画は特別と、家族で街に映画を観に行くことに。人で溢れ返った映画館、席に着くと、目に飛び込んだのは後方からスクリーンへと伸びる一筋の光…そこにはサマイが初めて見る世界が広がっていた。映画にすっかり魅了されたサマイは、再び映画館に忍び込むが、チケット代が払えずつまみ出されてしまう。それを見た映写技師のファザルがある提案をする。料理上手なサマイの母が作る弁当と引換えに、映写室から映画をみせてくれるというのだ。サマイは映写窓から観る色とりどりの映画の数々に圧倒され、いつしか「映画を作りたい」という夢を抱きはじめるが―。
監督・脚本:パン・ナリン 出演:バヴィン・ラバリ
2021 年/インド・フランス/グジャラート語/112 分/スコープ/カラー/5.1ch/英題:Last Film Show/日本語字幕:福永詩乃 G 応援:インド大使館 配給:松竹
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