『aftersun／アフターサン』シャーロット・ウェルズ監督の初来日が決定　都内で観客とのQ＆A付き上映イベントの実施を予定

主演のポール・メスカルが本年度・第95回アカデミー賞®主演男優賞にノミネートされるなどフレッシュな才能が集結した注目作『aftersun／アフターサン』が5月26日（金）より公開。このたび、監督・脚本を務めたシャーロット・ウェルズの初来日が決定した。

11歳のソフィが父親とふたりきりで過ごした夏休みを、その20年後、父親と同じ年齢になった彼女の視点で綴る本作。2022年カンヌ国際映画祭・批評家週間での上映を皮切りに評判を呼び、話題作を次々と手がけるスタジオA24が北米配給権を獲得。昨年末には複数の海外メディアが「ベストムービー」に挙げ、毎年映画ファンが注目するオバマ元大統領のお気に入り映画にも選出されるなど、本年度を代表する1本となった。

若き父親と娘のひと夏の記憶を辿る本作の物語は、よく兄妹に間違えられたというシャーロット・ウェルズ監督と父が昔、トルコで2週間ほどともに過ごした実際の夏休みの思い出がベースとなっている。初めてのダイビング、古代遺跡との遭遇、泥風呂、大空いっぱいに広がったパラグライダーといった、そのときに感じた楽しさや驚きをフィルムの中に焼き付けている。

はじめは単に父と娘が休暇を一緒に過ごすわかりやすい物語を思い描いていたが、アイディアを構想しながら古いアルバムをパラパラとめくり、自身の思春期や両親、特に父との思い出を振り返っていくプロセスを経ることで脚本に回顧的な視点を与えて、次第にパーソナルなものへと変化していったという。

第89回アカデミー賞®作品賞など3冠に輝いた『ムーンライト』のバリー・ジェンキンスは、彼女の脚本に惚れこみ、自らプロデューサーに名乗りを上げ、映画祭での上映後、何度も鑑賞しているにもかかわらず感極まり号泣してしまったと明かしている。また、本年度アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚本賞・主演女優賞ほか最多7冠を獲得し話題の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の“ダニエルズ”監督ら今をときめく映画人たちも絶賛の声を上げている。各映画人の本作へのコメントは記事下にて。

このたび、本作の公開に先駆けて、シャーロット・ウェルズ監督が4月に初来日することが決定した。都内で観客とのQ&A付き上映イベントの実施を予定している。本作で鮮烈なデビューを飾り世界を夢中にさせた彼女が、日本で何を語るのか注目だ。

また、メイキング写真2点もあわせて解禁。シャーロット・ウェルズ監督とポール・メスカル、フランキー・コリオがそれぞれ写るメイキング写真は、ロケ地であるトルコのイギリス人観光客向けリゾート地・オルデニズでの撮影現場の様子を捉えている。錚々たる顔ぶれが並ぶ中、本作でアカデミー賞®主演男優賞に堂々初ノミネートを果たしたポール・メスカルが、「彼女は自分の脚本とまわりの人たちの仕事を全面的に信用して、一からサポートしてくれるんだ。俳優へのアプローチもすごく丁寧だったよ」と語るように、監督が自然体で俳優と向き合う和やかな現場だったことが伝わってくる。

『aftersun／アフターサン』は5月26日（金）ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国公開。

本作への映画人たちの絶賛の声

「ビデオカメラで撮影された人生の断片。僕は長い時間、あの最後の瞬間について考えることになるだろう。ブラボー！」
―ダニエル・クワン(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』監督・脚本)

「もう6回も観ているのに、毎回号泣しすぎて壊れそうなくらいだ」
―バリー・ジェンキンス (『ムーンライト』監督・脚本/本作プロデューサー)
※テルライド映画祭での本作上映後Q&Aにて

「なぜ映画が好きなのかを思い出させてくれるような作品。」
―ルル・ワン(『フェアウェル』監督・脚本)

シャーロット・ウェルズ監督 プロフィール

1987年6月13日生まれの35歳。ニューヨークを拠点とするスコットランド人映画監督。ニューヨーク大学でMBAとMFAの学位を取得できるプログラムの学生として３本の短編映画の脚本／監督をしてBAFTAニューヨークとロサンゼルスから支援を受けた。フィルムメーカー・マガジンの“インディペンデント映画の新しい顔25人”に選ばれている。