映画『エスター ファースト・キル』(3月31日公開)の公開直前イベントが3月28日(火)に実施され、日本が誇る天才子役・上杉みち(ロバート秋山)が登壇した。本作の主人公イザベル・ファーマンが撮影当時23歳の年齢で10歳の子供役を演じていることから、同じ境遇のロバート秋山がなり切る6歳の上杉みちが抜擢された。当日は上杉みちとハリウッド女優イザベル・ファーマンがリモートにて奇跡のコラボも果たした。
2009年の衝撃スリラー映画『エスター』の前日譚(エピソードゼロ)を描いた最新作『エスター ファースト・キル』。少女エスターはいかにして凶暴性を秘めたサイコパスへと覚醒したのか。本作では、オルブライト家を舞台に彼女の衝撃的な過去が明らかとなる。当時12歳でエスターを演じたイザベル・ファーマンが23歳(※本作撮影時)にして子役を再演。監督は、『ザ・ボーイ ~残虐人形遊戯~』(20)のウィリアム・ブレント・ベルがつとめ、脚本を『パラサイト 禁断の島』(19)のデヴィッド・コッゲシャルが手がけた。
この日の公開直前イベントに登場したのは、ロバート秋山が天才子役になりきって演じる6歳のキャラクター・上杉みちと、海外からリモート参加となったハリウッド女優イザベル・ファーマン。イザベルがいるロサンゼルスと日本がリモートでつながると、「今日はどうもありがとうございます。この映画を日本の皆さんに観ていただくことをすごく楽しみにしています」とあいさつしたイザベル。
劇中の幼い姿とは裏腹の、その大人っぽいドレス姿に「映画のイメージと違って大人ですね。その黒いドレス、すてきです」とドギマギした様子のみちくんに対して、イザベルは「今日はみちくんがいるということで、特別にドレスアップしたのよ」と笑いながら返答。「近い距離でお話したかったな」とみちくんが残念がると、イザベルも「こんなにも遠くで悲しい。次回は来日したいですね」と語るひと幕もあった。さらにみちくんは「この映画とっても怖かった。僕には刺激が強かったけど楽しかった! 僕は子供だけど怖い映画も見れるし、普通の子役ではできないことだってできるんだよ」と、映画の感想と自身の俳優としての力量をアピール!
映画を鑑賞した人たちの中から「イザベル・ファーマン演じるエスターがどうやっても子どもにしか見えない」という驚きの声が飛び交っている本作。みちくんも「何か僕と近いものを感じていて。どうやって撮影しているんだろうと思うところがいっぱいあった」と興味津々。その疑問に「今回、一番乗り越えないといけなかったことは、大人であるわたしがいかにして子どもであるエスターを演じるのか、そして信じてもらえるのかというところだった。そのためにいろいろなトリックを使っているんです」と明かしたイザベル。
「例えばわたしのまわりのキャストみんなに厚底靴なんかを履いて演じてもらいましたし、わたしが小さく見えるようになるべく中腰にしていました。それから何と言っても、みちくんのようなすばらしい子役さんが代役に入ってくれたので。ほかのアングルから撮っても、しっかりと子どものエスターになったというわけなんです」とそのトリックの秘密を明かすと、みちくんも「そうなんだ! すごいや、そういうこともできるんだ。それは僕も思い浮かばなかった。僕は代役を使わないで、(遠近法を使って)自分が引くということをやっていたからね」とその手法に感心した様子だった。さらにイザベルは「前作を何度も見直して声のトーンを上げたり、素晴らしいヘアメイクさんとどの様にしたら子供に見えるかを試行錯誤したわ」という努力の結果も明かした。
そしてそんな二人にあこがれる子役に向けてアドバイスを求められると、まずはみちくんが「やっぱり関係者さんとの距離感も大事だし、お金を出してくれそうな企業の社長さんとはいちおう話はしておいた方がいいよね。でもむやみやたらにいってもいいわけではなくて。この人どうなんだろうという人には近寄らないという嗅覚も大事かもね」と子役らしからぬ(?)処世術をアドバイス。
続いてイザベルが「まずは自分を信じること、とにかく頑張ること、そしてまわりにいる人たちに親切にすること、そして大人になっても、子どもの心が自分の中にあるんだということを忘れないこと。それが大事だと思う」とアドバイスすると、みちくんも「そうだよね、確かに。自分の中にある子どもを引き出すことって大事だよね。僕も最初は恥ずかしかったけど、何回かやっているうちに慣れてきたからね。もういいやって思うというか」とイザベルの言葉に共感している様子だった。
そんなみちくんは“泣きの演技”を得意としていることから、実際にイザベルの前で実演してもらうことに。まずは気持ちを集中させて役に入り込んだみちくんは、「僕は三竹(正浩)監督の作品にしか出ない」と絶大なる信頼を寄せる三竹監督の「恐怖のベアー」のワンシーンを披露。「古いおもちゃに飽きたから、新しいおもちゃを買ってよ」と駄々をこねるみちくんに、怒りと悲しみの感情を抱えたクマのぬいぐるみが突如襲いかかる! という身の毛もよだつようなシーンを熱演する姿を見たイザベルも、驚嘆した表情。近くにあったクマのぬいぐるみを手にし、「もう以前のようにこのクマを見ることができなくなったわ!」と語ると、「みちくんとエスターが主演する、怖いクマが出てくる映画を一緒に作りませんか?」とオファー。
その言葉に「ああ、うれしいや。監督は三竹監督ということでいいのかな」と笑顔を見せたみちくんに対して、「日本にこんな天才子役がいて、お会いできたこともうれしいですし、クマとつながりがある同士ということもうれしかったですね」と笑顔を見せたイザベル。喜びのあまり、「僕がクマみたいなもんなんで。僕を抱きしめてあげてください! I'll Go To LA! Eat Together! Dancing Together!」とやや暴走モードになってきたみちくんの姿に、イザベルも思わず大爆笑。
そんな爆笑に次ぐ爆笑だったイベントもいよいよ終盤。イザベルが「日本の観客の方に見ていただけることにワクワクしていますし、そのリアクションも気になるので、わたしのInstagramやTwitterなどで、こういう風に楽しんだと教えてください。今日はオンラインでしたが、この瞬間に参加できてうれしく思います」とメッセージを送ると、みちくんも「劇団えんきんほう所属の上杉みちとしても尊敬できます。こんなやり方があるんだというくらいに子どもに見えているし。絶対に観てほしいなと思いました!」と続け、さらに「LAとこんなやり取りしたのははじめてだよ。LAでもコント番組をやってみたいなぁ」と将来の夢を語るひと幕もあった。
『エスター ファースト・キル』は3月31日(金)TOHOシネマズ日比谷 他全国ロードショー。
エスター ファースト・キル
2023年3月31日(金)TOHOシネマズ日比谷 他全国ロードショー
STORY
裕福な一家、オルブライト家には4年前に行方不明となった一人娘のエスターがいた。だがある日、警察からエスターが見つかったという朗報が入る。父、母、兄は数年振りの再会という信じられない奇跡にこの上ない喜びを感じ、成長したエスターを迎え入れる。当時6歳だった彼女は時をへて10歳になっていた。これから幸せな生活が始まる…そう思っていた。この娘が、どこかが変だと気づくまでは。
監督:ウィリアム・ブレント・ベル 脚本:デヴィッド・コッゲシャル
原案・製作総指揮:デヴィッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック プロデューサー:アレックス・メイス/ハル・サドフ/イーサン・アーウィン
出演:イザベル・ファーマン ジュリア・スタイルズ ロッシフ・サザーランド マシュー・アーロン・フィンラン
(アメリカ/99分/R-15/カラー/5.1ch)
配給:ハピネットファントム・スタジオ
© 2021 ESTHER HOLDINGS LLC and DC ESTHER HOLDINGS, LLC. All rights reserved.
この記事が気に入ったらフォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow WEEKEND CINEMA