A24 製作・配給、ダーレン・アロノフスキー監督最新作『ザ・ホエール』がいよいよ今週末4月7日(金)より公開。このたび、父娘役を演じるブレンダン・フレイザー&セイディー・シンクが激しい演技バトルを繰り広げる本編映像が解禁された。
本作は、『ブラック・スワン』などの鬼才ダーレン・アロノフスキーとA24が贈る、異色の室内劇にしてヒューマンドラマ。恋人を亡くしたショックに打ちひしがれ、現実逃避をするように過食を繰り返し、272キロの巨体となったチャーリー(ブレンダン・フレイザー)。歩行器なしでは移動もままならず、病状の悪化で自身の死期が近いと悟った彼が、疎遠だった娘との絆を取り戻そうとする人生最期の5日間を描く。
272キロの巨体の男チャーリーになり切り、圧巻の存在感を見せつけるのは、スター俳優として『ハムナプトラ』シリーズや『センター・オブ・ジ・アース』の主演を務め、本作で本年度アカデミー賞で主演男優賞を初受賞したブレンダン・フレイザー。活躍目覚ましい若手女優セイディー・シンク(「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シリーズ)、とアカデミー賞助演女優賞へノミネートを果たしたホン・チャウ(『ザ・メニュー』)ら実力派俳優陣が脇を固める。
このたび解禁されたのは、数年ぶりに再会した父娘の複雑な関係性が描かれた本編映像。自らの余命が幾ばくもないことを悟り、疎遠だった娘との絆を取り戻そうとする主人公チャーリー。過去に新しい恋人との生活を選択したものの、家族を深く傷つけてしまったことに今も胸を痛めているチャーリーは、自分への怒りと恨みを募らせた娘のエリーと再会する。
幼い頃に愛する父から捨てられた経験がトラウマとなり、学校生活と家庭で多くのトラブルを抱えている17歳のエリー(セイディー・シンク)。怒りに身を任せて生きるエリーにチャーリー(ブレンダン・フレイザー)は、「世界中に向かって怒る必要はない。僕だけに怒れ」と自身を犠牲にしてアドバイスをするが、この言葉にエリーは激怒。「私をゴミみたいに捨て8年後に父親ぶるの?」と父を傷つける言葉を放ち、一線を引いてしまう――。
ほぼワンシチュエーションの会話劇という構成である本作では、セリフが最大の魅力にもなっている。対立する父と娘は言葉の使い方も相反しており、大学でエッセイの講師をするチャーリーは言葉を用いて人々を癒そうとするが、反対にエリーは言葉を反抗するための武器として使う。
ブレンダンは、本作の脚本家であり、原作戯曲の作者でもあるサミュエル・D・ハンターが書いた台詞に惚れこんだといい、「サムは現実の生活を詩にする。彼の物語には必ず価値観と目的がある上に、活き活きとしたユーモアあふれる率直な言葉を書く才能があるんだ」と彼の言葉に信頼を寄せている。
そして本作で新たな魅力を開花させたエリー役のセイディー・シンク。ブレンダンの熱演にひるむことなく堂々と立ち向かっているセイディーについて、アロノフスキー監督とブレンダンの二人は「彼女は将来素晴らしい役者になる」と声を揃えてその仕事ぶりを絶賛している。セイディー本人は「実はブレンダンが出演している映画を 1 本も見たことがなかった」と告白しており、それゆえに撮影現場で緊張せずいられたと振り返っている。
エリーのキャラクターについても、彼女の生い立ちから性格を想像し、深く理解し「彼女は人生の大半を、父親を悪者にして生きてきた。父がいなくなってから、エリーと母親の人生は負のスパイラルに陥ってしまい、それが今でも続いているから、エリーは父親を傷つけるためにチャーリーのアパートに来たんだと思うの。『見てよ、私はこんなに嫌な人間になっちゃった。あんたのせいよ』と、自分が父親に心を傷つけられたのと同じように彼を傷つけたい。もしかしたら、父親が良い境遇にないのを見て、少しスッとしてさえいるかも。父親が苦しんでいるからといって、優しくする気は毛頭ない。父親に対して言うべきことがあり、それをはっきりと言う芯が通った女の子なのよ」と解説する。
華麗な復活劇を見せオスカーを受賞したブレンダンと若手No.1の演技力を惜しみなく披露したセイディーの激しい演技バトルからも目が離せない本作。果たして父娘の絆は取り戻せるのか――? 結末は劇場で確かめてみよう。
『ザ・ホエール』は4月7日(金)TOHO シネマズ シャンテ他全国ロードショー。
ザ・ホエール
2023年4月7日(金)TOHO シネマズ シャンテ他全国ロードショー
STORY
ボーイフレンドのアランを亡くして以来、現実逃避から過食状態になり健康を害してしまった40代の男チャーリー。アランの妹・看護師のリズの助けを受けながら、オンライン授業でエッセイを教える講師として生計を立てているが心不全の症状が悪化し、命の危険が及んでも病院に行くことを拒否し続けている。しかし、自分の死期がまもなくだと悟った彼は、8年前、アランと暮らすため家庭を捨てて以来別れたままだった娘エリーに再び会おうと決意。彼女との絆を取り戻そうと試みるが、エリーは学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた…。
監督:ダーレン・アロノフスキー(『ブラック・スワン』『レスラー』)
原案・脚本:サム・D・ハンター
キャスト:ブレンダン・フレイザー、セイディー・シンク、ホン・チャウ、タイ・シンプキンス、サマンサ・モートン
提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ
【2022 年/アメリカ/英語/117 分/カラー/5.1ch/スタンダード/原題:The Whale/字幕翻訳:松浦美奈】PG12
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公式サイト whale-movie.jp
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