人気のナショナル・シアター・ライブ作品をアンコール上映する恒例の「ナショナル・シアター・ライブ アンコール夏祭り」が2023年も開催決定。7月14日(金)〜8月10日(木)の期間、東京・シネ・リーブル池袋にて開催される。
ナショナル・シアター・ライブ(NTLive)はイギリスのナショナル・シアターが厳選した、今見るべき話題の舞台をこだわりのカメラワークで撮影し、世界各国の映画館で上映する企画。これまでにイギリスの演劇界最高峰のローレンス・オリヴィエ賞受賞作やウエストエンドで高評価を得てブロードウェイでの上演が決まりトニー賞も受賞した作品など、数々の名舞台を日本の映画館で楽しめる貴重な機会を作ってきた。
どの作品も厳重な上映期間が決められており、アンコール上映ができる作品は限られているが、今年のアンコール夏祭りには『ハムレット』『フランケンシュタイン』『フリーバッグ』などの話題作が登場。上映権利が一旦終了していた作品もいくつか再び上映OKとなり復活上映を果たしている。上映作品と上映日程は以下にて。
上映作品と上映日
開催期間:7/14(金)〜8/10(木)
場所:シネ・リーブル池袋
『るつぼ』 7/14(金)、7/16(日)、7/19(水)
『ハムレット』 7/15(土)、7/17(月)、7/18(火)、7/20(木)
『フランケンシュタイン』 ベネディクト・カンバーバッチ怪物版 7/21(金)、7/23(日)、7/25(火)、7/27(木)、7/31(月)
『フランケンシュタイン』 ジョニー・リー・ミラー怪物版 7/22(土)、7/24(月)、7/26(水)、7/28(金)、8/1(火)
『フリーバッグ』 7/29(土)、8/2(水)、8/5(土)、8/7(月)
『リア王』 7/30(日)、8/3(木)、8/8(火)、8/10(木)
アンコール夏祭り以外にも以下の作品が下記日程、劇場で上映予定。
『ライフ・オブ・パイ』 現在公開中 シネ・リーブル池袋にて ㊗️トニー賞受賞
『かもめ』 6/23(金)〜 公開 吉祥寺オデヲンにて
『オセロー』 6/23(金)〜 公開 TOHOシネマズ 日本橋ほか NEW!日本初公開
『レオポルトシュタット』 6/30(金)限定1日2回上映 TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて ㊗️トニー賞受賞
『ハムレット』 8/19(土)限定1日1回 宮崎キネマ館にて(なんちゃって演劇史とのコラボ企画 演劇史講座付き)
各作品情報
『るつぼ』
アーサー・ミラーの魅惑的な権力の寓話を、『ザ・クラウン』のエリン・ドハティと『イェルマ』のブレンダン・カウエルの主演で描く。演出は『ハムレット』(ベネディクト・カンバーバッチ主演)のリンゼイ・ターナー、デザインは『リーマン・トリロジー』でトニー賞を受賞したエス・デブリンが担当。
作:アーサー・ミラー
演出:リンゼイ・ターナー
出演:エリン・ドハティ、ブレンダン・カウエル ほか
上映時間:186 分
ストーリー:“見ざる聞かざる言わざる”の精神の中で生きるセイラムの人々。牧師の娘が昏睡状態となり、「住民の中の誰かが悪魔を呼んだにちがいない」と言い出す人が出て、若い女性たちは、自分達の見たことを証言し始める。やがて恐怖、復讐、告発の風潮が地域社会に蔓延し始めて…。
『ハムレット』
ベネディクト・カンバーバッチが以前から挑戦したいと公言していた「ハムレット」が実現した本作はオンラインチケットが発売されるやいなや10万枚のチケットが即日完売した大人気舞台。
作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:リンゼイ・ターナー
主演:ベネディクト・カンバーバッチほか
上映時間:187 分
ストーリー:ハムレットの父親を毒殺して母親と結婚し王位についた叔父への復讐劇。オリヴィエ賞最優秀演出賞ノミネート歴をもつ精鋭の女性演出家リンゼイ・ターナーによる、舞台の奥行を活かしたダイナミックな演出は、劇場の空間でありながら大作映画に匹敵する躍動感が溢れる。本作でタイトルロールを演じたベネディクトは、彼特有の個性を評価されながら、同時に歴代の「ハムレット」俳優に匹敵する名演が賞賛された。
『フランケンシュタイン』
アカデミー賞監督ダニー・ボイルが超有名原作に挑む!イギリス演劇界最高峰のオリヴィエ賞主演男優賞をベネディクト・カンバーバッチとジョニー・リー・ミラーがW受賞したNTLive史上最も人気の1作品。主演二人が入れ替わり、怪物と博士を演じる2つのバージョンがある。どちらも見比べたい傑作。
作:メアリー・シェリー
演出:ダニー・ボイル
主演:ベネディクト・カンバーバッチ、ジョニー・リー・ミラーほか
音楽:アンダーワールド
上映時間:BC 怪物版132 分 、JLM怪物版126分
ストーリー:博士に造られた怪物。彼は世界との接触により徐々に人間の心を持つようになるが…。
『フリーバッグ』
アマゾンのドラマ「フリーバッグ」の元になった舞台。ドラマは2019年テレビ批評家協会賞でプログラム・オブ・ザ・イヤーを含む3部門を受賞し、同年エミー賞では11部門にノミネートされた。イギリスでは主演の衣裳や小物の検索率が34〜38%増加し、その人気は“フリーバッグ・エフェクト”とも呼ばれた。ドラマで知名度が上がった舞台版の映像上映は、日本のNTLive ファンからも期待の声がとても多かった。皮肉屋で常識外れのシングル女性を主人公にした、心に深く刺さるドラマ。
作:フィービー・ウォーラー=ブリッジ
演出:ヴィッキー・ジョーンズ
主演:フィービー・ウォーラー=ブリッジ(一人芝居)
上映時間:88 分
ストーリー:モルモットカフェを友人と営むアラサー女性が、友人のこと、家族のこと、仕事のことを、時折観客に向かって語りかけながら笑いと毒舌で赤裸々に表現していく。
『リア王』
名優イアン・マッケランが、NTLiveに再び登場! 圧倒的な演技力と存在感で老王リアが辿る悲しい末路を体現する。演出を手掛けるのは堤真一主演の『民衆の敵』など日本でも活躍するジョナサン・マンビィ。
作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:ジョナサン・マンビィ
主演:イアン・マッケランほか
上映時間:230分
ストーリー:シェイクスピアの四大悲劇の一つ。退位にあたり3人の娘の愛情を試した老王リアだったが、長女と次女に裏切られ、国を追われてしまう――。
『ライフ・オブ・パイ』
『ライフ・オブ・パイ』は、ヤン・マーテル原作の「パイの物語」を日本でも数々の作品の演出を手がけているマックス・ウェブスターが演出した舞台。本物の動物のようなパペットや浮き出す船など美術セットで圧巻の演劇作品が誕生した。先日発表されたトニー賞で演劇装置デザイン賞、演劇照明デザイン賞、演劇音響デザイン賞を受賞した。
作:ヤン・マーテル 脚色:ロリータ・チャクラバーティ
演出マックス・ウェブスター
キャスト:ハイラム・アベセカラ、ミナ・アンウォー、ラジ・ガタク、ニコラス・カーン
上映時間:139分
ストーリー:ベストセラー小説をもとに、人形劇とマジック、そしてストーリーテリングが絶妙な融合を遂げオリヴィエ賞を受賞した話題の舞台。広大な太平洋の真ん中で船が沈没し、少年パイは救命ボートで長らえ唯一生き残る。救出された彼が話す物語にはハイエナ、シマウマ、オランウータン、ベンガルトラが登場するが、実際には何が起きていたのか? 観る人に、自分が信じるものは何か、を問いかける壮大な物語。
『かもめ』
アントン・チェーホフの愛と孤独の物語を21世紀にアレンジした作品で、『ゲーム・オブ・スローンズ』のエミリア・クラークがウエストエンドに初登場・初主演した。
作:アントン・チェーホフ 脚本:アーニャ・リース
演出:ジェイミー・ロイド
出演:エミリア・クラーク、トム・リース・ハリーズ(『ホワイトラインズ』)、インディラ・ヴァルマほか
上映時間:164分
ストーリー:名声を欲し現実からの逃げ場を求める若い女性。憧れの女性を追い求める若い男。成功した作家は達成感を求めている。時代を変えるために戦いたい女優。田舎にある孤立した家では、夢は散り、希望は打ち砕かれ、心は傷つく。行き場のない思いは、互いにぶつかり合うしかないのか…。さまざまな思いが交差するドラマ。
『オセロー』
作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:クリント・ダイアー
出演:ジャイルズ・テレラ(『ハミルトン』)、ロージー・マキューアン(『エイリアニスト』)、ポール・ヒルトン(“The Inheritance”)
上映尺:185分
ストーリー:シェイクスピア原作の長年語り継がれる悲劇の代表作がクリント・ダイアーの演出と豪華キャストで新たなプロダクションに。 聡明で強気な性格の上院議員の娘デズデモーナと、白人世界の頂点に上り詰めた出自は奴隷制度の難民である男オセローが、人種を超えた愛に立ち向かう。秘密裏に結婚したデズデモーナとオセローは、共に新しい人生を歩むことを切望していたが、そんな二人を罠にかけようとする人物がいた…。
『レオポルトシュタット』
映画『恋におちたシェイクスピア』でアカデミー賞脚本賞を受賞するなど英国を代表する劇作家トム・ストッパードが、自身の家族の歴史から着想を得た脚本が待望の舞台に。あるオーストリア系ユダヤ人家族を、第二次世界大戦までの50年間にわたり描く壮大な家族ドラマ。
作:トム・ストッパード(NTLive『ハード・プロブレム』)
演出:パトリック・マーバー(NTLive『ヘッダ・ガーブレル』)
装置:リチャード・ハドソン 衣装:ブリジット・ライフェンシュテュール
照明:ニール・オースティン(トニー賞・オリヴィエ賞受賞照明デザイナー)
音楽:アダム・コーク
出演:エイダン・マクアードル、フェイ・キャステロー、セバスチャン・アルメスト、アーティー・フルーシャンほか
ストーリー:20世紀初頭、レオポルドシュタットはウィーンの古いユダヤ人街として賑わっていた。製造業を営むヘルマン・メルツは、カトリック教徒のグレーテルと結婚し、洗礼を受けたユダヤ人として出世した。トム・ストッパードの壮大なドラマの中心となるのは、メルツ家のアパートに集まったヘルマンの親戚たちだ。彼らの人生は、国を取り巻く戦争、革命、貧困、ナチスドイツへの併合、そしてオーストリアのユダヤ人にとっては6万5千人が殺害されたホロコーストなどの混乱に翻弄される。
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