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フランスを代表する名匠アルノー・デプレシャン監督の最新作で、マリオン・コティヤールとメルヴィル・プポー共演の『私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター』が9月15日(金)より全国順次公開されるのを記念して、同監督のレトロスペクティブが開催。このたび全上映作品が決定し、新作にあわせ来日する監督のアフタートーク・舞台挨拶も決まった。

©THOMAS BRUNOT
「⽇本の観客は細かいところまで⾒てくれるからワクワクしてるよ!」

『私の⼤嫌いな弟へ ブラザー&シスター』公開を記念して開催されるアルノー・デプレシャン監督のレトロスペクティブは監督の30年に及ぶフィルモグラフィーを展観。全ての劇映画とドキュメンタリーを含む13作品が上映される。都内では 9/8(⾦)からの東京⽇仏学院 エスパス・イマージュ、9/16(⼟)からの「第 45 回ぴあフィルムフェスティバル」の2会場で開催され、全国巡回上映も予定されている。映画の新しい息吹を感じさせた最初期の作品から、映画の豊かさを凝縮しファンを魅了する現在の作品まで。その時代、その時代で⼈⽣に⽴ち向かうデプレシャン映画の素晴らしさを堪能できる。

『私の⼤嫌いな弟へ ブラザー&シスター』
©︎ 2022 Why Not Productions - Arte France Cinéma 

またデプレシャン監督が最新作『私の⼤嫌いな弟へ ブラザー&シスター』公開に合わせて来⽇。東京・名古屋・⼤阪・京都にて、新作とレトロスペクティブのアフタートーク・舞台挨拶を⾏うことが決定した。来⽇を楽しみにしている監督から「⽇本の観客に会いたい! ⽇本の観客は細かいところまで⾒てくれるからワクワクしてるよ!」という⾔葉も届いている。90年代から現在までフランス映画を牽引してきたデプレシャン監督の⽣の声を聞くことができる貴重な機会となる。概要は以下のとおり。

アルノー・デプレシャン監督レトロスペクティブ開催概要

■第 5 回映画批評月間 フランス映画の現在をめぐって スペシャルエディション アルノー・デプレシャンとともに
期間:9/8(金)〜9/29(金)
会場:東京日仏学院 エスパス・イマージュ
公式 HP:https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/cinema20230908/

<上映作品>
二十歳の死(1991)
魂を救え!(1992)
そして僕は恋をする(1996)
エスター・カーン めざめの時(2000)
“男たちと共に”演技するレオ(2003)
キングス&クイーン(2004)
愛されたひと(2007)
クリスマス・ストーリー(2008)
ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して(2013)
あの頃エッフェル塔の下で(2015)
イスマエルの亡霊たち(2017)
ルーベ、嘆きの光(2019)
いつわり(2021)

■第 45 回ぴあフィルムフェスティバル アルノー・デプレシャン監督特集
期間:9/16(土)〜9/22(金)
会場:国立映画アーカイブ
公式 HP:https://pff.jp/45th/lineup/arnaud-desplechin.html

<上映作品>
二十歳の死(1991)
魂を救え!(1992)
そして僕は恋をする(1996)
イスマエルの亡霊たち(2017)
※特別プログラム「アルノー・デプレシャン監督『女囚 701 号 さそり』を語る」

*アルノー・デプレシャン監督レトロスペクティブはそのほか全国で巡回予定
*各会場での上映作品・上映時間はそれぞれの HP でご確認ください
*上映作品はやむを得ない事情で変更となる場合があります

上映作品解説

『二十歳の死』
フランス/1991 年/52 分/カラー/デジタル
出演:マリアンヌ・ドニクール、エマニュエル・サランジェ、エマニュエル・ドゥヴォス、ティボー・ド・モンタンベール
フランス北部のある家で 20 歳のパトリックが散弾銃で自殺を図った。昏睡状態が続くなか、知らせを聞いた親戚一同が集まってくる。デプレシャンはこの監督デビュー作で、パトリス・シェローの門下生など若手新人俳優たちを大挙起用、驚くべき演出力によって窮地に追い詰められた一族の推移を濃密に描き、熱狂的に迎えられ、期待すべき若手監督に贈られるジャン・ヴィゴ賞を受賞した。

©Why Not Productions

『魂を救え!』
フランス/1992 年/146 分/カラー/デジタル
出演:エマニュエル・サランジェ、エマニュエル・ドゥヴォス、マリアンヌ・ドニクール、ジャン=ルイ・リシャール
1991 年。外交官だった父を亡くしたマチアスは、ドイツからフランスへと向かう列車内で突然身柄を拘束される。その後解放されてパリに着くと、マチアスのスーツケースの中には見知らぬ人の頭部が……。法医学の研究医である彼はこの頭部を分析し始めるが、そこには大きな政治的陰謀が隠されていた。初の長編作品は、敬愛するジャン・ル・カレにならった“スパイもの”であると同時に、青春群像劇、クローネンバーグ風ホラーと様々なジャンルが織り交ぜられた意欲作。カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

©Why Not Productions

『そして僕は恋をする』
フランス/1996 年/180 分/カラー/35mm
出演:マチュー・アマルリック、エマニュエル・ドゥヴォス、エマニュエル・サランジェ、マリアンヌ・ドニクール
パリ 6 区サンジェルマン・デ・プレ界隈を舞台に 29 歳の大学講師ポールと彼をめぐる3人の女性の恋のゆくえがユーモラスに、そして切実に描かれていく。フランス映画史に残るあらたな“恋愛映画の傑作”と評され、世界にもデプレシャンの名前を知らしめた作品。本作によってヌーヴェルヴァーグに続く“あらたな波”あるいは“デプレシャン系”という言葉が生まれ、映画界を席巻していく。カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

©Why Not Productions

『エスター・カーン めざめの時』
フランス=イギリス/2000 年/148 分/カラー/デジタル
出演: サマー・フェニックス、イアン・ホルム、ファブリス・デプレシャン、エマニュエル・ドゥヴォス
1891 年、ロンドン、イーストエンドのユダヤ人街で生まれ育ったエスターは、内向的な性格で、他人はおろか家族の者とさえ満足なコミュニケーションがとれない。そんな彼女がある日、初めて観た芝居に触発され、ひそかに女優になることを決意する。故リヴァー・フェニックス、そしてホアキン・フェニックスの妹サマー・フェニックス演じるヒロインは、激しさと繊細さを併せ持ち、デプレシャンが敬愛するトリュフォーの『恋のエチュード』のふたりの姉妹を思い起こさせる。音楽は重鎮ハワード・ショア。カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

©Why Not Productions

『“男たちと共に”演技するレオ』
フランス/2003 年/125 分/カラー/デジタル
出演:サミ・ブアジラ、ジャン=ポール・ルシヨン、イポルット・ジラルド、ラズロ・サボ、アナ・ムグラリス
これは何人かの権力者たちと彼らが繰り広げる戦いについての話である。ふたりのビジネスマンが対立する金融界での闘争の真っ只中に投げ込まれる息子——まるでハムレットの世継ぎとふたりの王のような——の話であり、そこには侍従や愚者、無法人者なども巻き込まれていく。カンヌ国際映画祭ある視点部門出品。

©Why Not Productions

『キングス&クイーン』
フランス/2004 年/153 分/カラー/35mm
出演:エマニュエル・ドゥヴォス、マチュー・アマルリック、カトリーヌ・ドヌーヴ、モーリス・ガレル
一方には光輝く「クイーン」のようなノラが、もう一方には、落ちぶれた「キング」イスマエルがいる。ノラは結婚を前に、父が突然倒れ、過去の記憶や亡霊たちに囲まれていく。イスマエルは精神病院に強制収容されるも、そこで「休暇」を過ごすことに。かつて恋人同士だったふたりの人生がしだいに交錯していく。E・ドゥヴォス、M・アマルリックはこれまで以上に素晴らしい演技を見せ、アマルリックはセザール賞最優秀主演男優賞を受賞。ヴェネチア映画祭正式出品。

©Why Not Productions

『愛されたひと』
フランス/2007 年/66 分/カラー/デジタル
出演:ロベール・デプレシャン、アルノー・デプレシャン、ファブリス・デプレシャン
家が売却されるのを知り、デプレシャンは故郷ルーベの家に戻り、幼少期について、結核で亡くなった母テレーズとのつながりについて、そしてデプレシャン家にまつわる家族関係について父に尋ねていく。ドキュメンタリーながら、ヒッチコックの『めまい』へのオマージュも感じられる本作には、デプレシャンの他の作品群(『二十歳の死』、『エスター・カーン』、とりわけ本作と同時に制作されていた『クリスマス・ストーリー』)を読み解くための鍵を見出すことができる。

©Why Not Productions

『クリスマス・ストーリー』
フランス/2008 年/150 分/カラー/35mm
出演:マチュー・アマルリック、カトリーヌ・ドヌーヴ、アンヌ・コンシニ、メルヴィル・プポー、キアラ・マストロヤンニ
フランス北部の街ルーベ。ヴュイヤール家は、母ジュノンの病気をきっかけに、疎遠になっていた子供たちがクリスマスを過ごすために家に集う。しかし絶縁されていた“役立たず”の次男の登場で、久しぶりの家族の再会に波風が立ち始め、誰もが抱いている不安や寂しさ、秘密めいた想いが顔を出すことに……。ヴュイヤール家、姉妹の関係など最新作へと繋がるモチーフを持つ。カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

©Why Not Productions - France 2 Cinéma

『ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して』
フランス/2013 年/117 分/カラー/デジタル
出演:ベニチオ・デル・トロ、マチュー・アマルリック、ジーナ・マッキー、ミスティ・アッパム
1948 年、アメリカ、モンタナ州に暮らすアメリカ・インディアンのジミーは、第 2 次世界大戦からの帰還後、原因不明のさまざまな症状に悩まされ、カンザス州の軍病院に入院する。そこでフランス人の精神分析医で人類学者のジョルジュと出会う。ジョルジュとの対話を重ねるうちに、ジミーは自らの心に宿る闇に触れることになる。 カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

©2013 Why Not Productions-France 2 Cinema-Orange Studio

『あの頃エッフェル塔の下で』
フランス/2015 年/120 分/カラー/デジタル
出演:カンタン・ドルメール、ルー・ロワ=ルコリネ、マチュー・アマルリック
長い間、外国暮らしをしていた人類学者のポールは、パリに帰国する途中で、パスポートをめぐる奇妙なトラブルに巻き込まれる。なぜか、世界には“僕”が二人いる?偽のパスポートが忘れかけていた過去の記憶を呼び覚まし、ポールは人生を振り返りはじめる。ルーベの家族、ソビエトへのスリリングな旅、そして、忘れられない初恋…。『そして僕は恋をする』の続編ともいえる本作は、思春期の若者たちの多感な感情を崇高な悲劇のように描いてみせる。 カンヌ国際映画祭監督週間出品。

©JEAN-CLAUDE LOTHER - WHY NOT PRODUCTIONS

『イスマエルの亡霊たち』
フランス/2017 年/134 分/カラー/デジタル
出演:マチュー・アマルリック、マリオン・コティヤール、シャルロット・ゲンズブール、ルイ・ガレル
映画監督のイスマエルは、外交官の弟イヴァンを題材にスパイ映画を準備中だ。イスマエルはシルヴィアという恋人がいるが、若い頃に突然失踪した元妻カルロッタの記憶に取り憑かれている。ある日、そのカルロッタが突然現れて…。カンヌ国際映画祭オープニング作品。

©Jean-Claude Lother Why Not Productions

『ルーベ、嘆きの光』
フランス/2019 年/119 分/カラー/デジタル
出演:ロシュディ・ゼム、レア・セドゥ、サラ・フォレスティエ、アントワーヌ・レナルツ
クリスマスの頃、ルーベの街でひとり老女性の遺体が発見される。警察署長のダウードと新米刑事のルイは、同じ建物にカップルとして暮らすふたりの女性クロードとマリーを署に連行する。故郷ルーベの警察署の様子を記録したドキュメンタリーから着想を得て、現地の住民や警察官たちとプロの俳優たちを共演させて撮った初のフィルム・ノワール。カンヌ国際映画祭コンペティション出品。

©Why Not Productions

『いつわり』
フランス/2021 年/103 分/カラー/デジタル
出演:レア・セドゥ、ドゥニ・ポダリデス、アヌーク・グランベール、エマニュエル・ドゥヴォス
1987 年、ロンドン。フィリップはロンドンに亡命している有名なアメリカ人作家。彼の愛人は定期的に彼のオフィスに会いに来る。そこでふたりは愛し合い、議論し、逢瀬を重ねながら、女性たちについて、性について、反ユダヤ主義、文学について、そして自分自身に忠実であることについて語り合う…。原作はデプレシャンが敬愛する現代アメリカ文学の巨匠フィリップ・ロスの代表的小説『いつわり』。場所も人物も特定できず、映画化不可能とされていたこの原作から、デプレシャンは優雅で心張り裂ける親密なる作品を生み出した。カンヌ国際映画祭コンペティション出品。

©Shanna Besson / Why Not Productions

アルノー・デプレシャン監督来日 登壇予定

『私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター』
■東京 Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下
日時:初日 9/15(金)夜の回上映後&9/16(土)夜の回上映後
詳細:https://www.bunkamura.co.jp/topics/cinema/7778.html

■愛知 伏見ミリオン座
日時:9/18(月祝)10:45 回 上映後
詳細:https://eiga.starcat.co.jp/

■大阪 シネリーブル梅田
日時:9/18(月祝)14:00 回 上映後
詳細:https://ttcg.jp/cinelibre_umeda/

■京都 京都シネマ
日時:9/20(水)夜の回 上映後
詳細:https://www.kyotocinema.jp/

第 5 回映画批評月間 フランス映画の現在をめぐって スペシャルエディション アルノー・デプレシャンとともに
期間:9/8(金)〜9/29(金)
会場:東京日仏学院 エスパス・イマージュ
公式 HP:https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/cinema20230908/

■『エスター・カーン』
日時:9/17(日)18:00 回 上映後

■『愛された人』
日時:9/21(木)18:30 回 上映後

第 45 回ぴあフィルムフェスティバル アルノー・デプレシャン監督特集
会場:国立映画アーカイブ
詳細:https://pff.jp/45th/lineup/arnaud-desplechin.html

■『二十歳の死』
日時:9/16(土)19:00 回 上映前

■『イスマエルの亡霊たち』
日時:9/16(土)14:30 回 上映後

■「アルノー・デプレシャン監督『女囚 701 号 さそり』を語る」
日時:9/17(日)14:30 回 上映後

レトロスペクティブ巡回上映
■『いつわり』
会場:大阪 シネ・ヌーヴォ
日時:9/18(月祝)夜の回 上映前
詳細:http://www.cinenouveau.com/

■『魂を救え!』
会場:京都 出町座
日時:9/19(火)夜の回 上映後
詳細: https://demachiza.com/

*日時、イベント内容は事情により変更の場合がございます。

作品情報

私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター
2023年9月15日(金)よりBunkamura ル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次ロードショー

STORY
姉アリス(マリオン・コティヤール)は有名な舞台女優で、弟ルイ(メルヴィル・プポー)は詩人。アリスは演出家の夫との間に一人息子がいて、ルイは人里離れた山中で妻と暮らしている。何が理由だったかは、もうわからないけれど、二人はもうずっと憎みあい、顔も合わせていない。そんな二人が両親の突然の事故によって再会するのだが……。憎しみの出口はどこ?幸せな結末はある?

監督:アルノー・デプレシャン(『そして僕は恋をする』『クリスマス・ストーリー』)
出演:マリオン・コティヤール(『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』『アネット』)、メルヴィル・プポー(『わたしはロランス』『それでも私は生きていく』)、ゴルシフテ・ファラハニ(『パターソン』)、パトリック・ティムシット(『歓楽通り』)

原題:Frère et sœur 英語題:Brother and Sister|フランス|2022 年|110 分|シネマスコープ|5.1ch
字幕:磯尚太郎|字幕監修:松岡葉子|配給:ムヴィオラ

© 2022 Why Not Productions - Arte France Cinéma

本作は“French Cinema Season in Japan”の一環として、ユニフランスの支援を受けて公開されます

公式サイト https://moviola.jp/brother_sister

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