“シネ・エッセイ”の作家として知られ、世界中のクリエイターに多大な影響を与えたクリス・マルケルの没後10周年を記念した特集上映が、アップリンク吉祥寺にて5月27日(金)より開催されることが決定した。

代表作『サン・ソレイユ』など短編を含む6作品を上映予定

永遠に消えることのないテーマで数多くの作品を発表したクリス・マルケル。フィルム、写真、本、ビデオ、ゲームなど多様なメディアを自在に使って完成させる作品は優雅にして詩的であり、2012年の没後もテリー・ギリアム監督ら世界中のクリエイターに大きな影響を与え続けている。

本特集では代表作『サン・ソレイユ』やチリ難民支援コンサートのリハーサル中の世界的な歌手イヴ・モンタンの姿を収めた『イヴ・モンタン〜ある長距離歌手の孤独』、晩年の問題作『レベル5』など短編を含む6作品を上映予定。上映期間中はトークイベントも予定。没後10年の節目にクリス・マルケルの魅力を再確認する貴重な機会となる。

上映予定作品

「北京の日曜日」 1956年/フランス/カラー/DCP/20分
ある日曜日のスケッチとして革命後の北京の人々や風景を鮮やかに描いた初期短編。

「シベリアからの手紙」 1958年/フランス/モノクロ/DCP/61分
開発途上のシベリアの街と風景や人々の様子をアニメーションやアーカイブ映像を挿入しつつ書簡形式のナレーションで描く。

「ある闘いの記述」1960年/イスラエル=フランス/カラー/DCP/57分 1961年ベルリン国際映画祭ドキュメンタリー部門金熊賞
1948年の建国以来12年を迎えたイスラエルの複雑な現実を描く。第三次中東戦争以降、マルケル自身によって上映禁止に。

「イヴ・モンタン~ある長距離歌手の孤独」1974年/フランス/カラー/DCP/60分 出演:イヴ・モンタン
チリ難民支援コンサートのためにリハーサル中のイヴ・モンタンを映す。

「サン・ソレイユ」1982年/フランス/カラー/DCP/104分 
1983年ベルリン国際映画祭OCIC特別賞/1983年英国映画協会賞サザーランド賞/2014年シネマ・アイ・オナーズ他
世界を旅するカメラマンから届いた手紙を朗読する女性。日本とアフリカ、記憶や旅をテーマに、フィクションやドキュメンタリー、哲学的考察が混在したマルケルの代表作の1本。

「レベル5」1997年/フランス/カラー/DCP/110分  出演:カトリーヌ・ベルコジャ
ローラは亡くなった恋人の仕事を引き継ぎ沖縄戦についてのコンピュータ・ゲームを完成させようとする…。仮想空間の中に現実と虚構が交錯するマルケル晩年の問題作。

クリス・マルケル (1921 年 7 月 29 日~2012 年 7 月 29 日)

パリ生まれの映画作家/プロデューサー/写真家など。サルトルの許で哲学を学ぶ。第二次世界大戦中、ナチスに対するレジスタンスに参加。『夜と霧』(1955 年)でアラン・レネの助監督を務める。『12 モンキーズ』(1995 年)のテリー・ギリアム監督を始め、影響を与えたクリエイターは世界中に数多い。監督以外にも、『ベトナムから遠く離れて』(1967 年)のプロデューサーなど、多彩な作品の誕生に寄与した。また数回来日もしている。

上映情報

没後10周年記念 クリス・マルケル特集2022
2022年5月27日(金)よりアップリンク吉祥寺にて開催

公式サイト http://www.pan-dora.co.jp/ChrisMarker/

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