現代アメリカ映画の最重要作家ケリー・ライカート監督作『ファースト・カウ』が12月22日(金)より全国公開。このたび日本版予告編&本国版予告編、日本版ビジュアル2種が解禁された。また『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』などの小説家・大前粟生ら著名人から絶賛コメントが到着した。
現代アメリカ映画の最重要作家と評され、いま最も高い評価を受ける監督のひとりであるケリー・ライカート監督作品『ファースト・カウ』は、お披露目されるやいなや絶賛の声が上がり、世界中の映画祭で157部門にノミネートされ27部門受賞。映画人からの評価も高く、ポン・ジュノ、ジム・ジャームッシュ、トッド・ヘインズ、濱口竜介ら、名だたる監督たちが口を揃えて本作を称賛。さらに、映画ファンに最も愛される配給会社A24とライカート監督の初タッグが実現し、自身の最高傑作との呼び声も高い本作が誕生した。物語の舞台は西部開拓時代のオレゴン州。アメリカン・ドリームを求めて未開の地にやってきた料理人のクッキーと中国人移民のキング・ルーは、ドーナツ作りを通して少しずつ友情を育んでいく。
本作で物語の行方を握るのは「牛」との出会い。トビー・ジョーンズ演じる仲買商が、お茶にミルクを入れるために呼び寄せた、この地にたった一頭の牛。料理人のクッキーとキング・ルーは夜な夜な仲買商の豪邸に忍び込み、盗んだ貴重なミルクで作ったドーナツで一攫千金を狙うことに。すると、その美味しさがたちまち話題となり、やがて仲買人本人の目にも止まるが…。
このたび、そんな物語の鍵を握る“牛”が印象的な日本版ビジュアル2バージョンが一挙に解禁。デザインを手がけたのは、『君の名前で僕を読んで』『mid90s ミッドナインティーズ』『わたしは最悪。』など、これまで人気作のビジュアルを数々担当してきたデザイナーの石井勇一。
一つ目は、本国ビジュアルの世界を踏襲したもの。牛が船で運ばれている様子が切り取られ、静かにこちらを覗く姿が目に留まる。さらに「おいしい話にご用心。」というコピーが浮かび、決して一筋縄ではいかない、ふたりの旅路の行方が気になる1枚となっている。
もう一つは、日本オリジナルで作成したもので、牛がまさに未開の地に降り立つ瞬間が映し出され、物語の始まりを連想させる。背景には紅葉色づく美しい木々が見られ、本作の魅力の一つでもある、豊かな自然を感じることができる。
劇中の牛を演じたのは、イーヴィーという雌牛。ケリー・ライカート監督は、映画の重要なキャラクターとなるイーヴィーとのエピソードとして、たくさんの顔写真の中からいちばん大きな目をしていた彼女を抜擢したと語っている。
さらに日本版予告編も解禁。アメリカン・ドリームを夢見るふたりの男が、未開の地に初めてやってきた、たった一頭の牛と出会い、物語が動き出す様子が描かれる。ポン・ジュノ、ジム・ジャームッシュら世界の映画人が絶賛する本作は、「今年No.1の牛映画-The Spectator」との呼び声も。
また本国トレーラーも解禁。映像は、料理人のクッキーと中国人移民のキング・ルーが静かな森の中で出会うシーンから始まる。リスクを冒しながらも、夜な夜な牛からミルクを盗む2人だったが、果たしてドーナツで成功を掴むことはできるのだろうか?「この地には歴史がない。始まりつつあるが、今度こそ築けるかも。俺たちの未来を」そうつぶやく彼らの物語の行方が気になる映像となっている。
“眩しく魅惑的 遥かな世界への窓”(TIME OUT)、“驚くべきアメリカン・ドリームの原点”(INDIEWIRE)、“傑作”(THE NEW YORK TIMES)と、評される本作。さらに、アメリカで高い評価を受けるアーティスト、ウィリアム・タイラーの音楽が、2人の旅路を優しく包み込んでいる。
あわせて、大前粟生ら著名人から本作への応援コメントも到着。大前は「物語より親密さを、死やスリルより彼らの生活のささやかな一場面を大事にしてくれる、素晴らしい映画」と本作を絶賛し、ライターのISOも「ライカート監督の優しさが光る名篇」と太鼓判を押している。著名人のコメント一覧・全文は以下にて。
2023年を締めくくるにふさわしい注目作『ファースト・カウ』は12月22日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開。
著名人コメント一覧 *五十音順、敬称略
●ISO(ライター)
マチズモを礼賛する開拓時代に、男の業から解放された親密さを育む2人。
フロンティアで芽生えたその聖域をいつしか羨望の眼差しで見ていた。
歴史書に載らない落後者の人生を拾う、ライカート監督の優しさが光る名篇。
●大前粟生(小説家)
物語より親密さを、死やスリルより彼らの生活のささやかな一場面を大事にしてくれる、素晴らしい映画。
●中村千晶(映画ライター)
ずっとハラハラなのに、なんて心優しい映画なんだろう! マッチョな開拓時代、主人公ふたりは明らかにマイノリティだ。彼らの風変わりな共同生活のぬくもりに、いつの時代にもある「生きづらさ」を感じてヒリッとする。
●門間雄介(ライター/編集者)
歴史の深層から社会を、生活を、そこに生きた人々を掘り起こし、
生き生きと再現する、そして人と人との間に生じる、心の通いあいを嘘なく記録する、
友情劇という一語にはくくりきれない、深い余韻を残す物語。
ファースト・カウ
2023年12月22日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開
STORY
西部開拓時代のオレゴン州。アメリカン・ドリームを求めて未開の地にやってきた料理人のクッキーと、中国人移民のキング・ルー。共に成功を夢見る2人は自然と意気投合し、やがてある大胆な計画を思いつく。それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツで一攫千金を狙うという、甘い甘いビジネスだったー!
督・脚本: ケリー・ライカート
脚本:ジョナサン・レイモンド
出演:ジョン・マガロ、オリオン・リー、トビー・ジョーンズ
2019/アメリカ/英語/カラー/ 5.1ch/原題:First Cow/日本語字幕:中沢志乃
配給:東京テアトル、ロングライド
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公式サイト http://firstcow.jp/
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