ジョニー・デップ出演最新作『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』(全国公開中)の公開記念トークショーが2月2日(金)に開催され、女優の花總まりが登壇した。
本作は18世紀のフランス・ヴェルサイユの宮廷を舞台に、ルイ15世の最後の愛人となった“デュ・バリー夫人”ことジャンヌ・デュ・バリーの愛と波乱に満ちた生涯を描いた本格派エンタテインメント。実際の舞台となるヴェルサイユ宮殿にて大規模撮影が遂行され、シャネルが本作のためにデザインした衣装を提供し、贅を尽くしたフランス宮廷を見事に再現した。フランス国王史上一の美男にして問題児、“最愛王”の異名をもつルイ15世役にジョニー・デップが自身初の全編フランス語で挑み、さらに『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』(15)の監督で知られるマイウェンが本作では監督と脚本を手がけ、自ら主人公のジャンヌ・デュ・バリー役を演じた。
本作は「ベルサイユのばら」にも登場する、ルイ15世の公妾デュ・バリー夫人の史実に基づく物語。マリー・アントワネットがフランス王室に嫁いでくる以前は、ヴェルサイユの女性の頂点に君臨していたジャンヌ・デュ・バリーだが、マリー・アントワネットが王太子妃となってから、力を弱めていったことが映画でも描かれている。そんな本作について、元宝塚歌劇団のトップスターで、在籍時代には、「エリザベート」にて主演エリザベート役、「ベルサイユのばら」にてマリー・アントワネット役などを演じた花總がたっぷり語った。
まず映画の感想について花總は「ものすごく素晴らしい作品でした。私は公開前、家の小さなパソコンで拝見させていただいたのですが、ぜひ大きなスクリーンでもう一度みたいなと思いました。本当に素晴らしい映画でした」と大絶賛。
続いて、本作で描かれているジャンヌ・デュ・バリーという人物について。これまでに何度もマリー・アントワネットを演じてきた花總は、映画を見て、驚いたことがあったという。「私が舞台で演じるときには、デュ・バリー夫人という役は残念ながら出てこなかったんですけれども、もちろん映画や書籍などで彼女の名前は耳にしていて、自分なりに彼女のイメージを持っていました。そして今回、デュ・バリー夫人を主とした映画を観て、一人の女性としての知らなかった面をたくさん見ることができたので、イメージが覆されました。これからはもっと彼女に興味を持って、色々なものに触れていきたいと思いました」と話す。
そしてデュ・バリー夫人という人物像について「私がこれまで目にしたものでは、デュ・バリー夫人についてあまり良く描いていなかったのですが、今回映画を観終わってみて、初めて彼女に寄り添いたくなりました。本当にいろんな面を見せてくれていて、生きる力というものをすごく感じました。優しさだったり、無邪気さだったり、強さだったり、悲しみだったりが多彩に映し出されているので、一人の女性として理解できる部分がたくさん描かれていて彼女のことをすごく好きになりました」と、彼女の新しい一面を本作で発見したことを明かした。
そんなデュ・バリー夫人を演じている俳優のマイウェンは、実は自ら監督と脚本も務めている。そんなマイウェンについて、「脚本も書かれて、主演、監督もされていると聞いて、すごいな〜!と思いました。演じるときと、監督をするとき、頭の中って全然違うと思うんですよね。演じるときはその役に入り込んで、その役を自分として捉えているので、その切り替えはなかなか普通の人ではできないんじゃないかなと思います。でも実際に映画を観ると一瞬の隙もなくて、本当に素晴らしかったです」と感心の様子。
そこで、続いて話題は花總の役作りについて。ヴェルサイユを舞台にした演劇やヨーロッパ近世の舞台に多く出演されている花總は、歴史上の人物を演じるうえで意識していることについて「歴史上の人物を演じさせていただくことが本当に多かったので、さまざまな資料に目を通しましたし、実際にその方ゆかりの地に行けるときがあれば足を運んでいます。その空気に触れることによって得られるものがたくさんあるんです。演じる役をなるべく忠実に演じたいなと思っています」と明かす。
実はジョニー・デップのファンだという花總。アメリカ人俳優でありながらデュ・バリー夫人と燃えるような恋に落ちるフランス国王を演じた彼について、「ジョニー・デップさんが好きで彼のいろんな作品を見てきたのですが、初めルイ15世を演じているというイメージがなくてあまりにも意外で、どうやってルイ15世を演じるのか興味深かったんです。フランス語をしゃべられているのも何も違和感を感じず、本当にその世界のルイ15世を演じていたので、やっぱりさすがだな〜と!」と絶賛。
そして、これから映画を鑑賞する観客に向けて本作の注目のシーンについて「ルイ15世がデュ・バリー夫人のことをいかに愛しているかという名台詞が映画の中で出てくるのですが、そんなふうにいつか自分のことも言ってくれる方が現れる日が来るのかどうか!本当に素敵でした」と笑いながら話し、「映画を観終わってから本当にいろんなシーンが浮かんでくるので見所は一つじゃないなと思うんですけど、一つはやっぱりヴェルサイユ宮殿で撮影されているところが見所です。そしてシャネルが大々的に協力している衣装も素晴らしいですし、本当に映像が綺麗でした」とコメント。
最後に「何も考えずに映画の世界にどっぷり入り込んでいって欲しいです。そうすると私のようにあのシーンだったり、このシーンだったりと、いろんなシーンが浮かんでくると思うんですよ。前評判に埋もれないくらルイ15世とデュ・バリー夫人の2人の関係性や生き様がリアルに描かれていて、何度見ても見応えがある見所がたくさんの映画なので、今日はタイムトリップして映画の世界にどっぷり浸っていただけたらと思います」と話し、大きな拍手に包まれながらトークイベントは終了した。
『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』は絶賛公開中。
ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人
2024年2月2日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
STORY
貧しい家庭の私生児として生まれ、娼婦同然の生活を送っていたジャンヌ(マイウェン)は、類まれな美貌と知性で貴族の男たちを虜にし、社交界の階段を駆け上がっていく。ついにヴェルサイユ宮殿に足を踏み入れたジャンヌは、時の国王ルイ15世(ジョニー・デップ)と対面を果たす。二人は瞬く間に恋に落ち、彼女は生きる活力を失くしていた国王の希望の光となっていく。そして、国王の公式の愛人、公妾となったジャンヌ。しかし、労働階級の庶民が国王の愛人となるのはヴェルサイユ史上、前代未聞のタブー。さらに堅苦しいマナーやルールを平気で無視するジャンヌは、保守的な貴族たちから反感を買う一方で、宮廷に新しい風を吹き込んでいく。しかし、王太子妃のマリー・アントワネットが嫁いできたことで立場は弱まり、やがて運命は大きく変わっていく…。
監督 マイウェン 脚本 マイウェン、テディ・ルシ=モデステ、ニコラ・リヴェッチ
出演:マイウェン 、ジョニー・デップ
バンジャマン・ラヴェルネ 、ピエール・リシャール 、メルヴィル・プポー、パスカル・グレゴリー
2023年/フランス/フランス語/116分/カラー/ビスタ/5.1ch/JEANNE DU BARRY(原題)/日本語字幕:松浦美奈/配給:ロングライド
©︎Stéphanie Branchu - Why Not Productions
©︎2023-WHY NOT PRODUCTIONS-FRANCE 2 CINEMA- FRANCE 3 CINEMA-LA PETITE REINE-IMPALA PRODUCTIONS
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