ベテラン個性派アクター、ドナルド・サザーランドが88歳で死去　息子キーファーは「映画史上最も重要な俳優の一人」と追悼

1960年代から現在まで長年に渡って多数の映画で活躍してきた個性派俳優ドナルド・サザーランドが6月20日、フロリダ州マイアミで死去したことを彼のエージェントが発表した。享年88。死因に関しては長年の闘病の末と言われている。

サザーランドはカナダ東部に生まれ、子供時代からいろいろな病気を患っていたと言われる。14歳でラジオ番組の司会を務め、その後英国に渡って演技を学び、舞台に出演。63年に映画デビューした。

最初に注目されたのはロバート・アルドリッチ監督の戦争アクション『特攻大作戦』（67）の囚人から選ばれた戦士の一人を演じた時。その後、クリント・イーストウッド共演の『戦略大作戦』（70）などに出ていたが、ロバート・アルトマン監督のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『M★A★S★H マッシュ』（70）に主演し、一躍スターに。70年代はほかに『コールガール』（71）『赤い影』（73）『イナゴの日』（75）『1900年』（76）『カサノバ』（76）『鷲は舞い降りた』（76）『アニマル・ハウス』（78）『SF／ボディスナッチャー』（78）などに主演や助演で大忙しだった。

80年代もアカデミー賞作品賞受賞作『普通の人々』（80）をはじめとして、『針の眼』（81）『白く渇いた季節』（89）、90年代には『バックドラフト』（91）『JFK』（91）『ディスクロージャー』（94）『アウトブレイク』（95）など、00年代は『スペース カウボーイ』（00）『プライドと偏見』（05）などどの時代も個性派アクターとして主演に助演に大活躍する売れっ子俳優の一人だった。また10年代には『ハンガー・ゲーム』シリーズ（12～15）のスノー大統領役を演じて若い世代にも知られている。

『24 -TWENTY FOUR-』シリーズのジャック・バウアーことキーファー・サザーランドは実の息子。ドナルドは『評決のとき』（96）や『ワイルドガン』（15）で息子キーファーと共演。『24』ではジャック・バウアーの父親役のオファーを受けたが、“息子を殺そうとする役”だと聞いて断ったという。ハリウッドのウォーク・オブ・フェームではキーファーの隣にその名前が刻まれている。

キーファーからは「私は個人的に、映画史上最も重要な俳優の一人だと思っている。良い役でも、悪い役でも、醜い役でも、決して臆することはなかった。彼は自分のすることを愛し、愛することを実行した。それ以上のことは求められないでしょう。充実した人生でした」とコメントがSNSで寄せられており、ほかにもかつて一緒に仕事をした、ジェーン・フォンダ、エリオット・グールド、ロン・ハワードら多くのセレブからも哀悼のコメントが続いている。