4Kデジタル修復で蘇る『イル・ポスティーノ』にヤマザキマリより描き下ろしイラスト到着　池澤夏樹、俵万智ら各界からのコメントも解禁

1996年に日本で公開されロングラン大ヒットを記録した名作『イル・ポスティーノ』が、このたび製作30周年を機に4Kデジタル・リマスター版としてスクリーンに鮮明に蘇り、『イル・ポスティーノ 4Kデジタル・リマスター版』として11月8日（金）より全国順次公開。このたび、漫画家のヤマザキマリが“私の好きなシーン”を描き下ろした特別イラストが解禁され、コメントも到着した。あわせて各界より届いた絶賛コメントと、新たに制作された20秒版予告編動画も解禁された。

本作は南イタリアの小島を舞台に、高名な詩人と内気な郵便配達人の友情を描く、心に沁みる感動作。1995年度のアカデミー賞®で作品賞を含む5部門にノミネートされ、作曲家ルイス・エンリケス・バカロフの哀愁に満ちた旋律が、オリジナル作曲賞を受賞した。今も多くの映画ファンが生涯のベスト作品の1本としてその名を挙げる奇跡の名作が、製作30周年とパブロ・ネルーダ生誕120周年を記念して4Kデジタル映像によって繊細かつダイナミックに蘇る。主人公の郵便配達人を演じたマッシモ・トロイージは、本編撮影終了の12時間後に、完成作品を観ることなく、41歳という若さでこの世を去った。

今回解禁となるのは、80年代に10代で単身イタリアに渡りフィレンツェに留学、その後長きにわたるイタリア暮らしの経験から、エッセイ漫画や大ヒット作「テルマエ・ロマエ」を生み出してきたヤマザキマリが描き下ろした特別イラスト。

チリから亡命してきた高名な詩人パブロ・ネルーダが島に滞在することになり、貧しい漁師の父親と二人暮らしのマリオは、世界中から送られてくる手紙をネルーダへ届けるだけの郵便配達人に採用される。イラストに描かれたのは、採用された途端に郵便配達人の制帽を被るマリオに、父親が「もうその恰好？」と突っ込む場面。「制帽を頭の形になじませている」と答え、採用された喜びを顔に出さないマリオの内気さがよく表れているシーンだ。

そんな内気なマリオは、初めは緊張しながらネルーダへの郵便を配達していたが、ネルーダの詩集を読むうちに言葉のパワーに目を開かれ、自らの生き方や社会についても考えるようになる。ネルーダもまたマリオの無垢な感性に刺激され、二人の間に友情が育まれていくのだ。

ヤマザキマリからは、『人の感性を解き放つ「言葉」というものの意味を、奥深く、丁寧に捉えた作品。何度見ても色褪せず、未来に残る名作。』という映画へのコメントも届いた。映画が製作された当時、マリオを演じたマッシモ・トロイージが、イタリアの女子大生に大人気だったというヤマザキマリならではのイラスト内コメントにも注目。

あわせて各界よりコメントが到着。コメント全文・一覧は以下のとおり。また『イル・ポスティーノ ４Kデジタル・リマスター版』SNS感想・期待投稿キャンペーンが実施決定。詳細は、映画公式サイト（https://www.ilpostino4k.jp/）にて。『イル・ポスティーノ ４Kデジタル・リマスター版』は11月8日（金）より角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開。

著名人コメント一覧　※敬称略・順不同

詩の力、詩のまた無力寄せ返す波うちぎわのイルポスティーノ ―――俵万智

詩は水なんだと思った。
美しくて、命のために必要で、時に政治の種になる。
そして誰のものでもある。
俵万智（歌人）

人の感性を解き放つ「言葉」というものの意味を、奥深く、丁寧に捉えた作品。何度見ても色褪せず、未来に残る名作。
ヤマザキマリ（漫画家・文筆家・画家）

偉大な詩人が若者に詩の原理を教える。
若者は自分なりに詩を書いて、それで恋が実る。
風景も脇役もよく、スクリーンに楽しさがあふれる。
池澤夏樹（作家・詩人）

輝くバンドネオンの音色。ガルデルの歌。ノスタルジーに駆られタンゴを踊る南米人。どれも印象的だが、マッシモ・トロイージが命を賭して演じた弱き男、マリオの純粋さこそ何よりも美しい。
小松亮太（バンドネオン奏者）

生まれて初めて詩を読んだ主人公マリオが詩人に感想を伝えるシーンに、本作の美しさが凝縮している。
長島有里枝（アーチスト）

まるで別世界の美しい景色の中で、
彼らの真っすぐな心と数々の詩が優しく胸に迫り続ける至高の作品
渡辺早織（俳優・タレント）