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第97回アカデミー賞®長編アニメーション賞ノミネート、アヌシー国際アニメーション映画祭クリスタル賞(最高賞)受賞をはじめ各国の映画祭を席巻している珠玉のストップモーション・アニメーション映画『かたつむりのメモワール』が6月27日(金)より全国公開されるのに先駆け、3月18日(火)に先行上映が行われ、アダム・エリオット監督が登壇した。

「日本に来るのは大好きです」

アダム・エリオット監督は21年前となる2004年の『ハーヴィー・クランペット』でアカデミー賞®短編アニメーション賞ほか32に及ぶ映画賞を受賞し、一躍世界的な注目を集めたのち、日本でも2011年に公開された初長編作品『メアリー&マックス』(2009)でアヌシー国際アニメーション映画祭ではクリスタル賞(最高賞)を受賞。『かたつむりのメモワール』は実に15年ぶりの待望の長編新作となる。登壇時には、本作の「主演」でもあるカタツムリの帽子を被ったグレースの人形も一緒だった。

日本文化が好きというエリオット監督。今回の来日については、「明日、新潟国際アニメーション映画祭に行くんですけれども、今回は5日間と割と短い滞在です。実は今回で6回目の来日で、日本に来るのは大好きです。日本の文化も、その文化をリスペクトして守っている日本の方々も大好きです。そして何よりも僕の映画に出てくるジョークを理解してくれて、笑ってほしいポイントでしっかり笑っていただけるっていうのが、すごく嬉しいです」と手放しで喜びを語った。

「前作の『メアリー&マックス』(2009年/日本公開は2011年)から15年ぶりとなる新作ですね」とMCから振られると、「かなり時間が経っていますから、この作品を発表した時、結構驚かれた方も多かったんですよね。あまりにもしばらく見ていなかったから(監督は)死んじゃったのかな?と思っていた方もいるぐらいなんです。次の長編はこんなにお待たせしないように3〜4年くらいで届けしたいなと思っています」と早くも次回作の構想も持っていることを明かした。

今作はアヌシー国際映画祭での最高賞であるクリスタル賞受賞を始め、世界中の映画祭を巡り、先日はついにアカデミー賞長編アニメーション部門のノミネーションを果たした。授賞式に参加した時の気持ちを聞かれたエリオット監督は、「25年前に『ハーヴィー・クランペット』で(短編アニメーション映画賞を)受賞をしてはいますが、アカデミー賞にまさか2回もノミネーションされるなんて、まるで稲妻に2回うたれるような、そんなことだというふうに思いました」と、『ハーヴィー・クランペット』の主人公が雷にうたれる場面と絡めてユーモアを持って答えた。

そして「授賞式は、正直ストレスを感じました。たくさんの人に(自分を)見られますし、取材やメディアの数もとても多くてちょっと疲れてしまいました(笑)。私はむしろ、こういった上映の場のQ&Aを通して観客のみなさんとお話しできる方が楽しいです」と素直な気持ちを語った。

Q&Aに移ると、早速、今日の上映に駆けつけたファンから次々と手が挙がった。最初の質問は、監督の作風についての質問で、「時に世の中の残酷な一面も描く作風や表現方法は、どのようにして生まれたのか?」という質問。

エリオット監督は、「私たちの人生には笑えることも悲しいこともあります。光と闇があるんです。ですので、私の映画はみんなの人生を反映させているだけなんです。その上で、映画を観ていただいた時に、何か皆さんの“(心の)栄養”になるような作品を作りたいんです。単に楽しいとか悲しいという以外に、何かが心に残るような作品です。2回、3回と繰り返し観たくなり、映画を観たそれぞれの方々にとって特別な意味を持つような作品を作りたいです」と真摯に返答した。

さらに「例えば『自分はこの世界であまり価値がないんじゃないか?』と思ってらっしゃる方や、『自分は他の人には見えずに、透明人間みたいになってるんじゃないか?』と思ってるような方に、『いや、自分は価値があるんだ、一人じゃないんだ』と感じられる助けにもなれるようなキャラクターを作るように心がけています。今作の主人公であるグレースは、映画の中で孤独な時間を経験します。でも、おそらくみなさんも人生のどこかでそういう経験をなさっているのではないかと思いますし、社会に居場所がないと感じる人もいらっしゃるかもしれない。実は私自身も、この変わった作風のせいで、映画業界ではなかなか話せる人がいないんですよね。そういう時、自分には居場所がないんじゃないか?と思ってしまったりすることもあります。だからこそ、今回のようなQ&Aがとても好きなんです。それは自分の友人をここで見つけることができるから。ちょっと変に聞こえるかもしれませんが、グレースは私自身なんですよね。他のキャラクターにも同じく私自身が投影されています。自分が作るキャラクターはとにかく国を問わず、みなさんが共感できるということを大事にしているんです」と語ると、会場からも拍手が起こった。

『メアリー&マックス』に続き、エリオット監督作品のエンディングは、忘れられないようなカタルシスをもたらす。本作も例外ではなく、上映後もXには「こんなの見せられたら泣くよ!」といった感動のコメントが続々と投稿されている。(ネタバレになるので書けないものの)映画を観た観客からはエンディングについての質問も挙がった。エリオット監督は、「私が書き始めた時、8年前ですが16本の脚本のドラフトを作ったんです。実は、最初の案は少し悲しすぎるものでした。今までの作品はあまりハッピーエンディングとは言えないものでしたので、今回はハッピーエンディングにしたかったんです。ただ、安易な形ではなく、主人公のグレースが、自分の価値を見つけて、自立した強い女性になるところまではきちんと描きたかったんです。エンディングはある意味、彼女が報われるようなものにしたかったから、今の形になりました」と丁寧に意図を語った。

観客からは少し角度を変えた質問もあった。「オーストラリアでは土葬が主流なはずだが、映画では火葬が登場する。これには何か意図がありますか?」という質問が挙がると、エリオット監督は「実はオーストラリアでは、以前は土葬が主流でしたが、現在は火葬も増えているんです。今回、火葬を選んだのは、『身体が灰になる』ということでコメディ要素に使い易かったからです。また、オーストラリアでも日本と同じように遺灰を壺に入れて家に置いていらっしゃる方が多いんですね。土葬だとお墓になって墓地に置かれるけれども、火葬だとなぜ皆さん家に持って帰るんだろうってことがとても不思議だったんです」と“死”にまつわるものへの興味が前々からあったことを明かした。

最後に本作の見どころをたずねられたエリオット監督。すると即座にこう答えた。「全部が手作りでリアルだということです。CGは一切使用していません。火事は黄色のセロファンを使っていますし、タバコの煙はコットン(綿)です。人形たちの“涙”については…(『これは言ってもいいのかな(笑)?』とスタッフを見遣りながら)性交時などに使われるローションを使っています」と明かすと、会場からも驚きの歓声が上がった。

監督は続けて「CGで作られるアニメーションも多いけれど、おそらくこの先、CGI(※Computer Generated Imageryの略で、コンピューターグラフィックスで生成した画像やアニメーション)によってアニメーションが作られていくということが、残念ながら増えていくのではないかと憂えています。そこで皆さんにも思い出していただきたいのが、『良質なアート』というものはやはり人間の手によって作られるものだということで、AIというものは、『人間の経験』というものを取って変わることができない、絶対にできないんだということ。AIが今後どういうふうに活用されるかということは、しっかりと見ていきつつ、やはり日本を含め、世界中のアーティストを祝福するような、そういう映画の見方であったり、作品の見方をしていきたいと思います。ありがとうございました!」と力強く締め括ると、会場からは盛大な拍手が沸き起こった。

作品情報

かたつむりのメモワール
2025年6月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿 ほか全国順次公開

STORY
1970年代のオーストラリア。グレースは双子の弟ギルバートと父親の3人で慎ましくも幸せに暮らしていた。母親は出産と同時に亡くなり、病気がちで学校ではいじめっ子の標的にされるグレースだったが、いつも守ってくれる頼もしいギルバートと、愛情深くひょうきんな父が側にいてくれた。しかし突然、父が睡眠時無呼吸症候群で亡くなり、グレースとギルバートは別々の里親の元で暮らすことに。離れ離れになった2人は手紙で励まし合い「いつか必ずまた会おう」と約束するが、グレースは寂しさのあまりカタツムリを集めることだけが心の拠り所となった孤独な日々を送るようになる。そんなある時、ピンキーという陽気で変なことばかり言うお婆さんと出会い、2人はいつしかかけがえのない友だちになっていく…。

監督・脚本:アダム・エリオット『メアリー&マックス』『ハーヴィー・クランペット』 
出演(声):サラ・スヌーク『スティーブ・ジョブス』『プリデスティネーション』、ジャッキー・ウィーバー『世界にひとつのプレイブック』、コディ・スミット=マクフィー『パワー・オブ・ザ・ドッグ』、ドミニク・ピノン『アメリ』、エリック・バナ『ハルク』、ニック・ケイヴ

2024年/オーストラリア/英語/94分/カラー/5.1ch/G/原題:Memoir of a Snail/日本語字幕:額賀深雪/配給:トランスフォーマー

©2024 ARENAMEDIA PTY LTD, FILMFEST LIMITED AND SCREEN AUSTRALIA

公式サイト https://transformer.co.jp/m/katatsumuri/ 

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