インド映画の特集上映「インディアンムービーウィーク2026」が、2月6日(金)より、キネカ大森にて開催。過去上映の人気作品10本がすべて日本語字幕版にて上映され、同日より公開の『ツーリストファミリー』と合わせて、多彩なインド映画の世界を楽しめる構成となっている。

国語が存在せず、地域ごとに公用語が並立する多言語大国インド。その映画産業もまた、言語ごとに幾つにも分かれ、それぞれが独自の映画的風土をもち、各言語を母語とする観衆から厚い支持を得ている。インド映画の特集上映は、2019年に1回目を開催して以来、毎年作品を入れ替えながら、さまざまな言語のインド映画を紹介してきた。
2026年の開催では、過去に好評だった10作品を上映。芸道ドラマからアクション、クライムスリラー、ロマンティックコメディまで、インド映画の多彩な世界を楽しめる(全作品、日本語字幕版での上映)。上映作品は以下のとおり。
上映作品
チェンナイの夜
就職活動中のパラニ、ギャングに狙われるジーヴァー、タクシー運転手ナタラージ。バーに居合わせた無関係な3人の行動が複雑にもつれて予期せぬ方向に向かう、ハイパーリンク・スリラー。『レオ:ブラッディ・スウィート』『マスター 先生が来る!』のローケーシュ・カナガラージ監督の長編デビュー作。
監督 ローケーシュ・カナガラージ
出演 シュリー、サンディープ・キシャン、レジナー・カサーンドラ、チャーリ
原題:Maanagaram
ジャンル スリラー
2017年/インド/ タミル語/137分/ G
©Potential Studios

女神たちよ
映画監督のアルルと幼なじみのマイケルは、内面に抱える問題のストレスを妻にぶつける日々。アルルの弟ジャガンが女神像の密売に手を出したことから、彼らの運命は思わぬ方向に転がっていく。身勝手な男性に振り回され苦悩する女性たちが、古寺に留め置かれた女神像に重ねて描かれる。一説にはその起源はヒンドゥー教以前にまで遡りながら、長らく信仰の対象から外れ、“顧みられない女神”とされた貞淑の女神カンナギにヒントを得た物語。
監督 カールティク・スッバラージ
出演 S・J・スーリヤー、ヴィジャイ・セードゥパティ、ボビー・シンハー、アンジャリ
原題 Iraivi
ジャンル クライム、 ロマンス
2016年/インド/ タミル語/158分/ G
©Thirukumaran Entertainment

マーリ
チェンナイの下町に住むマーリは、身寄りなく育った若者。8年ほど前から土地を仕切る極道として皆に恐れられるようになっている。彼は鳩レースに入れ込んでおり、鳩の前では柔和な一面も見せる。そんな彼の前に、新しく地区の担当になったアルジュン警部とブティック経営者のシュリーが登場し、波乱が起こる。賑やかで爽快なユーモア極道映画。
監督:バーラージ・モーハン
出演:ダヌシュ、カージャル・アグルワール、ローボー・シャンカル、ヴィジャイ・イエースダース
字幕:日本語
ジャンル:コメディ / アクション
2015年/インド/ タミル語/138分/ G
原題:Maari
©Magic Frames, ©Wunderbar Films

永遠の絆
テーニ地方に住むドゥライは有力者だったが、その腕力頼みの生き方に嫌気がさした妻に去られている。村人の懇請もあり、彼はムンバイに出かけて行き、妻と縒りを戻そうと試み、娘を襲撃者から守る。カラフルな田舎の祝祭、お約束の乱闘、コテコテのお笑いなど、伝統的娯楽映画を踏襲しながらメッセージを含む。『マーク・アントニー』のアーディク・ラヴィチャンドラン監督が敬愛する人気俳優、アジット・クマール主演の大ヒット作。
監督:シヴァ
出演:アジット・クマール、ナヤンターラ、ジャガパティ・バーブ
ジャンル:コメディ、ドラマ、アクション
2019年 / インド/ タミル語 / 146分/ G
原題:Viswasam
©Sathya Jyothi Films

カッティ 刃物と水道管
刑務所から脱獄したタミル人の詐欺師・泥棒の“カッティ(刃物)”ことカディルは、海外への逃亡を企てるが、空港で出会った女性アンキタに一目惚れして出国を止めてしまう。その夜、街を歩いていたカディルは銃撃事件に遭遇し、自分と瓜二つのジーヴァに出会う。カディルは彼を身代わりにして追っ手に捕まえさせ、自由を得るが、ジーヴァが取り組んでいた地方の農民が直面する問題を知ると、農民たちの先頭に立って多国籍企業のトップと対決する。インドの批評家たちから絶賛された1作。
監督:A・R・ムルガダース
出演:ヴィジャイ、サマンタ、ニール・ニティン・ムケーシュ、サティーシュ
2014年/ インド/ タミル語/ 163 分
原題:Kaththi
© Lyca Productions

マーク・アントニー
過去の人と通話ができる不思議な電話を手に入れた自動車修理工のマーク。この電話を巡り、彼の育ての親でギャングの親分であるジャッキー、その息子マダン、マークの亡父アントニーまでをも巻き込み大騒動が巻き起こる。時をさかのぼって過去を書き換えようとする“運命編集合戦”の行方やいかに!? 濃厚なコメディセンスとエキセントリックな画作りに定評があるアーディク・ラヴィチャンドラン監督が手掛ける、ハイテンションSFアクションムービー。
監督:アーディク・ラヴィチャンドラン
出演:ヴィシャール、S・J・スーリヤー、スニール、リトゥ・ヴァルマ
ジャンル:SF、アクション
2023年 /インド / タミル語 / 151分/ G
原題:Mark Antony
© Mini Studio © Ayngaran International

シャンカラーバラナム 不滅のメロディ
南インド古典声楽の巨匠シャンカラ・シャーストリと、彼を崇めるトゥラシ。娼家に生まれたトゥラシは神前の巫女のようにシャンカラに仕えたいと望んでいたが、残酷な運命はそれを許さない。二つの純粋な魂の彷徨の道筋を彩る古典音楽と古典舞踊の饗宴。ひたすらに芸を磨く求道と神への無私の信仰が一つになる圧巻のクライマックス。インド映画の「芸道もの」の系譜の中で一時代を画し、南インド全域でヒットした、金字塔と言われる名作。
※2015年にデジタルリマスターされたタミル語吹替版。
監督:K・ヴィシュワナート
出演:J・V・ソーマヤージュル、マンジュ・バールガヴィ、トゥラシ・シヴァマニ
ジャンル:ドラマ、音楽
1979年(2015年リマスター版)/ インド/ タミル語 / 136分/ G
原題:Sankarabharanam
©Poornodaya Movie Creations

2つの愛が進行中
昼はタクシー運転手、夜はクラブの黒服として働くランボー。それぞれのシーンでカンマニ、カティージャという2人の女性と知り合い、奇妙な三角関係に陥る。ヴィジャイ・セードゥパティとナヤンターラ共演の大ヒットコメディ『俺だって極道さ』のヴィグネーシュ・シヴァン監督が手がけた、2人の妻を持つムルガン神から着想を得た、シュールなロマンス。
監督:ヴィグネーシュ・シヴァン
出演:ヴィジャイ・セードゥパティ、ナヤンターラ、サマンタ
ジャンル:ロマンス、コメディ
映倫区分:G
2022年/インド/タミル語/157分
原題:Kaathuvaakula Rendu Kaadhal
©︎Rowdy Pictures ©︎Seven Screen Studio

狼と子羊の夜
医学生のチャンドルは、ある夜街路で銃創を負って倒れている男を助け、自宅に運んで手術をする。しかし翌朝男の姿は消えていた。男はウルフという名の殺し屋で、チャンドルは犯罪者を匿ったとして警察の尋問を受け、協力させられる。その後ウルフがチャンドルに接触してきたのを知った警察は、彼に銃を渡し、ウルフを殺すよう命じる。タミル・ニューウェーブの鬼才ミシュキン監督が手がけた、異色のクライム・スリラー。
監督:ミシュキン
出演:シュリー、ミシュキン、アーディティヤ・メーノーン
ジャンル クライムスリラー
映倫区分:G(暴力シーンあり)
2013年 / インド/ タミル語 / 141分
原題:Onaayum Aattukkuttiyum
© Lone Wolf Productions

バーラ先生の特別授業
1990年代の経済自由化と1993年の教育制度の改革により、インドには多くの私立教育機関や予備校が生まれ、高い授業料に応じた質の高い授業が提供されるようになった。一方で公立学校は有能な教員が私立校に引き抜かれ、低階層の生徒は家計を助けるために授業を放棄し、教室が成立しない状況だった。村の公立校に赴任してきた数学教師バーラは、大手私立教育機関の経営者からの妨害と闘いながら、生徒全員に共通試験で上位成績を上げさせることを目指す。
監督:ヴェンキー・アトゥルーリ
出演:ダヌシュ、サムユクタ、サムドラカニ
ジャンル:ドラマ、アクション
2023年/ インド/ タミル語/ 134分/G
原題:Vaathi
©︎Fortune Four Cinemas ©︎Sithara Entertainments ©︎Srikara Studios

まとめ(注目ポイント)
- 「インディアンムービーウィーク2026」2月6日(金)よりキネカ大森で開催多言語大国インドの多彩な映画世界を紹介する人気企画。
- 過去の人気作10本を日本語字幕で一挙上映ヴィジャイ主演『カッティ』やダヌシュ主演『マーリ』など、高い支持を得た傑作をスクリーンで再映。
- インド映画の多彩な世界を楽しめるローケーシュ・カナガラージ監督の長編デビュー作や、古典音楽ドラマの金字塔など幅広いジャンルを網羅。
- 新作『ツーリストファミリー』も同日公開特集上映と合わせて、最新作から名作までインド映画の現在地と歴史を堪能できる構成。



