アウシュヴィッツ収容所で非道な人体実験を行い "死の天使"と呼ばれたナチスの医師ヨーゼフ・メンゲレ。ナチズムに洗脳され、 逃亡を続けた男の心の暗部に迫る、人間の罪と罰を描く『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』が2月27日(金)より全国公開。このたび、逃亡犯メンゲレの再婚式に集まる元ナチ将校たちの恐ろしき企みが明らかになる本編映像が解禁された。
1957年7月、逃亡先のウルグアイで、メンゲレは早世した弟カールの元妻マルタと再婚する。彼らの結婚はドイツで裕福な農業機械製造会社を営むメンゲレファミリーの結束をより強固にするものだった。

敗戦から10年以上経つにもかかわらず、その再婚式の様子は、“ナチス式”と言っても差し支えないものだ。ナチスのシンボル、ハーケンクロイツが飾られたウェディングケーキの周囲に集まるのは、メンゲレ同様に南米に逃亡している元SS将校やナチス信奉者たち。式では、真のドイツ人家庭を築くことが偉大な国家理念を勝ち取る力になると声高に祝辞が叫ばれる。

そして、ヒトラー総統の言葉が引用されると、明らかに高揚した青年が「ジーク・ハイル」と総統への忠誠を示し、そこにいる全員も同様にナチス式敬礼を送る。祖国ドイツを遠く離れ、戦争犯罪者として追われても、ナチスの復活を強く信じ続ける元ナチ将校たちの狂信的な姿が、この映像には映し出される。

一方で当時は、1947年に発行された『アンネの日記』や1946年に出版されたヴィクトール・フランクルの手記『夜と霧』、その映画化作品などによってナチスによる「ユダヤ人絶滅計画」が世界中に知られていく最中だった。世論によってナチスの罪が糾弾される中で、残党たちはナチズムの檻の中に閉じこもり孤立を深めていく。

また、ヨーゼフ・メンゲレが“死の天使”と呼ばれた一因は、彼が強い関心を示した双子研究にある。メンゲレは双子の遺伝子を解明すれば、アーリア人の多産を実現できると考え、双子の人体実験に執着した。彼はアウシュヴィッツ収容所を「巨大な実験室」と考えており、約3000人の双子が血液交換や臓器比較、遺伝学的人体実験のために彼の実験の犠牲になり、160人ほどの被験者だけが生き残ることができた。
本映像では、再婚式の給仕をする双子の少年たちに執拗な視線を向けるメンゲレの様子からも、依然として双子への興味や関心が失われていないことが伝わってくる。
1945年1月、ソ連軍がアウシュヴィッツに迫ると、メンゲレは膨大な研究記録を焼却してしまう。今日、彼の研究成果は、科学界から「完全に無価値なものだった」と断じられているが、その記録の消滅と彼の死によって誰も知ることができなくなった歴史の一頁に本映画が光をあてる。
まとめ(注目ポイント)
- 映画『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』2月27日公開アウシュヴィッツで非道な実験を行った戦犯ヨーゼフ・メンゲレの逃亡劇を描く歴史スリラー。2月27日より公開。
- 逃亡先での「再婚式」を捉えた本編映像が解禁1957年のウルグアイでの再婚式にて、ナチス復活を信じる元将校らが集う狂信的で不気味な本編映像が解禁。
- 世界中からの糾弾と狂信的な残党たちの孤立『アンネの日記』等によりナチスの罪が糾弾される中、残党たちは歪んだ思想を持ったまま潜伏し孤立を深めていく。
- “死の天使”が執着し続けた双子への人体実験約3000人の双子を犠牲にしたメンゲレが、逃亡先でも双子の少年に執拗な視線を向ける底知れぬ狂気を活写。
死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ
2026年2月27日(金)シネマート新宿、シネスイッチ銀座ほか全国公開
STORY
第二次世界大戦中、アウシュヴィッツ収容所で戦慄の実験を行った医師ヨーゼフ・メンゲレ。「死の天使」と呼ばれた彼は終戦後、南米で潜伏生活を送る。ナチス時代の仲間たちが次々と捕まる中、彼は戦犯を追及するモサドの網を狡猾にくぐり抜け、歪んだ思想を持ったまま、日常の世界に溶け込んでいく。
監督・脚本:キリル・セレブレンニコフ(『リモノフ』)
原作:オリヴィエ・ゲーズ 『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』 (東京創元社・創元ライブラリ刊)
出演:アウグスト・ディール(『イングロリアス・バスターズ』 『名もなき生涯』)、マックス・ブレットシュナイダー、フリーデリケ・べヒト
2025年/フランス・ドイツ合作/ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語/135分/モノクロ(一部カラー)/5.1ch/原題:Das Verschwinden des Josef Mengele 英題:The Disappearance of Josef Mengele/日本語字幕:吉川美奈子/字幕監修:柳原伸洋/R15+/配給:トランスフォーマー
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