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『去年マリエンバードで』『ジャンヌ・ディエルマン』の伝説的女優デルフィーヌ・セリッグが監督として残した唯一の長編監督作、ドキュメンタリー映画『美しく、黙りなさい』が7月24日(金)より全国公開。このたび日本版予告編が解禁された。

『ジャンヌ・ディエルマン』などで知られる伝説的女優デルフィーヌ・セリッグ。彼女は社会のジェンダー差別に声を上げ、活動した人物でもあった。その唯一の長編監督作『美しく、黙りなさい』(1976)は、この「50年で変わったこと/変わらなかったこと」が見えてくる、映画とジェンダーをめぐる歴史的重要作だ。

©Families Seyrig and Roussopoulos Archive / Centre audiovisuel Simone de Beauvoir

70年代は女優たちがジェンダーについて語ることにはリスクがあった。それでも、ジェーン・フォンダ、シャーリー・マクレーン、ジュリエット・ベルト、アンヌ・ヴィアゼムスキー、マリア・シュナイダーら23⼈の女優たちが、勇気を持って映画に出演した。率直に親密に、ある時はユーモラスに笑い合ってインタビューに応えている。

©Families Seyrig and Roussopoulos Archive / Centre audiovisuel Simone de Beauvoir

今回解禁された予告編のはじまりは、監督であるデルフィーヌ・セリッグの声。本編でも何度か繰り返される映画のタイトル「Sois belle et tais-toi !」(ソワ・ベル・エ・テ・トワ/美しくありなさい、そして黙っていなさい)という言葉。これは、フランスではよく知られているジェンダー差別を象徴する決まり文句である。

予告編の音楽は、イギリス女性参政権運動のときに作られた「The March of the Women」。今でも女性たちのアンセムとなっている楽曲とともに、予告編に最初に登場する女優は、ジェーン・フォンダ。フランス語が堪能な彼女は流暢に「彼らに顔をいじられて、鏡を見たら自分が誰か分からなかった」と、当時、女優たちがいかに“ベルトコンベアに乗った商品”のように扱われていたかをユーモアたっぷりに語る。

©Sois belle et tais-toi ! / Delphine Seyrig, 1976 / Centre audiovisuel Simone de Beauvoir

さらに、マリア・シュナイダー、アンヌ・ヴィアゼムスキー、ジュリエット・ベルト、シャーリー・マクレーン、エレン・バースティン……女優たちの生き生きとした表情と率直な声が捉えられる。印象的なのは、監督のデルフィーヌは女優たちに「2つの質問」をすることをコンセプトにしていたということ。

©Sois belle et tais-toi ! / Delphine Seyrig, 1976 / Centre audiovisuel Simone de Beauvoir

デルフィーヌの息子のダンカン・ヤンガーマンは「母は、当時は誰も尋ねたことがない、女優たち自身でさえ考えたことがない質問をして、彼女たちから自由な連想や啓示を引き起こそうとしました。例えば、“他の女優と友好的な場面を演じたことがありますか?”という質問を聞くと、“おかしい、そういえば一度もないわ!”といった反応になるのです」と語っている。

女優たちは面白がり、話し始め、時に脱線し、やがて現実が浮き上がる。「母は、“ひとりぼっち”ではなく、姉妹のように共感しあえる瞬間を本当に愛していました。シスターフッドへの欲求でした」という証言通り、『美しく、黙りなさい』は歴史を感じさせながらも、その現代性とメッセージはいっそう輝きを増し、現代のシスターフッドムービーを観たかのように、「50年で変わったこと/変わらなかったこと」を共有しながら語り合える映画になっている。

本作はその修復の趣旨から、日本では、配信・テレビ【放送】・パッケージ化はなく、劇場上映と自主上映のみに限定されている。

まとめ(注目ポイント)

  • 映画『美しく、黙りなさい』7月24日(金)より全国順次公開伝説的女優デルフィーヌ・セリッグが監督として残した唯一の長編ドキュメンタリー作品。
  • ジェーン・フォンダら豪華女優陣が出演する予告編が解禁70年代の女優たちが、女性参政権運動のアンセムに乗せて当時のジェンダーと映画について語る。
  • 誰も尋ねたことのない質問で引き出されるシスターフッド女優たち自身でさえ考えたことがない問いかけにより、共感しあえる瞬間や現実を浮き彫りにする。
  • 劇場上映と自主上映のみに限定された歴史的重要作修復の趣旨により、配信やテレビ放送、パッケージ化は行われない。
作品情報

美しく、黙りなさい
2026年7月24日(金)よりBunkamura ル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開

監督・インタビュアー:デルフィーヌ・セリッグ|撮影・編集:キャロル・ルッソプロス|編集:イオアナ・ヴィーダー
出演:ジェーン・フォンダ、シャーリー・マクレーン、ジュリエット・ベルト、アンヌ・ヴィアゼムスキー、マリア・シュナイダー、エレン・バースティン、ルイーズ・フレッチャー、バーバラ・スティール、ジル・クレイバーグ他

原題:Sois belle et tais-toi !|英語題:Be Pretty and Shut Up!|1976|フランス|白黒|112分|日本語字幕:竹内航汰|提供・配給:ムヴィオラ

©Families Seyrig and Roussopoulos Archive / Centre audiovisuel Simone de Beauvoir
©Sois belle et tais-toi ! / Delphine Seyrig, 1976 / Centre audiovisuel Simone de Beauvoir

公式サイト https://moviola.jp/sbett/

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