ウクライナ侵攻後からロシアの教育現場で行われている愛国教育の全貌を暴き出し、本年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞するなど世界中で大きな話題を呼んでいる衝撃のドキュメンタリー映画『プーチンの愛国教室』が10月3日(土)より全国順次公開。このたび、本作を分かりやすく紹介する紹介漫画と、各界著名人17名から届いた推薦コメントが解禁された。

今回解禁された紹介漫画では、ロシアによるウクライナ侵攻以降にロシアの学校現場で進む愛国教育の実態とそれによる数々の影響を伝え、パーシャ(タランキン)が「プロパガンダの片棒担ぎはごめんだ。声をあげなきゃいけない」とある覚悟を固める様子までを描き出した。

この漫画を手がけたのは、イラストレーター・ビジュアルストーリーテラーのウラケン・ボルボックス。広告や書籍などで、映画、歴史、外来種問題などをわかりやすく伝えるイラストを手がけるほか、noteで政治や表現について発信し、社会に対して声を上げるムーブメントで使用できるプラカードやアイテムを制作するなど、タランキンが本作で語り、実際に行動で示す姿にも通じる活動を実践している。この漫画は、近日より本作の一部の上映劇場に設置されるコメントフライヤーでも読むことができる。

あわせて、本作にコメントを寄せたのは、映画界のみならず、様々な分野において活躍する各界のトップランナーたち。斉加尚代(映画『教育と愛国』監督)、東ちづる(俳優・一般社団法人Get in touch代表)、武田一義(漫画家『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』 )、キニマンス塚本ニキ(翻訳者・コラムニスト)、平尾剛(スポーツ研究者/成城大学教授)、eri(デザイナー・アクティビスト)、森達也(映画監督)、想田和弘(映画作家) 、坂上香(ドキュメンタリー映画監督) 、大島新(ドキュメンタリー監督)、五百旗頭幸男(ドキュメンタリー監督)、ピーター・バラカン(ブロードキャスター)、上田洋子(ゲンロン代表/ロシア文学者)、マライ・メントライン(作家・エッセイスト)、ダースレイダー(ラッパー)、月永理絵(ライター、編集者)、ISO(ライター)からコメントが寄せられた。
それぞれにまっすぐな言葉で映画が描き出すものについて語っている。コメント全文は以下のとおり。
コメント一覧(順不同・敬称略)
監督が向き合う子どもたちのまなざしに答えがある。教師が息苦しさを感じる日本でこそ必見です。
――斉加尚代(映画『教育と愛国』監督)
学校で銃を構える仕草をする少年のあどけなさに涙。まるで他人事とは思えない・・・我が国とも重なりそうで、胸が締め付けられた。
――東ちづる(俳優・一般社団法人Get in touch代表)
カメラを構えるは学校行事の企画担当教員パヴェル。
故郷の町の愛着ある生活、仕事の充実感、生徒たちの未来、それらすべてが愛国プロパガンダと戦争支援で塗り変えられる、崩れていく様が映し出される。
素朴で愛嬌あるパヴェルの語り口が「他人事ではない」と教えてくれる。
――武田一義(漫画家『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』)
大人たちよ、わきまえるな。空気に流されるな。
沈黙と無力感と服従が子どもたちを戦地に送り出すさまを目に焼き付けろ。
――キニマンス塚本ニキ(翻訳者・コラムニスト)
朴訥なれど強烈な勇気に震えた。教育現場に忍び寄る軍靴の音…。戦争をなくすために、私にもできることがあると思えた。
――平尾剛(スポーツ研究者/成城大学教授)
「“愛国"を推すのは“問題がある"と言っているのと同じだ」この映画を撮ったパヴェルは一人カメラの前で呟いた。
愛国教育が始まり和やかだった学校は、手榴弾投げコンテストが催され、傭兵が教壇に立ち、人々は疑心に駆られ、クラスメイトは徴兵され、そして死んだ。「国を愛することは、国旗を掲げることでも国歌を歌うことでもない」パヴェルの言葉に、“愛国"を強いようとする今の日本の政治の行末に胸がきりりと痛む。愛国を謳い戦争に突き進んだ過去をもつ私たちが観なければならない傑作。
――eri(デザイナー・アクティビスト)
観ながら震撼する。国旗を掲揚して愛国心の高揚。「外国の代理人」とは「外国のスパイ」のこと。これはロシアの話ではない。今の日本の話でもある。観終えて吐息。子供は白い布だ。どんな色にも染まる。メディアと教育に煽られればイチコロだ。
――森達也(映画監督)
戦争が始まったら、権力者は必ず子どもたちを戦争に動員しようとする。そのとき「愛国心」を大義名分にすれば、一瞬で実現してしまう。そのメカニズムを命懸けで描いた、貴重で、恐るべき作品である。
――想田和弘(映画作家)
ちょっとオフビートな教員が記録する、洗脳教育のリアル――表情がこわばり、魂が抜き取られていく子どもたち。怖っ、ホラーかよ。いやいや、これ、この国の鏡だから。脳内の非常警報が鳴りやまない。
――坂上香(ドキュメンタリー映画監督)
「国がこうなってからでは遅い」と、この前代未聞のドキュメンタリーは世界に訴えかけている。生徒思いの教師の勇気が生んだ、奇跡のような傑作。
――大島 新(ドキュメンタリー監督)
“頼れる兄貴”だった先生のカメラに向かう無邪気な瞳たち。変わらず穏やかにも見える校舎の中で、カメラが向かう瞳からは色が失せていく。その穏やかな狂気の道程こそが怖すぎる現実だが、対岸の火事と思えなくなった現実はもっと怖い。
――五百旗頭幸男(ドキュメンタリー監督)
母と同様に国を無条件で愛することを強制?そんなプーチン政権の恐ろしさを小学校の現場で淡々と撮影した強烈な記録です。
――ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
ふだん見る機会のない、ロシアの学校生活の裏側。
悩めるティーンエイジャーが、仲間だけに見せる表情は心を打つ。
だが、いまわたしたちが彼らの姿を見ているのは、いったいどういうわけか。
戦争とは、人間とは。本作には複数の倫理的な問いかけがある。
――上田洋子(ゲンロン代表/ロシア文学者)
「いま消耗戦で命を奪われているロシア兵の多くは、まだリベラルな教育が生きていたころに育った」という構造的悲劇も浮き彫りにする、実に奥深い傑作。そしてこれは、おそらくロシアだけの問題ではない。
――マライ・メントライン(作家・エッセイスト)
これは本当なのか?あまりにもあからさまでむき出し。そこのけそこのけ愛国が通る。
――ダースレイダー(ラッパー)
これは隠し撮りされた映像ではない。
誰もが何の躊躇もなく、いつもどおりカメラの前に立っている。
その“日常”に何より恐怖した。
――月永理絵(ライター、編集者)
「国を愛するということは国旗を掲げることじゃない」
未来を育むはずの教育が、愛国を利用したプロパガンダに塗り替えられていく。忍び寄る危険に気づいた頃には、もう後戻りできない。これは戦前の日本にあった、そして軍事化された明日の日本にあるかもしれない光景だ。
――ISO(ライター)
まとめ(注目ポイント)
- 『プーチンの愛国教室』10月3日公開ロシアの教育現場で行われる愛国教育の実態を描くドキュメンタリー。
- 紹介漫画を解禁パーシャ(タランキン)が「声をあげなきゃいけない」と覚悟を固めるまでを描く内容。
- 各界17名の推薦コメント映画、漫画、スポーツ、デザイン、文学など各分野の著名人からコメントが到着。
- コメントフライヤーで漫画掲載紹介漫画は近日より一部上映劇場に設置されるコメントフライヤーでも閲覧可能。
- アカデミー賞受賞作本年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した話題作。
プーチンの愛国教室
2026年10月3日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
STORY
ロシアの田舎町の学校に撮影担当教員として勤めるタランキンは、子どもたちから“頼れるお兄さん”として慕われる人気者。愛用のビデオカメラで子どもたちの成長を日々記録していたが、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を機に、彼らの日常は一変する。プーチン大統領の教育令により、学校は子どもたちに戦争参加を使命として教え込み、訓練する「愛国教育」の場へと変貌していく。逆らう者は「国家の敵」とみなされる絶対的な命令のもと葛藤する教師たち、たちまち戦時教育に染まっていく子どもたち、そして次々と戦地へ送られる卒業生たち…その全てを、タランキンのカメラは記録していく。
監督:デヴィッド・ボレンスタイン、パヴェル・タランキン
2025年/デンマーク、チェコ/ロシア語/5.1ch/90分/G/原題:Mr. Nobody Against Putin/日本語字幕:額賀深雪/字幕監修:廣瀬陽子/デンマーク王国大使館後援/協力:チェコセンター東京/配給:トランスフォーマー
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