“伝説のロック・スター”デヴィッド・ボウイのドキュメンタリー映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』が3月24日(金)より公開されるのに先駆けて、本作の監督を務めたブレット・モーゲンが来日。それを記念して、2月9日(木)に「IMAX®️レーザープレミアイベント」がTOHOシネマズ日比谷で開催された。イベントにはデヴィッド・ボウイが大好きと公言し、アーティスト・タレントとして多方面で活躍するDAIGOも駆けつけ、会場全体がデヴィッド・ボウイへの愛に溢れたイベントとなった。
現代において最も影響力のあるアーティストにして“伝説のロック・スター”デヴィッド・ボウイの人生と才能に焦点を当てる本作は、30年にわたり人知れずボウイが保管していたアーカイブから選りすぐった未公開映像と「スターマン」「チェンジズ」「スペイス・オディティ」「月世界の白昼夢」など40曲にわたるボウイの名曲で構成する珠玉のドキュメンタリー映画。デヴィッド・ボウイとは一体何者だったのかー。全編にわたりデヴィッド・ボウイのモノローグで導かれるデヴィッド・ボウイ財団唯一の公式認定ドキュメンタリー映画となっている。
監督を務めるのは映画プロデューサー、ロバート・エヴァンスのドキュメンタリー映画『くたばれ!ハリウッド』、伝説のロックバンド、ニルヴァーナのカート・コバーンのドキュメンタリー映画『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』を手掛けた名手ブレット・モーゲン。デヴィッド・ボウイ財団が保有する膨大な映像にアクセスすることを許されたブレット・モーゲン監督は全ての映像に目を通すために2年もの歳月を費やし、厳選した貴重映像で構成した。
本作プロモーションのため来日を果たしたブレット・モーゲン監督は、デヴィッド・ボウイの名曲「Let's Dance」に合わせて、ノリノリのダンスでイベントに登場。「今夜観に来てくれて本当にありがとうございます」と挨拶し、続けて「この映画の製作でユニバーサル・ピクチャーズと契約した時、絶対に劇場公開してほしい国が一つあると条件を出した。それが日本だったんです。だから今晩観てくれること、大変嬉しく、光栄に思っている」と、日本公開の喜びを語った。
このように日本好きのブレット・モーゲン監督に対し、MCが「今回日本ではどんなことをされたいですか?どういったこところが好きですか?」と問うと、「日本のことは全部好きです」と即答。そしてやりたい事に関して「デヴィッド・ボウイのファンの方とカラオケに行きたいですね」と心境を語った。
『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』はデヴィッド・ボウイ初の公式認定作品だが、どういった経緯があって本作を監督することになっただろうか。
「ボウイとは2007年にお会いしています。映画製作のミーティングで、実は日本にも行って、歌舞伎などを見に行くボウイを追う、といった内容だったんですが、ご存知のようにその時彼は健康状態が良くなかった。半分引退状態だったので、フィジカルでエネルギーを使うものは難しいね、という話になりました」と一度企画が頓挫してしまったことを告白。
「そして8年後、カート・コバーンの作品を撮り終えた頃だったんだけど、ドキュメンタリー映画の新しいジャンルを作れるのではないかとハッと閃いた。伝記的な要素を排除し、もっと体感できるような音楽の映画、アイマックス・ミュージカル・エクスペリエンスと仮に名前をつけてたんだけど、物語が直線で起承転結でないもの、没入体験ができる映画を作りたいを思った。みんなが大好きなアーティストと親密でより崇高な体験をできるのではないかと思った」と経緯を説明。
さらに続けて、「ところが、ちょうどそのときデヴィッド・ボウイが亡くなってしまった。しかしデヴィッド・ボウイ財団に聞くとボウイはアーカイヴィストを雇って、自分に関する資料を毎週、20年間、整理していたことを教えてくれた。けれどデヴィッド・ボウイ財団はインタビュー系のドキュメンタリーは絶対に作りたくないと仰っていたんです。専門家が出てきて、その人が語ることが真実になってしまう、ヒストリーになってしまうことを憂いたんです。だから私は体感できる、ボウイしか出てこない映画を作りたいと申し上げたところ、アーカイブにアクセスする権利が許されたんです」と製作の裏話を教えてくれた。
本作は、現在、英国アカデミー賞(BAFTA)のドキュメンタリー映画賞にノミネートされている。その心境を問われると、「ワクワクしている。でも今回の作品は賞のことは全然考えてなかった。願いはボウイのファンと共に、いま私たちがいるようなIMAXの劇場で作品を見ること。だから賞のことより、この瞬間がとてもワクワクしている」と述べた。
イベントも中盤にさしかかるところで、スペシャルゲストとしてデヴィッド・ボウイを意識したメイクと衣装でDAIGOが登場。サプライズで花束を渡すと、「アイム・ダイゴ。アイム・ジャパニーズ・フェイマス・コメディアン」と自己紹介。ブレット・モーゲン監督も「私は偽物のアメリカ人です」とジョークで応答し、会場を沸かせた。
デヴィッド・ボウイをリスペクトしていると公言するDAIGOだが、「どんなところが好き?」と問われると、「とにかくカッコいい」と前置きしつつ「僕が特に好きなのはハンキー・ドリーやジギー・スターダストとかアラジン・セインとか、いわゆるグラムロック時代に魅了されて、そのオマージュの名前で20年前デビューした」と旧芸名のDAIGO☆STARDUSTの誕生秘話を披露。
「とにかく変幻自在のロックスター!うちの妻も大好きなので。ボウイの話で盛り上がって、より仲良くなっていったところもあるので人生で多大な影響を受けています」とDAIGOの妻である北川景子とのエピソードも話した。
映画の感想についてDAIGOは「わかりやすく言うとBOM」。少しの間をおいて「ベスト・オブ・ムービー」とDAI語で感想を伝えた。それに対し監督は「自分はミドルネームを入れてBDMなので、名前を言ってくださっているのかと思ったのですが、BOMの方で良かったです」と返答。DAIGOはDAI語が伝わったことに安堵しつつ「ボウイの素晴らしさを改めて感じられる映画になっていますし、ボウイが発信する歌、メッセージ、スタイル。あと苦悩があってりして。全部、改めてこの映画で感じられるので僕の人生のバイブルがまた一つ増えた、そういう素晴らしい映画」と付け加え、太鼓判を押した。
トークも終盤。MCから「せっかくなので、ボウイの好きな1曲を選ぶとしたらどの曲でしょうか」と難しいお題が。DAIGOは「いっぱい好きな曲があるんですけど、やっぱりジギー・スターダストですかね。やはり火星から降りてきて〜といったコンセプト、衣装、メッセージで心を鷲掴みにされたし、日本武道館でLIVEを見たとき、最後にジギー・スターダストをやってくれたんですけど、その時に一曲が持つパワーというものを感じました」と楽曲への思いを熱弁。さらに「ギターリフも含めて最高です!」と締めくくり、会場からも共感の拍手が聞こえてきた。
対してブレット・モーゲン監督は「サウンド+ヴィジョン」と回答。理由は「何も言ってないけど全てを語っている曲で、ボウイの美、荘厳さ、ミステリー全てを孕んだ曲」と紹介した。「この映画を観る前に紹介する曲としてもぴったりなんです。僕にとってボウイは定義できない人。でも表現はできる。映画を体感していただきたい」と語った。
最後に観客へのメッセージとしてDAIGOは「この映画を観て、改めて僕自身また感銘を受けたんです。観る皆さんもそうだと思うんですけど、デヴィッド・ボウイのようにチェンジしていくっていうんですかね。そういう精神でこれからも生きていこうと思ったんです。だから、たくさんの人に、わかりやすく言うとWTM…」。少しの静寂のあと、監督が「ウォッチ・ザ・ムービー!」と発し、まさかのDAI語的中! DAI語が世界共通語だったことが分かり会場の盛り上がりも最高潮に。
そしてブレット・モーゲン監督からは、「ホームは物理的な場所ではなく、自分は心の場所だと思う。実は英国でプレミアをした時にこの作品の紹介のところで『ボウイがやっと戻ってきた』と言ってくれとお願いされた。でもボウイが第一に英国人だと思っていたとは必ずしもそうでないと思うんです。もしホームが心の場所だとすれば、いま日本で上映されるという意味で、やっとボウイがホームに戻ってきたんだと思う。僕も、きっとボウイ自身も日本以上にこの映画を観せたい場所はない。日本はデヴィッド・ボウイを応援して、インスピレーションを与えた。改めてボウイに代わって感謝を伝えたい」と話し、イベントを締めくくった。
『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』は3月24日(金)IMAX® / Dolby Atmos® 同時公開。
デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム
2023年3月24日(金)IMAX® / Dolby Atmos® 同時公開
監督・脚本・編集・製作:ブレット・モーゲン『くたばれ!ハリウッド』『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』
音楽:トニー・ヴィスコンティ(デヴィッド・ボウイ、T・REX、THE YELLOW MONKEY など)
音響:ポール・マッセイ『ボヘミアン・ラプソディ』『007 ノータイム・トゥ・ダイ』
出演:デヴィッド・ボウイ
2022 年/ドイツ・アメリカ/カラー/スコープサイズ/英語/原題:MOONAGE DAYDREAM/135 分/字幕:石田泰子/字幕監修:大鷹俊一
配給:パルコ ユニバーサル映画 宣伝:スキップ
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公式サイト http://dbmd.jp/
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