バイクを愛する女性が男性中心主義のコミュニティの中で自身の居場所を見いだしていく姿を鮮烈に活写する新鋭ローラ・キヴォロン監督の『Rodeo ロデオ』が6月2日(金)より公開。このたび本作に共鳴した各界著名人からの共感・称賛コメントが到着した。さらに本予告編、監督らのメッセージ動画も公開された。
バイクを偏愛し犯罪の世界に生きるアウトローヒロインを描く本作はノンバイナリーを公言するフランスの新鋭ローラ・キヴォロン監督の初の長編映画。初披露となった2022年カンヌ国際映画祭ある視点部門では、本作のために特別に設けられた “審査員の心を射抜いた”という意味のクープ・ド・クール賞を受賞した。主人公ジュリア役には演技経験のないジュリー・ルドリューを監督自ら大抜擢。『アネット』や『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』のシャルル・ジルベールがプロデュースに当たっていることも大きな話題となっている。
今回、本予告が完成。主人公ジュリアがバイクにまたがるなり指を突き立て走り去る冒頭から、アクロバティックなバイクを操る「クロスビトゥーム」の集団に混じりバイクを飛ばす疾走感溢れるカットの連続に、テンションが高まる映像となっている。叫びながら走る彼女の行く末は…?
そしてキヴォロン監督、共同脚本・出演者のアントニア・ブルジのメッセージ動画も到着。「ジュリアには私が託したメッセージが詰まっています」(キヴォロン監督)「この作品を愛してください」(ブルジ)と笑顔で語っている。
また、本作をいち早く鑑賞した、各分野で活躍する著名人のコメントが到着した。モデル・アーティストの土屋アンナ、俳優の渡辺真起子、芸人の尼神インター・渚、俳優・脚本家の梶原阿貴、映画ジャーナリストの立田敦子、ライターの西森路代らが絶賛コメントを寄せている。コメント全文・一覧は以下にて。
『Rodeo ロデオ』は6月2日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺 他公開。
著名人コメント ※順不同・敬称略
バイクだけが全てであった彼女が、初めて人に心を許したキリアンとその母親への悲しすぎる想いが胸を刺す。
土屋アンナ(モデル・アーティスト・潜水士)
主人公が走り始めた瞬間に自由が弾ける。私にもわかる、その瞬間。最初に示される自由が、その人の抱えている不自由さをより深く理解させる。世界は理不尽で溢れていて、その憤りに素直に怒りを燃やしている。繊細でありながら虚弱にならず強く大胆に、必要最小限で立ち向かっている。物凄い演出力だと思う。とにかくキャストがみな魅力的に活きていた。
渡辺真起子(俳優)
酔ってる時、気分良い時、恋してる時、胸糞悪い時、天気良い時、早朝、何にも思わん時、自分が観る時の情緒で、ストーリーの捉え方が毎回変わってくる ─ ひとことで表現するはムズすぎる。
尼神インター・渚(芸人)
暗くなったスクリーンの前で途方に暮れながら思い出すのは、疾走する彼女の笑顔だ。
梶原阿貴(俳優・脚本家)
真の解放を求めてバイクで疾走するヒロイン、いやヒーロー!?
常識をすり抜けるスピード感!
象徴的なラストも含め、すべてが衝撃的なフランス映画の登場!
橋本光恵(映画評論家)
鳥肌が立ち、アドレナリンが湧き上がる。
あらゆる障害を超え、自由の風を受けて疾走するジュリアの姿が、心臓を貫く。
佐藤久理子(文化ジャーナリスト)
間違いなくポスト#MeToo時代に登場した最も重要な作品のひとつ!
アドレナリン全開でアクロバティックなバイクライドに夢中になるジュリアのきらめきと揺らぎは、あらゆる角度からジェンダーの定義に鋭い視線を投げかける。
立田敦子 (映画ジャーナリスト)
私たちは既成概念に捉われ過ぎている。それが善であろうが、悪であろうが、互いに目配せし合い、変化を怖がる。そうやってどこにもたどり着かない状態を、完膚なきまでに壊して見せたのはジュリアだ。私たちは、ジュリアの『Rodeo ロデオ』に頭を揺さぶられ、我に返る。全身に疲労と痛みを感じながら。まさにジュリアと生きた感覚。これを小起用に言葉にすれば、ジュリアはあざ笑うだろう。
関口裕子(映画ジャーナリスト)
ひとりの女性がバイクを手に入れる。
「それはきっと解放され自由を手に入れることだ」と思った自分の甘さを知った。
西森路代 (ライター)
バイクの疾走感に魅せられて、アクロバティックな技を繰り出すバイカー集団に加わるジュリア。ミソジニー剥き出しの男たちとのヒリヒリしたファイトは、いつしか彼女に此処ではない何処か夢見させる。セリーヌ・シアマ、ジュリアン・デュクルノーに続く、フランスの新鋭ローラ・キヴォロンが鮮烈なジュリアの青春を描いて狼煙を上げる。
久保玲子(映画ライター)
人と人との関係が作る「居場所」の儚さやもろさ、それでも社会のどこかに自分の居場所があると信じ、求めてやまない人の性(さが)を突きつけられた。バイクを駆けるシーンは、危うさと美しさのバランスが絶妙。
伊藤恵里奈(新聞記者)
フランス映画の魅力的なすきっ歯女優(バーキン、パラディ、セドゥetc)の伝統は踏襲しつつも、初主演のジュリー・ルドリュは新たなアンチヒロイン像を構築。
支配や標準化、共感や同情の全てを振り切り、バイクで風になる。
林瑞絵(在仏映画ジャーナリスト)
フランスが生んだ新たな才能が疾走。固定観念を吹き飛ばし、私たちを解き放つ。そして、止められない衝動と高ぶる感情のぶつかり合いに、“心のピストン”が激しく揺さぶられる!
志村昌美(ライター)
海外評
ジュリア・デュクルノーの『チタン』、ポール・ウォーカーの『ワイルド・スピード』、
セリーヌ・シアマの『ガールフッド』(日本未公開)を足せば、
ローラ・キヴォロンの長編デビュー作の生々しいパワーがわかるはずだ。
IndieWire
荒く、熱っぽく、危険。
ELLE
とんでもない新人監督。
Le Monde
無謀な神話。
Washington Post
その核心にあるのは、スーパーナチュラルに対する信望。
Los Angeles Times
祝福と嘆きの物語が融合した力強い作品。
Hollywood Reporter
西部劇ではないかもしれないが、『Rodeoロデオ』は確かに
カウボーイたちの勝利の雄叫び「YEEHAW!(イーハー!)」要素に欠けてはいない。
Screen International
知的な編集眼、鋭い社会的メッセージを組み合わせた、
常に爽快で深い説得力を持つ映画体験。
THE UP COMING
全体が狂ったようなエネルギーに満ちている。
Le Parisien
ガソリンの煙を浴びながら、不機嫌で魅惑的な初監督作品。
Les Echos
貪欲な自然主義、時に夢のようなカット。
それは今、若いフランス映画が渇望している方法だ。
Libération
パワーと優雅さを兼ね揃えたモーターサイクルの世界へ、
手に汗握るダイビング!
Marie Claire
主演のジュリー・ルドリューの魅力に迫るこの映画は、
カンヌで巻き起こった論争よりも1000倍価値がある。
Ouest France
刺激的。
Positif
力強い作品。
Sud Ouest
キレッキレで官能的。
Voici
ノイズと怒りに満ちた、女性のための初長編映画。
Bande à part
自然主義を超えた監督の世界観は、何よりも尊敬に値する。
Cahiers du Cinéma
ジュリー・ルドリューはとらえどころがなく、
動物的で、攻撃的で、魅力的で、私たちを混乱させる。
L’Humanité
ローラ・キヴォロンの初監督作品は、
すべてがうまくいっている。
Les Inrockuptibles
Rodeo ロデオ
2023年6月2日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺 他公開
原題:Rodeo
Cast
ジュリー・ルドリュー カイス ヤニス・ラフキ アントニア・ブルジ
コーディ・シュローダー ルイ・ソットン ジュニア・コレイア
アハメッド・ハムデイ ダブ・ンサマン ムスタフ・ディアンカ
モハメド・ベッタアール クリス・マコディ ジャンニ・カイラ
クェンティン・アリジ ブリス・ストラエイリ セバスティアン・シュローダー
監督・脚本 ローラ・キヴォロン 共同脚本 アントニア・ブルジ
キャスティング ジュリー・アリオーヌ 撮影 ラファエル・ヴェンデンブスッシュ
録音 ルーカス・ドムジャン / ジョフリー・ペリエ / ヴィクター・プロー
編集 ラファエル・トレス・カルデロン 特殊効果 アンソニー・レストルモー
ミキシング ヴィクター・プロー 美術 ガブリエル・デジャン
衣装 ラシェール・ラウルト スタント LM スタント 音楽 ケルマン・デュラン プロデューサー シャルル・ギルバート/ CG CINÉMA
配給 : リアリーライクフィルムズ + ムービー・アクト・プロジェクト
提供 : リアリーライクフィルムズ
© 2022 CG Cinéma / ReallyLikeFilms
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