元ボリショイバレエのプリンシパル、オリガ・スミルノワ出演のバレエODS『オリガ・スミルノワのジゼル in cinema』が3⽉8⽇(⾦)よりBunkamuraル・シネマ 渋⾕宮下ほか全国映画館にて順次公開。このたび、草刈民代(女優)、有吉京子(漫画家)、吉田都(新国立劇場舞踊芸術監督)ら各界著名人より絶賛コメントが到着した。またオリガ・スミルノワよりメッセージも届いた。
ワガノワ・バレエ・アカデミー仕込みの優美さとボリショイ・バレエのダイナミックさを兼ね備え、ボリショイの次代を担う新⼥王と⽬されたオリガ・スミルノワ。2022年2⽉、ロシアによるウクライナ侵攻が開始されると「私の魂のすべてで、この戦争に反対する。ロシアを恥じることになるとは思っていなかった」と表明、祖国ロシアとボリショイを離れオランダ国⽴バレエに電撃移籍した。
ボリショイ所属時、スミルノワの出演舞台は『眠れる森の美⼥』(2017年収録)『ラ・バヤデール』(2019年収録) 『⽩⿃の湖』『ジゼル』(いずれも2020年収録)などが「ボリショイ・バレエ in シネマ」として映画館で上映されてきた。ロシアのウクライナ侵攻までの過去12年間「ボリショイ・バレエ in シネマ」を製作してきたパテ・ライブは、ボリショイを離れたスミルノワを再びスクリーンに呼び戻すべく、オランダ国⽴バレエでの『ジゼル』を撮影し、このたび世界の映画館で上映されることとなった。
このたび、元バレリーナで⼥優として活躍する草刈⺠代から「神々しいまでの存在感」と称賛の声が到着。また「SWAN」の特装シリーズが刊⾏予定の漫画家の有吉京⼦は「彼⼥の“愛と赦し”のメッセージが世界中の紛争地域に届くよう祈りたい……!」と祖国ロシアを離れて活動するオリガ・スミルノワの想いに寄り添うようなコメント、元ロイヤルバレエプリンシパルで新国⽴劇場舞踊芸術監督である吉⽥都からは「オランダ国⽴バレエ団による「ジゼル」、ここにあり」と賛美するコメントが届いた。
他に、 東京バレエ団 ゲスト・プリンシパルの上野⽔⾹、バレリーナ・芸術監督の針⼭愛美、舞踊評論家・舞踊史家の村⼭久美⼦、バレエ研究家の⾚尾雄⼈、ラジオパーソナリティのクリス智⼦から絶賛コメントが続々と到着。コメント全文・一覧は以下にて。
各界著名人のコメント ※五⼗⾳順・敬称略
オリガ・スミルノワはその⼤きな眼が印象的で、第1幕前半で悪戯っ⼦のような表情を⾒せるかと思えば、狂乱の場ではうつろな視線で虚空を⾒つめる。第2幕では伏し⽬がちにウィリーたちの幽⽞の世界をたゆたう。これは100年前ロシアから⻄欧に移り、ジゼルを踊って名を馳せたオリガ・スペシフツェワを想起させる名演であり、ペテルブルク流派の正確で純粋なテクニックとボリショイで培ったモスクワ流派の演劇性̶̶ロシア・バレエの正統がスミルノワの踊りに息づいている。
⾚尾 雄⼈(ロシア⽂化/バレエ研究)
スミルノワの静謐な美に酔いしれるジゼル2幕の世界観ーーー!
彼⼥の"愛と赦し"のメッセージが世界中の紛争地域に届くよう祈りたい……!
有吉京⼦(漫画家「SWAN」特装シリーズ刊⾏予定)
『ジゼル』というバレエは好きだなと改めて思いました。
1幕の⼈間ドラマと、2幕の幻想は双⽅ともバレエによる表現世界の凝縮。
美しいオリガ・スミルノワ、ジャコポ・ティッシの⼆⼈による⽩眉は第2幕のデュエット。
⼈間や現実を超えた異次元の表現が空間を満たすさまが素晴らしく、終幕にかけてどんどん引き込み、感動的。
最後にウィリが消えた瞬間に⼈の⽣、そして移りゆく時間の神秘に⽬覚め、余韻に浸っています。
上野⽔⾹(東京バレエ団 ゲスト・プリンシパル)
神々しいまでの存在感。しかし、その根底にあるのは、アーティストとしての謙虚さだ。
オルガ・スミルノワ演ずる素朴で純粋なジゼルは、とてつもなく⼤きな選択をし、踊りに邁進している彼⼥の⼈⽣が滲み出ているようだ。
そのジゼルを⾒つめるオランダ国⽴バレエのダンサーたち。彼⼥への尊敬が込められた眼差しに⼼打たれた。
「素晴らしい」という⾔葉では表現できないものがある。多くの⽅々にそれを体験していただきたい。
草刈⺠代(⼥優・元バレリーナ)
息を呑み、観る者の⼼を鷲掴みにするオリガ・スミルノワの圧倒的な表現⼒は、
⼀夜にして⽣まれたものではないはずだ。バレエ「ジゼル」の世界の美しさもまた然り。
⼀⽅、戦争は、⼀夜にして世界を無下に⼀変させる。
国境とはなにか。⼈の美しさ、醜さとはなにか。
オリガ⾃⾝と演じるジゼルの、想いの深さ、信念のたしかさにも感動した。
クリス 智⼦(ラジオパーソナリティ)
国境、⾔葉の壁に関わらず伝えることが出来るバレエ。
「オリガ・スミルノワ」のジゼルは、そんな壁を越えて魂に届く踊り。
学校時代から抜きん出た才能があった彼⼥の⽣徒時代の教師「コワリョーワ」先⽣に、私⾃⾝ジゼル全幕の指導を受けた経験がある。バレエで⼈間の⼼を動かすことができる、そう感じた。
針⼭愛美(バレリーナ、芸術監督)
ロシアのウクライナ侵攻を黙認できず、ボリショイ・バレエのトップスターの地位を捨てたオリガ・スミルノワのジゼル。恋⼈への深い愛の眼差し、空気を柔らかく⼤きく揺らす⻑い腕の稀有の美しさ。⼼奪われます。
村⼭久美⼦(舞踊評論家/舞踊史家)
スミルノワとティッシの待望の共演。
この⼆⼈のアカデミックかつ端麗な踊りによって「ジゼル」の悲劇が説得⼒を持って迫ってくる。
意欲作を⽣み出し続けるオランダ国⽴バレエ団による「ジゼル」、ここにあり
吉⽥都(元ロイヤルバレエプリンシパル/新国⽴劇場舞踊芸術監督)
スミルノワより祈りのメッセージ
2⽉24⽇で侵攻より丸2年が経ち、いまなお悲惨な状況が続くウクライナ侵攻に対して、オリガ・スミルノワよりメッセージが到着。次代を担う新⼥王と⽬されながらも名⾨ボリショイ・バレエからオランダ国⽴バレエに、電撃移籍したオリガ・スミルノワ。祖国ロシアを離れて2年、⽇本の観客に向けてメッセージが届いた。
「まさか戦争が起こるとは誰も予想もしていなかったし、それが2年も続くとは思ってもいませんでした。多くの⼈が命を落とし、街が破壊され家を離れることを余儀なくされています。
私が戦争の最前線に出ていって状況を変えるようなことはできませんが、それでも私は芸術の⼒を信じています。様々な⽀援活動の⼀環でガラコンサートなども開かれていて、多くのダンサーが参加しています。私⾃⾝、先⽇ロンドンで⾏われたガラコンサートに参加しました。集まった⽀援はキーウで今もバレエを続けているダンサーたちの元に送られることになっています。
また、今なお続く戦争を⾵化させないためにSNSの発信を続けるアーティストたちも多くいます。私は今後も開かれたダンサー、アーティストでありたいと思っています」
公開記念イベント開催
映画公開を記念して、3月9日(土)の上映後、ジゼルを演じた経験を持つ日本のトップ・バレリーナ中村祥子を招いてトークショーが開催。ジゼルだけでなく、ミルタ役も多く踊ってきた彼女が、恋の喜び、絶望と狂乱をどう演じるか? 肉体のない存在をどう踊り、愛と赦しをどう表現するか?ーーその役を踊るダンサーだからこそ知る『ジゼル』の見どころ・演じどころについて語る。
『オルガ・スミルノワのジゼル in cinema』公開記念イベント
バレリーナ・中村祥子が語る「ジゼル」の世界
日付:3月9日(土)10:45の回上映終了後
会場:Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下
ゲスト:中村祥子(バレエダンサー)、阿部さや子(「バレエチャンネル」編集長)
オリガ・スミルノワのジゼル in cinema
2024年3月8日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開
撮影場所:オランダ国立歌劇場/撮影時期:2023年10月/上映時間:115分
主演:オリガ・スミルノワ、ジャコポ・ティッシ/新演出・振付:ラシェル・ボージャン、リカルド・ブスタマンテ/改訂振付:マリウス・プティパ/原振付:ジャン・コラリ、ジュール・ペロー/美術・衣装:トゥール・ヴァン・シャイク/音楽:アドルフ・アダン/伴奏:オランダ・バレエ・オーケストラ/指揮:エルマンノ・フローリオ
配給:ALFAZBET 配給・宣伝協力:dbi inc.
© Pathe Live
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