伝説の映像詩人、アルベール・ラモリス監督の名作『赤い風船』『白い馬』が4Kデジタル修復されたリマスター版『赤い風船 4K』『白い馬 4K』として、11月14日(金)より全国順次公開。これを記念して、特集上映「映像詩人アルベール・ラモリスの知られざる世界」の開催が決定した。日本劇場初公開となる『小さなロバ、ビム 4K』を始め『素晴らしい風船旅行 4K』『フィフィ大空をゆく 4K』が、『赤い風船 4K』『白い馬 4K』公開日と同じ11月14日(金)から上映される。あわせて、開催を記念して作られたポスタービジュアル、予告映像が解禁された。
『赤い風船 4K』『白い馬 4K』の公開を記念して開催される「映像詩人アルベール・ラモリスの知られざる世界」では、アルベール・ラモリスの初劇場長編作で少年とロバの友情が愛らしい『小さなロバ、ビム』、祖父と少年の冒険旅行に胸が躍る『素晴らしい風船旅行』、人間が羽で飛べたならという究極の夢を映画化したロマンティック・ファンタジー『フィフィ大空をゆく』の4Kデジタル修復版が公開されることが決定。
シンプルな物語に、驚異的で美しい視覚的創造性で紡ぐラモリスの映画は、観ることで子供の頃の意識へと呼び戻されるような感覚に。遊び心と優しさ、ユーモアが溢れ、純粋な喜びに浸れる夢のような時間を劇場で体感できる貴重な機会となっている。
あわせて解禁されたのは、本公開を記念して作られたポスタービジュアルと予告映像。「神話の如き、夢の世界へ」というキャッチコピーが添えられたポスターには、いつの時代も色褪せないラモリスの世界観を想起させる、鮮やかに甦った劇中シーンが印象的に配置されている。

予告映像には、今回上映される全5作品がラインナップ。『赤い風船 4K』では、赤い風船と少年の不思議な出会いと冒険を。『白い馬 4K』では、美しい白馬に魅せられた少年の心が動く瞬間を。『小さなロバ、ビム 4K』では、少年とロバの仲睦まじい姿を。『フィフィ大空をゆく 4K』では、フィフィとサーカスの女性の恋模様を。『素晴らしい風船旅行 4K』では、大空を進む巨大な気球に乗り、フランスを旅するシーンを切り取っている。
上映作品
『赤い風船 4K』 4K版日本初公開
第29回アカデミー賞®脚本賞受賞/第9回カンヌ国際映画祭短編パルム・ドール賞(最高賞)受賞/
1956年度ルイ・デリュック賞受賞
監督・脚本:アルベール・ラモリス 撮影:エドモン・セシャン 音楽:モーリス・ルルー
出演:パスカル・ラモリス、サビーヌ・ラモリス、ジョルジュ・セリエ、ヴラディミール・ポポフほか
Le Ballon Rouge/1956年/フランス/フランス語/35分/カラー/スタンダード/日本語字幕:星加久実/© Copyright Films Montsouris 1956
配給:セテラ・インターナショナル
STORY
ある朝、少年パスカルは学校に行く途中で、ふわりと宙に浮かぶ赤い風船を見つける。風船は街灯に紐が引っかかって動けなくなっていたのだ。パスカルは風船を持って学校へ向かうが、教室に風船を持って入れず、門番に預けた。放課後、風船を持って無事に家へ帰り着いたが、窓から風船を放り出されてしまう。しかし、不思議なことに、風船は窓際にふわふわと浮いてとどまった。赤い風船と友達になったパスカルは、どこにいくにも風船と一緒だ。だが、パスカルと風船の仲の良さを妬んだいじめっ子たちは、風船を我がものにしようと追いかけてくる。パスカルは風船とともにパリの街を逃げ回るが・・・。
『白い馬 4K』 4K版日本初公開
第6回カンヌ国際映画祭短編グランプリ(最高賞)受賞/1953年度ジャン・ヴィゴ賞受賞
監督・脚本:アルベール・ラモリス 撮影:エドモン・セシャン 音楽:モーリス・ルルー
出演:アラン・エムリー、パスカル・ラモリス、ローラン・ロッシュ、フランソワ・プリエほか
Crin Blanc/1953年/フランス/フランス語/40分/白黒/スタンダード/日本語字幕:星加久実/© Copyright Films Montsouris 1953
配給:セテラ・インターナショナル
STORY
南仏カマルグ地方に、白く美しい荒馬をリーダーにした野生馬の一群がいた。その“白いたてがみ”と呼ばれる馬の存在は噂となり、牧童たちは野生馬を捕獲し始める。漁師の少年フォルコは、囚われた“白いたてがみ”が、牧童たちから勇敢に逃げる様子を見つめていた。「おまえの手に負えるなら、あんな馬はやろう」と、牧童主はフォルコをからかった。フォルコは、牧童たちの手から逃れた“白いたてがみ”を見つけ、ひっそりと近づき、手綱を握った。ひきずられながらも手綱を放さないフォルコに、馬は次第に心を許す。しかし、すぐに牧童たちに見つかり、フォルコは馬をなんとしても守ろうとするが・・・。
『小さなロバ、ビム 4K』 日本劇場初公開
監督・脚本:アルベール・ラモリス 共同脚本&語り:ジャック・プレヴェール
Bim le petit âne/1951年/フランス/仏語/55分/白黒/スタンダード/日本語字幕:星加久実 © Copyright Films Montsouris 1951
STORY
はるか昔、東の国のある島。子供たちひとりひとりがロバを飼う習慣があった。ビムは最も美しいロバで、アブダラがその飼い主だったが、アブダラはとても貧しかった。意地悪な領主の息子メサウドは、美しいビムに一目惚れし、アブダラからビムを奪い取った。連れ去れたビムを取り返そうと、アブダラは勇敢にも領主の屋敷に忍び込むが、護衛に見つかり牢に入れられてしまう…。

『素晴らしい風船旅行 4K』 4K版日本初公開
第21回ヴェネツィア国際映画祭 国際カトリック映画事務局賞受賞
監督・空中撮影:アルベール・ラモリス
撮影:モーリス・フェルー、ギイ・タパリー 音楽:ジャン・プロドロミデス
出演:パスカル・ラモリス、アンドレ・ジル、モーリス・パケほか
Le Voyage en Ballon/1960年/フランス/仏語/84分/カラー/スコープ © Copyright Films Montsouris 1960
STORY
パスカルの祖父は学者で、気球を発明し、フランス中を旅する計画を立てていた。なんとしても冒険がしたいパスカルは、こっそりゴンドラにしがみつき、気球に乗り込む。北フランスのベテューヌを出発し、パリを通過、ブルターニュから南へ。次々と災難に見舞われるが、アルプスを越え、ニームで海水浴を楽しむ。しかし、闘牛場での一時着陸の際に、気球はパスカルひとりを乗せたまま空に上がり、みな大慌てする・・・。

『フィフィ大空をゆく4K』 4K版日本初公開
第18回 カンヌ国際映画祭 フランス映画高等技術委員会賞受賞
監督・脚本:アルベール・ラモリス 撮影:ピエール・プチ、モーリス・フェルー 音楽:ジャン=ミシェル・ドフェイ
出演:フィリップ・アブロン、ミレイユ・ネーグル、アンリ・ランベール、ラウール・ドルフォスほか
Fifi la Plume /1965年/フランス/仏語/78分/白黒/スタンダード/日本語字幕:横井和子© Copyright Films Montsouris 1965
STORY
フィフィは邸宅から時計を盗み、サーカス団に逃げ込む。支配人は彼を警察には突き出さず、鳥人間に仕立てようとする。背中に羽をつけ空中を飛ぶ危険な演目だ。団員のミミに一目惚れし練習をはじめたフィフィは、空中を飛べるようになり、天使のふりをして時計を盗みミミにプレゼントをする。しかし、ミミに想いを寄せる猛獣使いと喧嘩になり、サーカスは崩壊。警察の追跡がはじまり、フィフィは空高く舞い上がる・・・。

映像詩人アルベール・ラモリスの知られざる世界
2025年11月14日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
公式サイト www. akaifuusen4K.com
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