クリスマスの定番映画は数あれど、これほどまでに愛され、そして見るたびに違った感情を呼び起こす作品は他にないだろう。
2003年の公開から20年以上経ち、もはや「冬の風物詩」となった名作『ラブ・アクチュアリー』が、4Kデジタルリマスター版として帰ってくる。しかも、12月24日(水)・25日(木)の2日間限定という、あまりにもロマンチックで、特別なスケジュールで。
今回の再上映を、単なる「懐かしの名作上映」として片付けるには惜しすぎる。なぜなら、スクリーンに映し出される豪華キャストたちの姿は、2025年の現在、もう二度と再現することができない「奇跡のアンサンブル」だからだ。
英国の至宝たちが、奇跡の共演を果たした瞬間
ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、コリン・ファース、キーラ・ナイトレイ……。 ハリウッドの大作映画で主役を張る英国のスターたちが、一つの画面に収まっていること自体が事件だ。しかし、この再上映を特別なものにしている最大の理由は、一人の名優の存在にある。
アラン・リックマン。
『ハリー・ポッター』シリーズのセブルス・スネイプ先生役などで世界中から愛され、2016年に惜しまれつつこの世を去った彼――ほどなく没後10年となる――が、本作では「会社経営者ハリー」として、味わい深い名演を見せている。

「スネイプ先生」とは違う、人間味あふれる“ダメな夫”
彼が演じるハリーは、決して聖人君子ではない。長年連れ添った妻がいながら、部下の若き女性からの誘惑にまんざらでもない顔を見せる、どこにでもいる「少しダメな中年男性」だ。
しかし、アラン・リックマンはその低い美声と繊細な眉の動き一つで、このキャラクターに憎めない人間味と、哀愁を吹き込んでいる。 部下へのプレゼントをこっそりと買うコミカルな挙動不審さも、妻にすべてを見透かされた時の情けない背中も。彼が演じるからこそ、私たちはその「愚かさ」すら愛おしく感じてしまう。
スクリーンの中の彼は、時が経っても変わらず、あまりにも鮮やかな輝きを放っている。彼にこうして映画館でもう一度会えるという喜びが、クリスマスに特別な涙を誘うはずだ。
エマ・トンプソンの涙が、時を超えて胸に刺さる
そして、その妻カレンを演じたエマ・トンプソンの名演も見逃せない。 夫の裏切り(に近い行為)に気づき、ジョニ・ミッチェルのCDを聴きながら寝室で一人涙を流すシーン。映画史上最も静かで、最も胸が苦しくなる名シーンの一つだ。
実生活でもアランとエマは長年の親友同士だった。 映画のラスト、空港のシーンで二人が交わす何気ない会話と表情には、演技を超えた信頼関係が垣間見える。「夫婦」という関係の脆さと、それでも続いていく絆の強さ。それを演じきった二人の姿を4Kの高画質で目撃することは、映画ファンにとって忘れられない至福の体験となるだろう。
「愛はどこにでもある」を再確認するために
冒頭のナレーションで語られるとおり、この世界は愛に満ちあふれている。 しかし、映画の中の俳優たちが年齢を重ね、あるいはこの世を去っていくように、私たちに残された時間も永遠ではない。だからこそ、今、大切な誰かと、あるいはじっくりとひとりで、映画館という特別な場所でこの作品に向き合ってみるのはどうだろうか。スクリーンの向こうのアラン・リックマンに、心の中で「メリー・クリスマス」を告げるために。
(文/編集部・Y)
まとめ(注目ポイント)
- 12月24日・25日の2日間限定上映『ラブ・アクチュアリー 4Kデジタルリマスター』が、クリスマスの2日間だけ全国の劇場で特別上映される。
- 今は亡きアラン・リックマンの名演『ハリー・ポッター』のスネイプ役でも知られ、没後10年を迎える名優の「人間味あふれる演技」をスクリーンで堪能できる貴重な機会。
- 英国の豪華スターが奇跡の共演ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソンら、今では実現不可能な豪華キャストが一堂に会したアンサンブル・ドラマ。
ラブ・アクチュアリー 4Kデジタルリマスター
2025年12月24日(水)、12月25日(木)、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA 、kino cinéma新宿 他全国劇場にて限定プレミアム上映
脚本・監督 リチャード・カーティス
キャスト アラン・リックマン、ビル・ナイ、コリン・ファース、エマ・トンプソン、ヒュー・グラント、ローラ・リニー、リーアム・ニーソン、マルティン・マカッチョン、ローワン・アトキンソン
2003/135分/イギリス、アメリカ、フランス/ カラー/2.39 : 1
配給:シンカ
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