キューバ危機の舞台裏で繰り広げられた知られざる実話を基に、核戦争回避のために命を懸けた男たちの葛藤と決断をスリリングに描いた迫真のスパイ・サスペンス『クーリエ:最高機密の運び屋』より、主演ベネディクト・カンバーバッチのオンラインロングインタビュー映像が解禁された。作品との出会い、役作りについて、共演者との仲についてまで赤裸々に語るとともに、新型コロナウイルスの戦いと本作を絡めたメッセージも口にしている。

米ソ冷戦下を背景に、CIA【アメリカ中央情報局】とMI6【英国秘密情報部】からスパイとしてリクルートされたイギリス人セールスマンのグレヴィル・ウィンを演じたベネディクト・カンバーバッチ。
映像ではまず作品との出会いについて語っている。「話をくれたのはドミニク・クック監督だ。彼の『ホロウ・クラウン』でリチャード三世を演じてすっかり意気投合して友達になったんだ」と回想。
そして「僕はグレヴィルという役に強く惹かれた。数奇な運命をたどり変化していくただの平凡な男を演じることにね。彼は短期間で大きな変容を遂げる。完全な素人がプロのスパイになり、友人を助けようとして投獄される。彼とオレグの友情も重要な要素だ。ケネディ大統領の元へ機密情報を届けようと多くの人や組織が暗躍し、多くのドラマが生まれた。しかしその中心にはこの二人の男がいた。彼らは互いに気にかけながらともにミッションに挑んだ。今にも起こりそうな核戦争の危機を乗り越え、平和的解決をもたらす任務だ。自分たちの家族、そして世界を守るため二人は団結した。人間性の部分で通じるところがあり、個人的な友情も芽生えていく。トムの脚本はそれらを完璧にとらえていて、とても感銘を受けた」 とトム・オコナーの脚本の完成度の高さにも引き付けられたことを明かしている。

役作りについては「可能な限り文献も読んだよ。当時の暮らしを知れる文献を中心にね。当時のソ連とイギリスの違いや気温を知ることでグレヴィルの肉体的、精神的な変化を理解したかった。グレヴィルの自伝にも目を通した。自伝にはリサーチ以上に興味深い発見があった」と熱のこもった準備をうかがわせている。それに加えて当時のニュース映像を参考に、グレヴィル・ウィンのウェールズ訛りの喋り方を意識したという。
ペンコフスキーを演じた旧ソ連出身のメラーブ・ニニッゼについては「助けられた。すぐに打ち解けていい雰囲気で撮影できたし、昔と今のロシアについて教えてくれた。彼が推薦してくれた書籍はグレヴィルを理解する上でとても有益だった」と感謝の意を表す。

最後に、コロナウイルスに打ち勝とうとする人類の動きと、本作に描かれるテーマには共通項があると熱弁する。「コロナウイルスとの闘いはこの先もまだ続くと思う。回復力が試されている。人々はこれまでその驚くべき忍耐力と無私の心と勇敢さで自ら進んで立ち上がり行動を起こしてきた。グレヴィルも予期せず英雄になった。特別な能力のない彼が途方もないことを任されプレッシャーの中やり遂げた。ソ連で投獄されたがつらく残忍な経験を耐え抜いた。だからこの映画は希望のメッセージだ。人は誰でも困難を乗り越えることができる。どんなに無力で孤立していると感じても権利を奪われたと感じても戸惑い手に負えないと感じてもできることは必ずある。グレヴィルが並外れたことを成し遂げたようにね!」

そして劇場での検温を推奨しながら「映画館再開後初めて観る映画が本作だったらとてもうれしい」と日本の観客にメッセージを送った。
『クーリエ:最高機密の運び屋』は本日9月23日(木・祝)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー。
クーリエ:最高機密の運び屋
2021年9月23日(木・祝)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
【STORY】
1962年10月、アメリカとソ連、両大国の対立は頂点に達し、「キューバ危機」が勃発した。世界中を震撼させたこの危機に際し、戦争回避に決定的な役割を果たしたのは、実在した英国人セールスマン、グレヴィル・ウィンだった。スパイの経験など一切ないにも関わらず、CIA(アメリカ中央情報局)とMI6(英国秘密情報部)の依頼を受けてモスクワに飛んだウィンは、国に背いたGRU(ソ連軍参謀本部情報総局)高官との接触を重ね、そこで得た機密情報を西側に運び続けるが―。
監督:ドミニク・クック
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、メラーブ・ニニッゼ、レイチェル・ブロズナハン、ジェシー・バックリー
2021年|イギリス・アメリカ合作|英語・ロシア語|カラー|スコープサイズ|5.1ch|112分|原題:THE COURIER|G
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
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