「ムーミン」の原作者として知られる、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの半生を描いた映画『TOVE/トーベ』より、本編冒頭映像と、監督から届いた日本のムーミンファンに向けたコメント動画が解禁された。

ザイダ・バリルート監督のコメントは、ムーミンゆかりの地でもあるフィンランドから到着。「日本のムーミンファンの皆さん、こんにちは」と、まずは日本のムーミンファンに向けた挨拶を述べ「『TOVE/トーベ』は若く野心的な画家であるトーベ・ヤンソンの物語で1940年から50年代のフィンランドが舞台です。トーベについて出来るだけ親密で誠実な映画を作るよう心がけました」「トーベの若かりし頃を描くことによって彼女に新たな光を当てられたら嬉しいです」とメッセージを届けた。
その後に続くのは、独特のリズムを刻みながら夜の部屋で1人踊るトーベの姿から始まる本作の冒頭映像。第二次世界大戦下のフィンランド・ヘルシンキでミサイルの爆音に怯え、爆撃で廃墟となった街を彷徨いながらも、1945年に刊行される事になる、ムーミンシリーズ第1作目『小さなトロールと大きな洪水』を少しづつ紡ぎ出していく彼女の創作の様子が映し出される。
そして“ムーミンのイラスト”を芸術として認めようとしない、著名な彫刻家である父親との軋轢、そして「コーヒーはケンカの後にする?」と、張り詰めた空気をやわらげるような母親とのやりとりなど、彼女がまだ、さまざまな葛藤に悩み、アーティストとして満たされない日々を送っていた時代を切り取った映像となっている。
本作は本国フィンランドでは公開されるや大絶賛で迎えられ、スウェーデン語で描かれたフィンランド映画としては史上最高のオープニング成績を記録。公開から約二カ月にわたり週間観客動員数ランキングで連続1位を維持するなどロングラン大ヒット。更に第93回アカデミー賞®国際長編映画賞フィンランド代表へ選出されたのをはじめ、数々の映画賞を席巻。フィンランドの映画制作に関わる映画人らに贈られる〝ユッシ賞“では2021年度の最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演女優賞、最優秀撮影賞、最優秀美術賞、最優秀メイクアップ賞、最優秀衣裳賞など圧巻の7部門を獲得した。
TOVE/トーベ
2021年10月1日(金) 新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか 全国ロードショー
STORY
第二次世界大戦下のフィンランド・ヘルシンキ。激しい戦火の中、画家トーベ・ヤンソンは自分を慰めるように、不思議な「ムーミントロール」の物語を描き始める。やがて戦争が終わると、彼女は爆撃でほとんど廃墟と化したアトリエを借り、本業である絵画制作に打ち込んでいくのだが、著名な彫刻家でもある厳格な父との軋轢、保守的な美術界との葛藤の中で満たされない日々を送っていた。それでも、若き芸術家たちとの目まぐるしいパーティーや恋愛、様々な経験を経て、自由を渇望するトーベの強い思いはムーミンの物語とともに大きく膨らんでゆく。そんな中、彼女は舞台演出家のヴィヴィカ・バンドラーと出会い激しい恋に落ちる。それはムーミンの物語、そしてトーベ自身の運命の歯車が大きく動き始めた瞬間だった。
出演:アルマ・ポウスティ、クリスタ・コソネン、シャンティ・ロニー、ヨアンナ・ハールッティ、ロバート・エンケル
監督:ザイダ・バリルート 脚本:エーヴァ・プトロ 音楽:マッティ・バイ 編集:サム・ヘイッキラ
2020年/フィンランド・スウェーデン/カラー/ビスタ/5.1ch/103分/スウェーデン語ほか/日本語字幕:伊原奈津子/字幕監修:森下圭子
レイティング:G/原題:TOVE/配給:クロックワークス
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公式サイト: http://klockworx-v.com/tove/