ジョン・カーペンター監督の特集上映「ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022」が、2022年1月7日 (金)より開催されるにあたり、3夜連続のトークイベント開催が決定。トークゲストとして登壇する黒沢清監督からのコメントも到着した。
SF・ホラー作品でカルト的な人気を誇り、ホラー映画の帝王とも称されるジョン・カーペンター監督は、『遊星からの物体X』(82)、『クリスティーン』(83)など数々の名作を生み出し、多くの映画ファンに愛される名匠の一人。今回の特集上映「ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022」では『ニューヨーク1997』、『ザ・フォッグ』、『ゼイリブ』4Kレストア版という、カーペンター究極の金字塔3作品が上映される。
『CURE キュア』(97)、『回路』(00)などジャパニーズ・ホラーの名手・黒沢清監督もジョン・カーペンター作品を愛する一人。今回、待望のジョン・カーペンターレトロスペクティブ2022に対してコメントが到着した。「彼の映画のラストシーンで、追い詰められたアウトローは襲いくる権力に対していつも起死回生の一泡を吹かせる。本来ならスカッとするはずが、何故か思わず涙してしまう理由はそこにあった。映画の娯楽性はいまや完全にアウトローであり、評価や大ヒットに対して一泡吹かせるための起死回生の一撃なのだ。“娯楽映画よ永遠なれ”というカーペンターの悲痛なメッセージがそこから聞こえてくる。私はいつも号泣する。それに応える映画の作り手が世界にもっともっといていい。いるはずだ」と、カーペンターの映画界における重要性と、映画の未来への期待を込めて熱い想いを語った。
そんな黒沢監督が公開初日のヒューマントラストシネマ有楽町での『ニューヨーク1997』上映にトークゲストとして登壇することが決定。映画評論家の柳下毅一郎とともに、唯一無二の存在であるジョン・カーペンターについてや、81年の劇場公開から40年ぶりにリバイバル上映が実現する『ニューヨーク1997』について存分に語る。
これを皮切りに三夜連続のトークイベントが実現。2日目の1月8日(土)はアップリンク吉祥寺にて、レトロスペクティブ2022のVHS風オリジナルビジュアルを手掛けたデザイナー、大島依提亜と「ジョン・カーペンター読本」の編集に携わった映画評論家で爆音上映boid主宰の樋口泰人が、カルト的な人気を誇るSFスリラー『ゼイリブ』についてのトークを繰り広げる。
イベント最終日の1月9日(日)は新宿武蔵野館にてお笑いコンビ、ジャガモンドの斉藤正伸と年間300本もの映画を観るピン芸人あんこが登場。映画情報を配信するYoutube番組「シネマンション」のレギュラーとして活躍する2人が今回は隠れた名作ホラーと名高い『ザ・フォッグ』について独自の視点で語る。
また、1月7日からの上映スタートに先駆けて、大晦日レトロスペクティブ2022一挙見上映が決定。2021年12月31日(金)にヒューマントラストシネマ渋谷にて、ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022上映作品、『ニューヨーク1997』、『ザ・フォッグ』、『ゼイリブ』4Kレストア版の一挙上映を開催する。
この日限定で、スペシャルな音響体験のできるodessa 導入スクリーンで上映され、同日に3作品を1つの劇場で楽しめる貴重な1日となる (※オールナイト上映ではなく昼から夕方にかけて各作1回ずつの上映。連続して見ることができる。※3本セット上映ではなく、各作品¥1,300均一での上映となる)。
「ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022」は2022年1月7日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町/新宿武蔵野館/UPLINK吉祥寺にて 3週間限定公開。
「ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022」3夜連続トークイベント
ゲストプロフィール
黒沢清(くろさわきよし)プロフィール
1955年兵庫県神戸市出身。立教大学在学中より8ミリ映画を撮り始め、1983年商業映画デビュー。『CURE』(97)で世界的に注目される。『アカルイミライ』(02)は第56回カンヌ映画祭コンペティション部門に出品された。その後も『トウキョウソナタ』(08)で同映画祭ある視点部門審査員賞、『岸辺の旅』(14)で監督賞、『スパイの妻』(20)でヴェネチア国際映画祭最優秀監督賞を受賞。初のフランス映画『ダゲレオタイプの女』(16)、『散歩する侵略者』(17)、『旅のおわり世界のはじまり』(19)など監督作多数。
柳下毅一郎(やなしたきいちろう)プロフィール
1963年生まれ。映画評論家、英米文学評論家。 訳書にR・A・ラファティ「第四の館」(国書刊行会)、キャサリン・ダン「異形の愛」(河出書房新社)、〈J・G・バラード短編全集〉(共訳 東京創元新社)など。著書に「新世紀書評大全 書評1990-2010」(洋泉社)、「皆殺し映画通信」(カンゼン)など。編書に「女優 林由美香」(洋泉社)など。
大島依提亜(おおしまいであ)プロフィール
1968年、栃木県出身。映画のグラフィックを中心に、展覧会や書籍のデザインを手がける。最近の仕事に、映画『万引き家族』(18)、『パターソン』(16)、『ミッドサマー』(19)、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(19)、『ラストナイト・イン・ソーホー』(21)、展覧会「谷川俊太郎展」「ムーミン展」、書籍「小箱/小川洋子」など。
樋口泰人(ひぐちやすひと)プロフィール
ビデオ、単行本、CDなどを製作・発売するレーベル「boid」を98年に設立。04年から、東京・吉祥寺バウスシアターにて、音楽用のライヴ音響システムを使用しての爆音上映シリーズを企画。さまざまなジャンルの映画の爆音上映を開催。08年より「爆音映画祭」を開始。その他の著書に「映画は爆音でささやく」(boid)、「映画とロックンロールにおいてアメリカと合衆国はいかに闘ったか」(青土社)など。
ジャガモンド 斉藤正伸(さいとうまさのぶ)プロフィール
1991年東京都出身。 3つの映画YouTubeチャンネル「おまけの夜」、「シネマンション」、「しゃべんじゃーず」にレギュラー出演するほか、自身のYouTubeチャンネル「ジャガモンド斉藤のヨケイなお世話」も運営。テレビのレギュラーとして、テレビ埼玉「マチコミ」内にて「ジャガモンド斉藤の決作劇場」にも出演中。
あんこプロフィール
1987年熊本県出身。2010年5月コンビでデビュー。解散し2018年9月よりピン芸人スタート。新作旧作合わせて年間300本ほど映画鑑賞する大の映画好き芸人。映画Youtubeチャンネル「シネマンション」、「あんこのあまあまチャンネル」、KRYラジオ「あんこのアンコールシネマ」でも活動。お笑い好きと映画好きを増やすため日々奮闘中!
ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022
2022年1月7日(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町/新宿武蔵野館/UPLINK吉祥寺にて 3週間限定公開
『ニューヨーク1997』
監督・脚本:ジョン・カーペンター
出演:カート・ラッセル、リー・ヴァン・クリーフ、アイザック・ヘイズ
1981年/アメリカ/99分/原題:Escape from New York
© 1981 STUDIOCANAL SAS - All Rights Reserved
『ザ・フォッグ』
監督・脚本:ジョン・カーペンター
出演:エイドリアン・バーボー、ジェイミー・リー・カーティス、ジャネット・リー
1980年/アメリカ/99分/原題:The Fog
© 1979 STUDIOCANAL
『ゼイリブ』
監督・脚本:ジョン・カーペンター
出演:ロディ・パイパー、メグ・フォスター、キース・デヴィッド
1988年/アメリカ/94分/原題:They Live
© 1988 STUDIOCANAL S.A.S. All Rights Reserved.
この記事が気に入ったらフォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow WEEKEND CINEMA