“雨傘運動”の79日間を描いた『乱世備忘 僕らの雨傘運動』のチャン・ジーウン監督による香港・日本合作ドキュメンタリー映画『Blue Island 憂鬱之島』が、渋谷のユーロスペースにて7月16日(土)より公開が決定。劇場での公開は世界初となる。あわせて特報映像が解禁された。

今香港の人々がリアルに感じている閉塞感を、ドキュメンタリーとドラマを融合させて描く

香港では2014年の雨傘運動以後、一国二制度の理念と自由が徐々に蝕まれてきた。本作は、そんな「香港の自由」を求める闘いの歴史と、今香港の人々がリアルに感じている閉塞感を、違う時代を生きた実在する3人を軸にドキュメンタリーとドラマを融合させて描いていく。

このたび本作がカナダで開催された北米最大のドキュメンタリー映画の祭典であるHot Docs 2022(Hot Docs Canadian International Documentary Festival)にて最高賞(Best International Feature Documentary)を受賞したのを記念して、特報映像が解禁となった。

2014年、香港の若者たちが未来のために立ち上がった“雨傘運動”の79日間を描いた『乱世備忘 僕らの雨傘運動』でチャン・ジーウン監督は、「二十年後に信念を失っているのが怖いか?」と出演者に問いかけた。その言葉は監督自身への問いかけでもあったが、運動直後のやる瀬ない思いが憂鬱さとなり島を覆い、想像を超える急激な変化の中で、20年を待つまでもなくチャン監督は自らその問いに答える必要に迫られることとなった。雨傘運動を先導していた者たちが逮捕され、市民が沈黙したことで、この島の民主主義や自由への道のりを、より深く再考しなければと本作の制作を思い立つ。

一国二制度が踏みにじられた香港社会は混乱を極め、コロナ禍の影響もあり窮地に陥りながらも、香港が内包する不安と希望を描いた衝撃作『十年』のプロデューサーであるアンドリュー・チョイ、若き政治家の葛藤を描いた『地厚天高』を制作したピーター・ヤムと共に、クラウドファンディングによる応援もあり、2022年ようやく完成を迎えた。

20世紀後半、“文化大革命”(1966~1976年)“六七暴動”(1967年)“天安門事件”(1989年)と世界を震撼させた事件に遭遇し、激動の歴史を乗り越えてきた記憶。そして現代、香港市民の自由が急速に縮小してゆくなかで、時代を超えて自由を守るために闘う姿をドキュメンタリーとフィクションを駆使してより鮮明に描きだす。この映画は、自由を求めるすべての人々とあなた自身の物語でもある。

作品情報

Blue Island 憂鬱之島
2022年7月16日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開

監督・編集:チャン・ジーウン
プロデューサー:(香港)ピーター・ヤム アンドリュー・チョイ/(日本)小林三四郎 馬奈木厳太郎 
撮影:ヤッルイ・シートォウ 
音楽:ジャックラム・ホー ガーション・ウォン 美術:ロッイー・チョイ
字幕:藤原由希 字幕監修:Miss D 製作:Blue Island production  配給:太秦 

2022|香港・日本|カラー|DCP|5.1ch|97分

©2022Blue Island project

公式サイト blueisland-movie.com

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