世界でもっとも有名な女性である、英国君主エリザベス2世初の長編ドキュメンタリー映画『エリザベス 女王陛下の微笑み』(6月17日公開)のトークイベントが6月7日(火)に実施され、英国王室に造詣の深いデーブ・スペクター、多賀幹子が登壇した。さらに、そのトークでも話題になったエリザベス女王の意外な一面を捉えた本編映像が解禁された。
今年、在位70周年を迎えたエリザベス女王。イギリスでは6月2日から4日間にわたり英国君主として初のプラチナジュビリーが盛大に行われ、2日の「トゥルーピング・ザ・カラー」では、エリザベス女王がバルコニーからパレードを見守り大歓声が上がった。
また4日にバッキンガム宮殿前で行われたクイーンやダイアナ・ロスなど豪華アーティストが出演したBBC主催の祝賀コンサートへの参加は見送られたものの、冒頭には世界中で大人気の「クマのパディントン」とお茶をする映像からコンサートにつながる演出がなされるなど、国民から愛されるエリザベス女王のキュートな魅力は健在! イギリスのみならず世界中が女王を祝福した。
そしていよいよエリザベス女王初の長編ドキュメンタリー映画『エリザベス 女王陛下の微笑み』が6月17日から日本で公開。『ノッティングヒルの恋人』(1999)などで知られるロジャー・ミッシェル監督が、エリザベス女王の類まれなる人生と旅路を、女王への深い愛と畏敬の念をもって、詩的に時にポップに描き出した。
その公開に先駆けて行われたトークイベントには、英国王室に造詣の深いデーブ・スペクター(放送プロデューサー)、多賀幹子(英国王室ジャーナリスト)が登壇し、本作の魅力と英国王室のトリビアを徹底解説した。
本作の字幕監修も担当している多賀は「70年の君主なので堅苦しい人かと思いきや、映画を見るとそのイメージがガラッと変わる。お茶目で優しくてユーモアがある。そのような人柄だからこそ、70年も君主を続けられたのではないかと思います。しかも4人のお子さんを産んで育てたわけですから、ワーキングマザーのパイオニアでもある」と本作を通してエリザベス女王の魅力を再発見したという。
頭に王冠、上着はユニオンジャックといういで立ちで登場したデーブは「ここまでやらせますか? 僕はお笑い芸人じゃないよ!? でも気分はいい」とボケつつ「とにかく編集のセンスが素晴らしい! ドキュメンタリーに興味がある人にも見てほしい。プラチナジュビリーのイベントの素晴らしさと同じセンスがあって、イギリス的な笑いも多い。僕はそのイギリスらしさを感じながら紅茶を10杯も飲みました」とジョーク交じりに本作の見どころを熱弁した。
英国人にとってのエリザベス女王の存在について聞かれた多賀は「イギリス人にとってエリザベス女王はすべてだと思います。切手を見てもお金を見ても女王の顔が描かれているわけですし、道にも学校にもパブにも女王の名前が使われている。イギリスにとってはまさに切っても切れない存在。どこにいても女王と一緒なわけですからね」と解説。
デーブも「イギリスそのものを象徴している存在であり、女王がいるからこそ団結ができる。王室反対派もいるようだけれど、プラチナジュビリーでのイギリス人たちの嬉しそうな顔を見ると女王はいた方がいいと思う。まさにイギリスのマザー。ジョンソン首相がいくら暴走しても、その上にエリザベス女王がいると思うと安心できます」と偉大な存在であるとリスペクトしていた。
エリザベス女王のトリビアの話題になると多賀は「実は競馬がお好き! 映画の中にも描かれているけれど、『勝った!勝った!』とピョンピョン飛び跳ねていて驚きました。賞金の16ポンドを渡されて『嬉しい!』とポッケに入れるけれど、その紙幣には女王の顔が描かれているわけですから」と笑わせた。
またセント・ジェームズ宮殿で実際にエリザベス女王に接見した経験のある多賀は「実際のエリザベス女王はすごく小柄で、その人柄が滲み出るような素晴らしいほほ笑みを浮かべていました。その場のみんなとスタンダップコメディのショーを見ながら、大きな声で笑っていました」と貴重なエピソードを紹介。これにデーブは「小柄だからこそ遠くからでも目立つようにと、パステルカラー色のファッションを着るようになりました」とエリザベス女王のプチトリビアを披露。さらに「最近のエリザベス女王は一般人との触れ合いが面白くないと言っています。なぜならば今はみんな女王に会うとスマホで写真を撮ってしまうから、顔を見て、目と目を合わせてのコミュニケーションができない。スマホの普及という時代の流れなので仕方のないことなのかもしれないけれど…」と現代ならではの事情を解説した。
また女王即位70周年記念コンサートのオープニングを務めたクイーン+アダム・ランバートのステージパフォーマンスの写真がスクリーンに映ると、なぜかデーブとアダム・ランバートの2ショット写真もちゃっかり投影。会場から笑いが漏れると「アダム・ランバートと、かつて一度だけ会ったことがあるという僕の自慢です!『情報ライブ ミヤネ屋』では“誰やねん!”と言われて使ってくれなかったので」とにやり。
最後にデーブは本作について「是非とも先入観なしで見てほしい。とにかくぶっ飛んだ作品。ドキュメンタリーでもないし、MVでもない。とても不思議な作品なので気に入ってもらえたらたくさんの人に広めてほしい」とアピールしていた。
さらに、今回のトークでも話題になった、競馬がお好きというエリザベス女王の意外な一面を捉えた本編シーンが解禁。競馬場で双眼鏡を片手にレースに熱狂し、自分が馬券を買った馬が勝利して大興奮するエリザベス女王のキュートでチャーミングな姿がみられる。
大の馬好きとして知られるエリザベス女王は、実はご自身でも馬主としてサラブレッドを所有するほど。今回解禁となった本編シーンでは、フレッド・アステアが歌う「チーク・トゥ・チーク」にのせて、若きエリザベス女王が競馬場を度々訪れ、双眼鏡片手に熱心にレースを見学する貴重なアーカイブ映像が映し出される。
そして近年は「だいぶ前から双眼鏡は使わないの」「いつもTV観戦よ」と話すエリザベス女王だったが、競馬場内のTVでレースを観ながら居ても立っても居られずバルコニーまで駆け出し、「あの馬に賭けたのよ。賞金がもらえる」と大興奮する姿が!
係の男性が「おめでとうございます」と言いながら女王に手渡したのは、エリザベス女王の肖像が印刷された英国ポンド札。女王も受けとりながら「ありがとう。いくら?」と尋ね、16ポンドとわかると「16ポンド?」と言い返す表情がなんともキュート!
その笑顔に長年愛される存在であるエリザベス女王の魅力があふれるチャーミングなシーンとなっている。
『エリザベス 女王陛下の微笑み』は6月17日(金)、TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国公開。
エリザベス 女王陛下の微笑み
2022年6月17日(金)、TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国公開
監督:ロジャー・ミッシェル 『ノッティングヒルの恋人』
製作:ケヴィン・ローダー 音楽:ジョージ・フェントン
出演:エリザベス2世、フィリップ王配、チャールズ皇太子、ウィリアム王子、ジョージ王子、ダイアナ元妃、ザ・ビートルズ、ダニエル・クレイグ、マリリン・モンロー、ウィンストン・チャーチル ほか
2021年/イギリス/カラー/90分/英語/5.1ch/ビスタ/日本語字幕:佐藤恵子/字幕監修:多賀幹子/原題:Elizabeth: A Portrait in Part(s)
後援:ブリティッシュ・カウンシル
配給:STAR CHANNEL MOVIES
© Elizabeth Productions Limited 2021
公式サイト elizabethmovie70.com
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