気鋭の製作・配給会社「A24」が北米配給権を獲得した衝撃の話題作『LAMB/ラム』が9月23日(金・祝)より新宿ピカデリーほかにて全国公開。このたび、画家・絵本作家のヒグチユウコと、グラフィックデザイナーの大島依提亜によるオルタナティブポスターが解禁された。また、本作への各界著名人からの絶賛コメントが到着した。
映画『LAMB/ラム』は、アイスランドの人里離れた田舎で暮らす羊飼いの夫婦が、羊から産まれた“羊ではない何か”を育てていく禁断のネイチャー・スリラー。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などの特殊効果を担当したヴァルディミール・ヨハンソンの長編監督デビュー作で、アイスランドの作家・詩人として知られ、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の歌劇脚本や『ライトハウス』のロバート・エガース監督待望の新作「The Northman(原題)」でも脚本を手掛けるショーンがヨハンソンと共同で脚本を執筆するなど新進気鋭の作家たちにより制作された。そして『プロメテウス』、『ミレニアム』シリーズで知られるノオミ・ラパスが主演・製作総指揮を務める。
このたび解禁されたオルタナティブポスターは、画家・絵本作家のヒグチユウコと、本作の日本版ビジュアルのデザインを手掛けた、グラフィックデザイナーの大島依提亜によるもの。映画ファン待望の本コラボレーションは、今回もそれぞれの感性が光る、美しいポスタービジュアルに仕上がっている。
ヒグチユウコが描き下ろしたポスターは、羊から生まれた羊ではない“何か”=アダを中心に、生い茂るツタの中に、羊の角が掲げられている作品だ。葉脈に至るまで、ヒグチユウコならではの繊細な描き込みで驚異的な美しさを表現した絵画を、大島依提亜が見事にポスターへ落とし込んだ。
対して、大島依提亜がデザインしたポスターは、モノトーンを基調とし、ノオミ・ラパス演じるマリアとアイスランドの大地が大胆にレイアウトされている。山々に微かに彩られたピンクとグリーンのグラデーションも印象的だ。
さらに、ヒグチユウコ、大島依提亜に加えて一足先に本作を鑑賞した多数の著名人から絶賛コメントが到着。小説家やミュージシャン、アニメーション監督などのクリエイターたちに加え、羊が登場する本作にちなみ、羊モチーフのアイドルグループ「#YOYOYO」の由良ゆらや、「RaMuがLAMB観ないでどうすんだ!」と語るタレントのRaMuなど、本作ならではの多彩な顔ぶれとなっている。
『セノーテ』などの映画作家・小田香はタル・ベーラ監督が指揮するフィルムファクトリー在学時に、本作の監督ヴァルディミール・ヨハンソンと同級生であったことからコメント寄稿が実現した。コメント一覧・全文は以下の通り。
『LAMB/ラム』は9月23日(金・祝)新宿ピカデリーほか全国公開。
著名人コメント(※敬称略・順不同)
ヒグチユウコ(画家)
ホラーにジャンル分けするべきなのか?としばし考えたのですが、やはりホラーだ。と結論に至りました。
大島依提亜(アートディレクター)
頭と体、それから心。三つがねじれてソワソワするけど、結局みんなアダちゃんにメロメロ。
小島秀夫(ゲームクリエイター)
アイスランドの無垢な大自然と不穏な白夜。飼い犬。飼い猫。3人の登場人物。そして羊。他にも“何か”がいる?
台詞と説明を排除した演出が、我々を白濁した恐怖の“澱”に閉じ込める。最後に明かされる白日夢の“かたち”は、観る者によって解釈は異なる。ただ胎内に入り込んだ“説話”は消化出来ず、何度も繰り返し咀嚼する事になる。
観客を反芻動物(LAMB)に変えてしまう映画。
木下麦(アニメーションディレクター/イラストレーター)
『人並みの幸せを手にしたかった』いたって自然な欲望を持つ夫婦の生活は徐々に不穏さを纏っていきます。
クライマックスで「あっ!」と声が漏れた。この世の摂理を見せつけられた。
是非、劇場で確認してほしいです。
塩塚モエカ(羊文学)
奇妙な設定とは対照的に、リアルに描かれる親たちの感情。
こんなに型破りな親子の物語は今までに見たことがありません。
夏目知幸(ミュージシャン)
反芻せよと羊が僕に訴える。拒みたい。眠れなくて君を数えたのに、繰り返せと君が言うのか。そういう悪夢から目覚めたあとの、疲れのような、解放のような、映画だった。
KIKI(モデル)
どんな状況であれ 子を授かることは
天使の贈り物と思ってきた
その存在は 柔らかく愛おしく
なにより手を差し延べるべき存在
誰が見捨てようか 彼らが迷うことなく
受け入れたように きっと私も
恐れながらも同じように受け入れただろう
しかしこれは天使の贈り物ではなかった
天使の物よりもずっとずっと魅惑的な
悪魔の贈り物だった
乙一(作家)
神話のようでもあり、聖書のようでもあり、おとぎ話のようでもある。
物語の原型をそのまま提示されたかのような、不純物の存在しない静謐な映画。
不気味で、おぞましく、美しい。
平山夢明(作家)
辺境の地で絶えざる哀しみに身を焼く夫婦のもとに訪れたのは『異形のキリスト』だった。彼がふたりに与えるのは福音かそれとも更なる煉獄か――。アイスランドを舞台に展開される諸星大二郎的神話ホラーの秀作!
樋口毅宏(ハードボイルド育児作家)
捻れた狂気に笑うしかない! 近年、アイスランド映画は底意地の悪い傑作を世界に発信し続けてきたが本作はその決定打だ。一見シンプルなストーリーに深淵を覗いたとき、見世物小屋が「人間の罪」という絶望を放つ。
美輪和音(作家)
大自然の中で育つアイスランドのラムはクセがないらしい。
だが、この映画はクセになる。
恐ろしいのは異形のものより、人間の傲慢さ。
人が侵してはならない領域を突きつけられた気がした。
深緑野分(作家)
とにかくアダが愛おしく、幸せを願わずにはいられなくなる。家族の物語であり、喪失を埋めようとする生き物の強欲さ、奪い合いの暴力を描いた物語でもある。斬新だが普遍的な作品だ。
由良ゆら(#よーよーよー ピンク色担当)
非現実的で不思議なことがとても現実的に描かれていて、途中までの幸せそうなお話と最後のギャップがびっくりして恐怖を感じました。でもアダがかわいくて、羊がモチーフの私たちだからちょっと似ているかなと思ったり…次はメンバーと見てみたくなりました!
RaMu(タレント/YouTuber)
RaMuがLAMB観ないでどうすんだ!
白夜と不気味な生命体。ほとんどセリフの無い不穏な空気。人がジワジワ不快に思う要素盛りだくさん!
見終わった後、考えれば考えるほど自分の中で作品の捉え方が変わってくる感覚がかなり心地いい。
ノオミ・ラパスはこの手の映画が似合うなぁ。
小田香(映画作家)
サラエボで共に3年間学んでいた間、ヴァルディは辛抱強くひとつの映画に取り組んでいた。
あの頃から10年、その作品がついに完成し日本にやってきた。
劇中、ヴァルディの故郷であるアイスランドの広大な自然に意思さえ感じる。
それは人知を超え、アダ(子羊?)をもたらし、人間たちを翻弄する。
LAMB/ラム
2022年9月23日(金・祝)新宿ピカデリーほか全国公開
STORY
山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァルとマリア。ある日、二人が羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。子供を亡くしていた二人は、"アダ"と名付けその存在を育てることにする。奇跡がもたらした"アダ"との家族生活は大きな幸せをもたらすのだが、やがて彼らを破滅へと導いていく—。
監督: ヴァルディミール・ヨハンソン
脚本: ショーン、ヴァルディミール・ヨハンソン
製作: ノオミ・ラパス、マーシン・ドラビンスキ、ヘルギ・ヨハンソン
出演: ノオミ・ラパス、ヒルミル・スナイル・グズナソン、ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン
2021年/アイスランド・スウェーデン・ポーランド/カラー/シネスコ/アイスランド語/字幕翻訳:北村広子/原題:LAMB/106分/R15+
配給:クロックワークス
提供:クロックワークス オディティ・ピクチャーズ
©️2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST, CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JÓHANNSSON
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