7月の公開後全国で上映された、チェコ・ヌーヴェルヴァーグの巨匠フランチシェク・ヴラーチル監督による1967年の映画『マルケータ・ラザロヴァー』が、11月12日(土)〜18日(金)に東京・下高井戸シネマにて再度上映され、12日(土)にはチェコ文学者の阿部賢一によるイベントが開催されることが決定した。

映画化不可能と言われた革新的な原作小説をいかにして映像化したのか?

13世紀ボヘミア王国を舞台に宗教と部族間の抗争に翻弄される少女マルケータを描いた本作は、『アンドレイ・ルブリョフ』(アンドレイ・タルコフスキー監督)、『七人の侍』(黒沢明監督)などと並び称され、1998年にはチェコの映画批評家とジャーナリストを対象にした世論調査で史上最高の映画に選出された。

制作におよそ10年、かつてない規模の予算をかけ極寒の山奥で生活しながら548日間にもわたる撮影を行った、二度と作ることのできない空前の超大作の原作はヴラジスラフ・ヴァンチュラによる1931年発表の同名小説。 1920年代のチェコ・アヴァンギャルドを牽引した前衛芸術家集団「デヴィェトスィル」の創設メンバーでもあったヴァンチュラは、反ヒトラー運動に参加したことで、1942年にゲシュタポによって処刑された。

チェコ文学では揺るぎない位置を占め、今なお読み継がれる傑作でありながらも、“映画があまりにも独創的であったため、単なる「歴史小説」として誤解されることもあった(『マルケータ・ラザロヴァー』パンフレットP48より)”という原作小説『マルケータ・ラザロヴァー』。12日(土)に行われるイベントでは、未邦訳の本作はどんな作品なのか、またその革新性はどのように映画に反映されているのか、チェコ文学者の阿部賢一がトークを繰り広げる。イベント概要、上映情報は以下にて。

イベント概要

日時:11月12日(土)19:20の回上映終了後
会場:下高井戸シネマ
ゲスト:阿部賢一(チェコ文学者)

阿部賢一プロフィール
1972年東京生まれ。東京大学准教授、チェコ文学者、翻訳家。著書に『複数形のプラハ』『カレル・タイゲ ポエジーの探究者』など。訳書にチャペック『白い病』『マクロプロスの処方箋』など。

上映情報

下高井戸シネマ
11月12日(土)〜18日(金)19:20〜

作品情報

マルケータ・ラザロヴァー

STORY
13世紀半ば、動乱のボヘミア王国。修道⼥となることを約束されていた少⼥マルケータは、領主とは名ばかりの⽗・ラザルと敵対する盗賊騎⼠コズリークの息⼦・ミコラーシュと恋に落ちる。彼⼥の⼼とは裏腹に、増⼤する王権に対抗するふたつの⽒族間の衝突は激化していき……

1967年/チェコ/166分/モノクロ/シネマスコープ/モノラル/DCP/原題:Marketa Lazarová

監督・脚本:フランチシェク・ヴラーチル/原作:ヴラジスラフ・ヴァンチュラ/脚本:フランチシェク・パヴリーチェク/撮影:ベドジフ・バチュカ/美術・⾐装:テオドール・ピステック/⾳楽:ズデニェク・リシュカ/出演:マグダ・ヴァーシャーリオヴァー、ヨゼフ・ケムル、フランチシェク・ヴェレツキー、イヴァン・パルーヒ、パヴラ・ポラーシュコヴァー
提供:キングレコード/配給・宣伝:ON VACATION/後援:チェコセンター東京

© 1967 The Czech Film Fund and Národní filmový archiv, Prague

公式サイト http://marketalazarovajp.com/

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