エッフェル塔設計に挑んだギュスターヴ・エッフェルを仏人気俳優ロマン・デュリスが演じる『エッフェル塔~創造者の愛~』が3月3日(金)より全国公開。このたび、ギュスターヴ・エッフェルが「300メートルの金属の塔をパリの真ん中に造る」という当時としては極めて異例な建築物への挑戦を宣言するシーンの本編映像が解禁された。
本作は、フランス・パリにある誰もが知る世界遺産エッフェル塔の完成に挑戦したギュスターヴ・エッフェルの成功の裏に秘められたある女性への秘められた想いを、情熱的かつ大胆に創作したヒューマン・ラブストーリー。エッフェルを演じるのは、日本映画リメイク版『キャメラを止めるな!』のほか、『真夜中のピアニスト』や『タイピスト!』でも印象的な演技を残すロマン・デュリス。監督は、新型コロナウィルス感染拡大後のヨーロッパ映画としては最大規模の超大作「三銃士」映画化の監督に抜擢されたマルタン・ブルブロン。
今回解禁された本編映像は、あるパーティーで大臣がギュスターヴ・エッフェル(ロマン・デュリス)に対して、3年後に控えたフランスのパリ万国博覧会のモニュメントのアイディアを尋ねるシーンから始まる。
アメリカの独立100周年を記念した「自由の女神」建設など、数々の成功により名声を手にしているギュスターヴ。次に求められたのは、フランス革命100周年を記念してパリで開催される万国博覧会において、“石造りの柱”よりももっと目玉となるシンボルの建設だった。
もっと実用的な地下鉄に興味を持っていたギュスターヴだったが、友人の妻であり、ギュスターヴと意味ありげに視線を交わし合うアドリエンヌ(エマ・マッキー)が焚きつけるように発言した「野心作を」という言葉をきっかけに、何かを決意した表情を浮かべる。そして、「300メートルの金属の塔」という突飛なアイディアをアドリエンヌの目を見つめながら口にする。さらにギュスターヴは「ただし条件が――パリの真ん中に造る」と宣言。パーティーの席が水を打ったように静かになることで、このアイディアがいかに現実離れした、前人未踏の挑戦なのかが分かるシーンで映像は終わる。
このギュスターヴ・エッフェル、生涯で手掛けた建築物は、フランスをはじめヨーロッパ各地はもちろんのこと、アメリカや東南アジア、さらには南米にまで及ぶことは、あまり知られていない事実。
例えばヨーロッパでは1877年に開通された当時つり橋を除けば世界一長いスパン橋梁を誇ったポルトガルの「マリア・ピア橋」、ガラス張りの駅舎が美しく現在もターミナル駅として人々の生活を支えるハンガリーの「ブダペスト西駅」、旧市街を結ぶえんじ色の鉄橋が観光スポットとなっているスペインの「旧魚屋橋」など、各地で見どころの多い建造物が並ぶ。
また、アメリカでは誰もが知る世界遺産のひとつ、「自由の女神」を手掛けたこともギュスターヴの経歴では見逃せない功績といえる。さらに、ベトナムにはパリのオルセー美術館(当時は駅舎)をモデルにしたと言われるほど美しく、かつ現役の郵便局として利用されている「サイゴン中央郵便局」。また、ペルーには南部タクナにある「タクナ大聖堂」のほか、アマゾン川上流にある町・イキトスには1890年完成の当時では最高級素材のひとつである錬鉄を使ったアメリカ大陸初のプレハブ住宅「鉄の家」など、フランスから遠く離れた土地にもギュスターヴの建築物は存在している。
ギュスターヴが設計を手掛けたものは駅舎ホールやチャペル構造、鉄橋(鉄道高架橋、可動橋ほか)や天文台の丸天井など多岐にわたり、現在も人々の生活に根付いた建物も多い。没後100年を迎える今年、改めて彼の偉業に注目してみよう。
『エッフェル塔~創造者の愛~』は3月3日(金)より全国公開。
エッフェル塔~創造者の愛~
2023年3月3日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
STORY
アメリカ〈自由の女神像〉の制作に協力したことで大いなる名声を獲得した、ギュスターヴ・エッフェル(ロマン・デュリス)。世間では3年後の1889年に開催される「パリ万国博覧会」の話題でもちきりだった。そのシンボルモニュメント制作のコンクールには全く興味のなかったエッフェルだが、パーティーの席で大臣から強く参加を要請される。さらに、久しぶりに再会した友人で記者のアントワーヌ・ド・レスタック(ピエール・ドゥラドンシャン)の妻・アドリエンヌ(エマ・マッキー)から「大臣と同感です。ぜひ見てみたい。野心作を」と言われたエッフェルは突然、「ブルジョワも労働者も皆が楽しめるように、パリの真ん中に300mの塔をすべて金属で造る」と宣言する。実は初対面のふりをしたレスタックの妻は、エッフェルにとって忘れられない女性だった――。
出演:ロマン・デュリス、エマ・マッキー、ピエール・ドゥラドンシャン、アルマンド・ブーランジェ、ブルーノ・ラファエリ
監督:マルタン・ブルブロン 脚本:カロリーヌ・ボングラン 音楽:アレクサンドル・デプラ 編集:ヴァレリー・デシネ 美術:ステファン・タイアゾン
2021年│フランス・ドイツ・ベルギー│フランス語│108分│シネスコ│字幕翻訳:橋本裕充│R15
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
© 2021 VVZ Production – Pathé Films – Constantin Film Produktion – M6 Films
公式サイト eiffel-movie.jp
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