A24注目の新星シャーロット・ウェルズ監督の初長編作品『aftersun/アフターサン』が5月26日(金)より公開。このたび、彗星の如く現れ本作の主人公・11歳の少女ソフィを演じた次世代スターの原石、フランキー・コリオの名演シーンの本編映像が解禁された。
本作は11歳のソフィが父親とふたりきりで過ごした夏休みを、その20年後、父親と同じ年齢になった彼女の視点で綴る物語。2022年カンヌ国際映画祭・批評家週間での上映を皮切りに評判を呼び、話題作を次々と手がけるスタジオA24が北米配給権を獲得。昨年末には複数の海外メディアが「ベストムービー」に挙げ、毎年映画ファンが注目するオバマ元大統領のお気に入り映画にも選出されるなど、本年度を代表する1本となった。監督・脚本は、瑞々しい感性で長編デビューを飾ったスコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ソフィ役には半年にわたるオーディションで800人の中から選ばれた新人フランキー・コリオ。愛情深くも繊細なカラムには、ドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクし、本作でアカデミー賞®主演男優賞にノミネートされたポール・メスカル。
スコットランド出身でサッカーが大好きなコリオは、オーディションの結果ポール・メスカル演じるカラムの娘、ソフィ役を勝ち取った。ビデオオーディションに参加したのは800人。その後対面で行われたキャスティングセッションで、彼女は新人ながら見事大抜擢されスクリーンデビューを飾ることに。
本作のプロデューサーに名を連ねるバリー・ジェンキンス監督の『ムーンライト』で、無名の俳優達をキャスティングし大成功を収めた製作会社パステルは、その経験を生かし半年にわたって理想の“ソフィ”を探し求めた。キャスティングの流れとして、先にソフィ役を選んだという制作チーム。コリオに対する印象について、シャーロット・ウェルズ監督は「驚くことに、最初から自分自身をソフィというキャラクターに投影した演技を出来ていたんです。並外れた才能の持ち主だと思います」と振り返る。
撮影中コリオには脚本では無くセリフだけが書かれたものが渡され、それは演技経験のない彼女の姿をより自然体に捉えるためのものだったというが、今回解禁された映像で映し出されるのは隣同士ビーチチェアやトルコ式公衆浴場と呼ばれるハマムでくつろぐ若い父娘、“私たちは同じ空で繋がっている“とカラムに語りかけるソフィの優しい声だ。「離ればなれだけど、そばにいるのと同じ」、「同じ空の下にいるなら一緒と同じ」と、別々に暮らす父への恋しさや寂しさと共に、強い絆で結ばれていることを感じさせるセリフが続く。
また、冒頭にはウェルズ監督が影響を受けた監督の一人に名前を挙げている、ソフィア・コッポラ監督作『SOMEWHERE』を彷彿とさせるシーンも。青に囲まれたプールの中で写真を撮り合う2人は、まるでスティーヴン・ドーフとエル・ファニングが水中でお茶を飲むジェスチャーをして楽しむ姿のように見える。
撮影当時12歳だったエル・ファニングは、高級ホテルに暮らすハリウッドスターの父と一夏を過ごす少女を演じた。12歳といえば、ナタリー・ポートマンが『レオン』のマチルダ役のオーディションを受けた年でもある。そして、ソフィ役のフランキー・コリオは11歳にして鮮烈な印象をスクリーンに刻んだ。ファニングやポートマンが子役として映画史に名前を残し、現在もその存在感を世界に放っているように、きっとフランキー・コリオという女優が時代を席巻する未来も到来するであろう。
実際にその兆しは早くもあらわれており、ロンドン映画批評家協会賞のブリティッシュ/アイリッシュ新人俳優賞にノミネートされ式に出席したコリオは、同席していたケイト・ブランシェットから「新星」と呼ばれ、フローレンス・ピューやミシェル・ヨーなどそうそうたる俳優陣と肩を並べ写真に収められている。
今一番フレッシュで、今後の活躍に期待をされる大型新人。その成長をまずは本作から見守ってみよう。
『aftersun/アフターサン』は5月26日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国公開。
aftersun/アフターサン
2023年5月26日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国公開
STORY
11歳の夏、思春期のソフィ(フランキー・コリオ)は、離れて暮らす31歳の父親・カラム(ポール・メスカル)とトルコのひなびたリゾート地にやってきた。輝く太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、ふたりは親密な時間をともにする。20年後、カラムと同じ年齢になったソフィは、ローファイな映像のなかに大好きだった父の、当時は知らなかった一面を見出してゆく……。
監督・脚本:シャーロット・ウェルズ(初長編監督作品)
出演:ポール・メスカル(ドラマ「ノーマル・ピープル」『ロスト・ドーター』)、フランキー・コリオ、セリア・ロールソン・ホール
プロデューサー:バリー・ジェンキンス(『ムーンライト』)ほか
原題:aftersun/2022年/イギリス・アメリカ/カラー/ビスタ/5.1ch/101分/映倫:G
字幕翻訳:松浦美奈
配給:ハピネットファントム・スタジオ
© Turkish Riviera Run Club Limited, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute & Tango 2022
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