『勝手にしやがれ』などで世界的に知られるフランス俳優ジャン=ポール・ベルモンドが2021年9月6日死去したことが発表された。享年88。

これは彼の弁護士が仏メディアに向けて発表したもの。パリの自宅で88歳で亡くなったというが死因は明かされていない。ベルモンドは2001年に脳卒中に見舞われたが、その後も俳優活動は続けていた。11年にカンヌ名誉パルムドール、19年にレジオンドヌール勲章などを受けている。
芸術家の両親のもとに生まれ、57年に映画デビュー。59年に主演したジャン・リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』はヌーベルバーグを代表する名作として今も評価が高い。ゴダール監督とは65年『気狂いピエロ』でもコンビを組んで成功を収めた。
Embed from Getty Images『気狂いピエロ』でジャン・リュック・ゴダール監督と
60年代は『いぬ』『リオの男』『ダンケルク』『カトマンズの男』『パリの大泥棒』『オー!』などアクション路線で人気を呼び、硬派なものからコミカルなものまで広い芸域と体を張ったアクションで、日本でも人気スターとなった。
同年代でやはりフランスが誇る俳優アラン・ドロンとは『ボルサリーノ』『ハーフ・ア・チャンス』などで共演。ほかに『冬の猿』『暗くなるまでこの恋を』『コニャックの男』『華麗なる大泥棒』『相続人』『薔薇のスタビスキー』『恐怖に襲われた街』『追悼のメロディ』『ライオンと呼ばれた男』(セザール賞主演男優賞)『レ・ミゼラブル』など数多くの作品で主演し、息の長い活躍を見せた。
日本では1992年に『シラノ・ド・ベルジュラック』の来日公演を行ったりしている。