北欧の鬼才ラース・フォン・トリアー監督の特集上映「ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ2023」がいよいよ明日7月7日(金)より期間限定公開。このたび、画家・絵本作家のヒグチユウコ&グラフィックデザイナー・大島依提亜による『ダンサー・イン・ザ・ダーク』日本版のオルタナティブポスタービジュアルが解禁された。またラース・フォン・トリアー作品への著名人の絶賛コメントが到着した。
世界を震撼させた伝説の北欧ホラーシリーズ最新作『キングダム エクソダス〈脱出〉』(7月28日公開)の日本公開を記念して開催される特集上映「ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ2023」では、初期作の『エレメント・オブ・クライム』(1984)から最新作である『キングダム エクソダス〈脱出〉』まで、39年間の軌跡を網羅した14作品が上映される。
このたび公開された『ダンサー・イン・ザ・ダーク』ポスタービジュアルは、画家・絵本作家のヒグチユウコが描き下ろしたイラストをグラフィックデザイナー・大島依提亜がデザインしたもの。アイスランドの歌姫ビョーク演じる主人公のセルマが孤独な監房の中、音を求めて換気口に耳を傾けるシーンやミュージカルシーンでも印象的な線路沿いの風景が描かれている。また、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』にむけて、オルタナティブポスターを手掛けた2人から熱いコメントも到着した。
ヒグチユウコは「不幸なのか幸せかなのか、ということを他人がおしはかれるものではない。」、大島依提亜は「あのラース・フォン・トリアーのトラウマ映画ということで、長らくずっと避けて通っていたのだけど、今回初めて拝見し、想像していたものよりも優しい視点で描かれた映画だなとまず思った。ただし、その優しさを率直に受け止めて良いものかどうか、昨今のこの映画にまつわる問題点と鑑みて、ずっと考え続けなければならない。」とそれぞれに『ダンサー・イン・ザ・ダーク』についてコメントを寄せている。
また、ラース・フォン・トリアーの作品に各界著名人より絶賛コメントが到着。「あなたが影響を受けたラース・フォン・トリアー作品」と題して、それぞれから以下のコメントが寄せられた。
「ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ2023」は7月7日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほかにて期間限定公開。
著名人コメント(全文)/敬称略・順不同
●小島秀夫/ゲームクリエイター
トリアーのことを誤解していたかも知れない。僕は『エレメント・オブ・クライム』からの、筋金入りのトリアー・ファンだ。しかし、こんなにもユーモアに溢れ、機知に富み、テンポとバランス良く観客を引き込む、サービス精神旺盛な映画人だったとは!『キングダム』には全ての要素が凝縮されている。だから、誰もが、この“キングダム”に囚われてしまう。そして、25年ぶりの続編公開でトリアーが仕掛けた迷宮から、僕らはやっと“エクソダス”出来る。いいや、あのトリアーが、そんなに簡単に僕らを解放するだろうか? それは観てのお楽しみ。
●二村ヒトシ/アダルトビデオ監督
自分がおかしいせいで生きづらいと感じてる皆さん、ぜひ『メランコリア』を観てください。
セックスやエロに肯定的なフェミニストの皆さん、ぜひ『ニンフォマニアック』を観てください。vol.2の最後まで、きっと観てください。
この世って何かが変なんじゃないかと首をかしげながら生きてる皆さん、ぜひ『キングダム』三部作を観てください。あなたの謎が解けてしまいますから。
●SYO/物書き
あれは感性が発展途上だった十代の頃。
『ドッグヴィル』に心を食い荒らされ、
『メランコリア』に疎外感を肯定され…
以来、僕の創造の根幹に居座り続ける。
トリアー作品との遭遇は、改造に近い。
対象の魂の構造を永遠に変えてしまう。
未見者は覚悟を。これが映画の怖さだ。
●ジャガモンド斉藤/芸人・映画紹介人
忘れもしない中学1年生、ちょっと背伸びしようと観てしまった『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
人生にも物語にもバッドエンドがあることをこの映画で知ってしまった。
観たいものを好きに選べるこの時代に、なるべく多くの人がラース映画を“観てしまう"ことを願います。
●宮岡太郎/映画監督・映画レビュアー
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を観て、
登場人物が直面する想像を絶する受難と、その果てにたどり着く極限の結末に呆然となったあの日。
永遠に心に残り続ける壮絶な映像体験を求めて、私はラースの作品を見続けてしまう。
●玉城ティナ/女優・モデル
『ハウス・ジャック・ビルト』を劇場で観たとき、この監督の作品を好きだと教える人は選ぼうと思いました。笑
十代の頃、最も、といっていいほど影響を受けた作品は『ドッグヴィル』です。
賛否はあるでしょうがやりたい事をやる、そんなシンプルな監督が、愛おしいです。
●山崎まどか/コラムニスト
(『メランコリア』に寄せて)
一晩中続く悪夢のような結婚式!
自分が沈んでいく水底に世界ごと引きずりこむオフィーリア的ヒロイン!
絶望した人間のビジョンをこんなにも美しく見せた映画は他にない。
ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ2023
2023年7月7日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほかにて期間限定公開
【上映作品】
- エレメント・オブ・クライム【4Kデジタル修復版】(1984年/103分/デンマーク)
- エピデミック~伝染病【4Kデジタル修復版】(1987年/106分/デンマーク)
- ヨーロッパ【4Kデジタル修復版】(1991年/107分/デンマーク)
- 奇跡の海【4Kデジタル修復版】(1996年/158分/デンマーク)
- イディオッツ【4Kデジタル修復版】(1998年/114分/デンマーク、スウェーデン、フランスほか)
- ダンサー・イン・ザ・ダーク【4Kデジタル修復版】(2000年/140分/デンマークほか)
- ラース・フォン・トリアーの5つの挑戦【HDリマスター版】 ※日本劇場初公開(2003年/90分/デンマーク、スイスほか)
- ドッグヴィル【4Kデジタル修復版】(2003年/177分/デンマーク、イギリスほか)
- マンダレイ【HDリマスター版】(2005年/138分/デンマーク、イギリスほか)
- ボス・オブ・イット・オール【HDリマスター版】※日本劇場初公開(2006年/99分/デンマーク、スウェーデンほか)
- アンチクライスト(2009年/108分/デンマーク)
- メランコリア(2011年/135分/デンマーク、スウェーデンほか)
- ニンフォマニアック Vol. 1 【ディレクターズカット完全版】※日本劇場初公開(2013年/147分/デンマーク)
- ニンフォマニアック Vol. 2 【ディレクターズカット完全版】※日本劇場初公開(2013年/177分/デンマーク)
※追加決定:ノクターン ※日本劇場初公開(1980年/8分/デンマーク)
※上映スケジュールの詳細は、各上映劇場のホームページにて発表
配給:シンカ
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