1993年カンヌ国際映画祭にて中国語映画として史上初めてパルム・ドールを受賞したチェン・カイコー監督作『さらば、わが愛/覇王別姫』が4K版で鮮烈によみがえる『さらば、わが愛/覇王別姫 4K』がいよいよ7月28日(金)より公開。このたび、WEB限定新ビジュアルと本作の名場面が思い出される場面写真が追加解禁。さらに、大九明子監督、歌舞伎俳優の中村壱太郎、小説家の李琴峰らより本作への思い溢れる絶賛コメントが到着した。
本作は、中国映画界第5世代の名匠チェン・カイコー監督が、京劇の古典「覇王別姫」を演じる2人の京劇俳優の愛憎を、1925年から文化大革命時代を経て50年に渡る中国の動乱の歴史を背景に、圧倒的なスケールと映像美で描く一大叙事詩。1993年カンヌ国際映画祭にて最高賞のパルム・ドール受賞をはじめ、同年ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞受賞、NY批評家協会賞外国映画賞・助演女優賞(コン・リー)受賞、LA批評家協会賞外国映画賞受賞、米アカデミー賞外国語映画賞ノミネートなど世界中の映画祭で絶賛。特に女形の程蝶衣役を狂おしいほどの妖艶さで演じたレスリー・チャンに魅了される観客が続出した。
今回、世界で最初に日本にて4K版が公開されることを記念し、WEB限定の新ビジュアルが解禁(記事トップ画像)。京劇「覇王別姫」の上演前にレスリー・チャン演じる程蝶衣(チョン・ティエイー)がチャン・フォンイー演じる段小樓(トァン・シャオロウ)の顔に化粧を施す場面を切り出し、幼い頃から支え合って成長してきた二人の絆、そして程蝶衣の秘かな思いを感じさせるデザインとなっている。またレスリー・チャンのクレジットの脇には、役名のイメージだけでなく、実際レスリー没後の回顧展に「蝶」が現れるなど、レスリーに縁のある「蝶」があしらわれた。
あわせて解禁となった場面写真は、程蝶衣の少年時代や、成長して虞姫を演じる妖艶な姿、段小樓と並んで笑顔を見せる程蝶衣など、レスリー・チャンの様々な表情が蘇る。
さらに、映画監督の大九明子、歌舞伎俳優の中村壱太郎、芥川賞作家の李琴峰、映画評論家の暉峻創三らより、本作への思い溢れるコメントが到着。大九明子監督は「サントラを持っている。劇場での興奮そのまま渋谷のWAVEに駆け込んでゲットしたっけ。あの調べが聞こえると、トァンとチョンが目の前に現れるけれど、やはり何度だって劇場で観たい映画。」と当時を振り返る。
歌舞伎俳優の中村壱太郎は「修行とは、芸とは、生きるとは、宿命を背負い、「性」を越えて表現する。蝶衣は、二度と繰り返してはいけない歴史の中で、藝術として生きた。その激動がこの映画の中にある。」と女方を演じる役者としての思いも感じるコメントを寄せた。
また2021年「彼岸花が咲く島」で芥川賞を受賞した小説家の李琴峰は「歴史の濁流が狂い出す時、愛も恩義も理想も夢も命も、あらゆる物事がかくも軽く映るのかと胸を締め付けられる。時を越えて蘇る名作にただただ打ちのめされ、言葉を失う。」と絶賛。著名人のコメント一覧・全文は以下にて。
レスリー・チャン(張國榮)没後20年、さらに映画公開30周年にあたる今年、いまなお世界中を魅了し続ける伝説の傑作が4Kでよみがえる『さらば、わが愛/覇王別姫 4K』は7月28日(金)角川シネマ有楽町、109シネマズプレミアム新宿、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国順次上映。
著名人の絶賛コメント(五十音順・敬称略)
時代に呑まれ、狂わされ。
動乱の世を生きる二人の愛憎が交差する、詩的で壮大なクィア・エピック。
儚く妖艶なレスリー・チャンの姿が鮮烈で、未だに心を奪われたままだ。
■ISO(ライター)
サントラを持っている。劇場での興奮そのまま渋谷のWAVEに駆け込んでゲットしたっけ。あの調べが聞こえると、トァンとチョンが目の前に現れるけれど、やはり何度だって劇場で観たい映画。
■大九明子(映画監督)
レスリー・チャンが狂おしいほど妖艶で、残酷なほどに美しい。時代と運命に翻弄されていく人々の姿は、今でも脳裏に焼き付いて離れません。それほど衝撃的な作品です。
■熊江琉衣(モデル・タレント)
生涯忘れられないシーン、というのがある。蝶衣の幸せと苦悩。絶頂と奈落。全てが凝縮されたラストの一瞬は、私の心に傷を残した。その痛みの意味を知った時、私は少し大人になれたのだと思う。
■段文凝(早稲田大学非常勤講師&コメンテーター)
あの時代だからこそ存在する人間の動きや雰囲気が凄く考えさせられる。現代ならば、小豆と石頭はこんなに回り道をしなくて済んだはず。時代に恵まれた事を改めて実感した。
■中国女子の呟き(インフルエンサー)
中国、香港、台湾の合作など非常識だった時代に、各々の地の最高の映画人たちが手を携えた。これ1本で新しい歴史を作るのだという煮えたぎるような意志が、あらゆるショットに漲っている。
■暉峻創三(映画評論家)
修行とは、芸とは、生きるとは、宿命を背負い、「性」を越えて表現する。蝶衣は、二度と繰り返してはいけない歴史の中で、藝術として生きた。その激動がこの映画の中にある。
■中村壱太郎(歌舞伎俳優)
激動の中国における京劇という、それだけでも興味を惹かれる世界を描いた映画なのに、その中には、古い価値観と新しい価値観、ジェンダー観、イデオロギー、家族観、すべてにおいて二項対立では議論しきれない複雑さがあった。
■西森路代(ライター)
中国映画の金字塔とも評されるこの作品、本当に何度観ても味わいが尽きることがない!
もう5回繰り返し観ていますが、観るたび圧倒される。毎回噛み締めるように観ました。
日本の方は中国の近代史や戯曲知識を事前に知っておくと、この映画の素晴らしさが更に分かると思います。
■ヤンチャン/楊小溪(Youtuber)
己の力ではなす術がなく、
時代の流れに翻弄される人々の姿を天意と言うならば、
この試練はあまりにも過酷すぎる。
レスリーが麗しく舞い、傷ついて散る。
魂の権化、蝶のように。
■結城らんな(ライター)
歴史の濁流が狂い出す時、愛も恩義も理想も夢も命も、あらゆる物事がかくも軽く映るのかと胸を締め付けられる。時を越えて蘇る名作にただただ打ちのめされ、言葉を失う。
■李琴峰(小説家)
さらば、わが愛/覇王別姫 4K
2023年7月28日(金)角川シネマ有楽町、109シネマズプレミアム新宿、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国順次上映
STORY
京劇の俳優養成所で兄弟のように互いを支え合い、厳しい稽古に耐えてきた2人の少年。成長した彼らは、程蝶衣(レスリー・チャン)と段小樓(チャン・フォンイー)として京劇の古典「覇王別姫」を演じるなど一躍スターに。女形の程蝶衣は覇王を演じる段小樓を秘かに愛していたが、娼婦の菊仙(コン・リー)と結婚してしまう。 やがて彼ら3人は激動の時代に苛酷な運命に翻弄されていく…。
監督:チェン・カイコー(陳凱歌)
キャスト:レスリー・チャン(張國榮)、チャン・フォンイー(張豊毅)、コン・リー(鞏俐)、グォ・ヨウ(葛優)
原題:覇王別姫|FAREWELL TO MY CONCUBINE
1993年/中国・香港・台湾合作/172分/ビスタ/5.1ch/字幕:戸田奈津子
配給:KADOKAWA
©1993 Tomson(Hong Kong)Films Co.,Ltd.
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