カルト的な人気を誇る鬼才ブランドン・クローネンバーグ監督の長編第3作『インフィニティ・プール』が4月5日(金)より全国公開。このたび、死刑を執行される自分自身を見つめるアレクサンダー・スカルスガルドの世にもおぞましい死刑執行シーンが解禁となった。さらに、本作を一足先に鑑賞した各界著名人からのコメントが到着。そして、今週末より池袋HUMAXシネマズにて、監督の父親デヴィッド・クローネンバーグ監督の特集上映が決定した。
裕福な若い夫婦が訪れた美しいリゾート地“リ・トルカ島”。その国では、観光客はどんな犯罪を起こしても大金を払えば自分のクローンを作ることができ、そのクローンを身代わりとして死刑に処すことで罪を免れることができるという身の毛もよだつ残酷なルールが存在していた……。『パラサイト 半地下の家族』の配給会社NEONが製作を手掛けた本作は、『ターザン:REBORN』「ビッグ・リトル・ライズ」のアレクサンダー・スカルスガルドと『Pearlパール』で大ブレイクを果たしたミア・ゴスが初共演し、全米スマッシュヒットを記録。本国ではスランプに陥り徐々に堕落していく作家ジェームズを演じたスカルスガルドの体当たりの熱演と、そんな彼を奇妙で恐ろしい世界に誘う女、ガビ役のミア・ゴスによる怪演が大いに話題になった。
このたび解禁となった本編映像は、旅先のリゾート地で交通事故を起こしてしまい、死刑を宣告された主人公に死刑が執行されるシーン。だだっ広く薄暗い部屋の中、お腹の部分だけ丸くくり抜かれた服を着用し後ろ手に柱に縛り付けられたジェームズ。緊張感あふれる表情で固唾を飲んで見守る被害者遺族、そして加害者のジェームズと妻のエム。
ナイフを片手にした処刑人が被告・ジェームズに近づいていく。いつものクールな態度はかなぐり捨てて涙を流しながら身をよじり、必死に命乞いをする被告・ジェームズだったが、処刑人のナイフの切っ先は無残にも彼の腹部を…かつて見たことのない、なんともおぞましい死刑執行シーンだ。ジェームズはこの後どうなってしまうのか?
あわせて伊藤潤二、小島秀夫、ヒグチユウコ、竹中直人、大島依堤亜ら各界クリエイター・著名人らの推薦コメントが到着。コメント全文・一覧は以下のとおり(五十音順、敬称略)。
自分のクローンが処刑されるのを見せられるなんて。ああ、恐ろしい!しかし待てよ?・・処刑されたのは本当にクローンの方か?・・どちらにせよ恐ろしい。
――伊藤潤二(漫画家)
禁忌は厄介なことにすべて魅惑的なのだ。しかし禁忌はやはり踏み込んではならぬ。
この映画でそれを知り、魅惑に浸るだけにしてほしい。
――岩井志麻子(作家)
危ない目に遭いまくったり、自らその危険に身を投じたりする際に“命がいくつあっても足りない”と言いますが、足りないならば足せばいいという発想の転換。ただし足せば足すほど個々の命は軽くなる。そのあたりは監督のお父様が撮られた『クラッシュ』のアンサーだったりするのかな。
――大島依提亜(デザイナー)
オーマイガー!
休暇中の旅行者を地元民が襲う〝辺境の地ホラー〟と思いきや…そうきたか!
中盤で現れるまさかのSF要素とミア・ゴスのミア・ゴスっぷりを極めた演技に、もうワクワクが止まらない!人間の醜さと狂気を炙り出し、自他の境界線を溶かす〝インフィニティ・プール〟は、血で真っ赤に染まっている!
――こがけん(芸人)
ブランドンは、ジャンル映画の“淵”を破壊し、映画の“インフィニティ・プール”を現出させた。冒頭からラストまで、全く予想がつかない。コークスクリュー・コースターで、嘔吐と依存を繰り返しているようだ。リアルと夢の狭間を往復する酩酊感。何処までも生臭いアナログ感。喪失後に繰り返される、産まれ堕ちる恍惚感。犯罪を犯し、良心を侵し、リプレイする罪悪感。まさに底なし沼から抜け出せないビデオゲームの危うさにも似ている。これは、体と脳の“淵”を取り払った“インフィニティ・ホラー”だ。ブランドンの才能は、“インフィニティ(無限)”だった。
――小島秀夫(ゲームクリエイター)
たまらない映画を観てしまった…。ミア・ゴス!また新たな挑戦をしやがったなっ!!ほとばしるミア・ゴスの邪悪ないざない!堕ちろ!堕ちろ!堕ちろ!潰せ!潰せ!叩き潰せ!恐るべきブランドン・クローネンバーグ!すげ〜映画を観てしまった!!最高だぜっ!!!
――竹中直人(俳優・映画監督)
何がまともか。人間としての形を何が証明するのか。 自分が目の前にいたら、私は何と声をかけるだろう。
――玉城ティナ(俳優)
絶対に先が読めない展開!
全てが想像の斜め上をいく!
これぞクローネンバーグの血脈!!
――永江二朗(映画監督『リゾートバイト』)
万人にはお勧めしませんが
万人には勧められない作品のほうがお好きなひとにはぜひ観てほしい。
――ヒグチユウコ(画家)
クローネンバーグの倅が放った新世紀の阿呆宮!まるでセルロイドの味噌汁を吞まされたような目眩がするぜ!
――平山夢明(作家)
白昼夢の幻想か、二日酔いか。これぞ最低最高な地球の歩き方である!
――皆口大地(「ゾゾゾ」「フェイクドキュメンタリーQ」)
美しいリゾート地を陰惨な暴力が覆い尽くす。R18も納得しかない悪意の極致。父親のクローンではない、ブランドン監督自身の作風を確立している。
――人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)
インフィニティ・プールがそうであるように、自己とクローンも境目を失くし融和する。
そうしたアイデンティティの危機がなぜか心地よく、
定期的に自分を手放したくなる私にはあのラストシーンがとても羨ましく見えてしまった。
――野水伊織(映画感想屋声優)
また本作の公開記念として、池袋HUMAXシネマズではブランドン・クローネンバーグ監督の父デヴィッド・クローネンバーグ監督作品の特集上映が決定した。概要は以下のとおり。
【上映作品】
・3/22(金)~28(木) 『ビデオドローム 4Kディレクターズカット版』
・3/29(金)~4/4(木) 『クラッシュ 4K無修正版』
※どちらも2Kでの上映
【料金】 1,600円均一 ヒューマックスシネマポイントカード会員 1,300円
【場所】 池袋HUMAXシネマズ
『インフィニティ・プール』は4月5日(金)新宿ピカデリー、池袋HUMAXシネマズ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
インフィニティ・プール
2024年4月5日(金)新宿ピカデリー、池袋HUMAXシネマズ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本:ブランドン・クローネンバーグ『アンチヴァイラル』『ポゼッサー』 /製作:NEON
出演:アレクサンダー・スカルスガルド『ターザン:REBORN』、ミア・ゴス『Pearl パール』、クレオパトラ・コールマン『月影の下で』、トーマス・クレッチマン『タクシー運転手 約束は海を越えて』、ジャリル・レスペール『イヴ・サンローラン』
2023年/カナダ・クロアチア・ハンガリー合作 / 英語 / 118分 / R18+ / 原題:Infinity Pool / 日本語字幕:城誠子 / 配給:トランスフォーマー
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