第18回大阪アジアン映画祭で、観客賞と薬師真珠賞(俳優賞)をW受賞し、日本での劇場公開が待ち望まれていた台湾映画『本日公休』が9月20日(金)より全国順次公開。このたび主演のルー・シャオフェンから日本の観客へメッセージ動画が到着。あわせて著名人からのコメントも寄せられた。
本作は、作家、MV監督としても活躍するなど多彩な才能をもつ台湾の俊英フー・ティエンユー監督の劇場長編3作目。台中にある昔ながらの理髪店を営むアールイは、病の床に伏した常連客のために出張散髪に出発するが…。アールイと常連客、3人の子供たちとの心温まる物語は、理髪師の母親をモデルに、監督が脚本を執筆。台中の実家で実際に営んでいる理髪店で撮影を敢行し、3年の月日をかけて完成させた。
主人公アールイを演じたのは、台湾の名優ルー・シャオフェン。ワン・トン監督の『海を見つめる日』(83)で金馬奨最優秀主演女優賞を受賞、アン・ホイ監督の『客途秋恨』(90)で故郷への想いを抱く日本人女性を見事に演じ切った影后(映画の女王)が24年ぶりに銀幕に主演復帰。本物の理髪師さながらのハサミ捌きと、ブランクを感じさせない演技で、台北電影奨の最優秀主演女優賞、大阪アジアン映画祭 薬師真珠賞(俳優賞)を受賞した。
このたび、主演のルー・シャオフェンから、メッセージ動画が到着。舞台となった監督の実家の理髪店の前で、監督の母親が飼っている茶トラの猫を抱きながら「本作は、とても感動的で温かい作品ですのでぜひ劇場でご覧いただければ嬉しいです。台湾にも遊びに来てください!待ってますね」とメッセージを寄せている。
あわせて、著名人から絶賛コメントが到着。「日本で、どうしてこんな映画が作れないのだろう。」(映画監督 山田洋次)、「痛快を通り越して美しくさえある。愚痴の多い高齢者は必見。」(脚本家 内館牧子)、「今こそ、こういう感性、作品が必要な時代なのではないでしょうか。」(マンガ家・音楽家 久住昌之)などと絶賛のコメントが寄せられた。著名人コメント一覧・全文は記事下にて。
『本日公休』は、9月20日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開。台湾版ビジュアルのポストカード2枚セット付き前売券1,500円(税込)が、新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座で好評発売中。
著名人コメント(敬称略・順不同)
出演者とスタッフが心からの愛情をこめて
昔ながらの床屋さんの世界を描き切った。
日本で、どうしてこんな映画が作れないのだろう。
山田洋次(映画監督)
痛快な物語である。
実はそんなできごとは何ひとつ起こらないし、静謐な一編である。
快哉を叫びたくなるのは、高齢な主人公が徹底して自分の思いのままに生きる姿だ。
若者に取り入ろうとも思わず、何を言われようが思ったように生きる。
痛快を通り越して美しくさえある。愚痴の多い高齢者は必見。
内館牧子(脚本家)
ボクが今作りたい映画だと思った
監督の淡々とした静かな視線が素晴らしい。
ボクが原作をした漫画「孤独のグルメ」の作画を担当した谷口ジローさんの表現にも通じています。
ルー・シャオフェンさんをはじめ、役者陣の押さえた演技も、心に染み入りました。
今こそ、こういう感性、作品が必要な時代なのではないでしょうか。
久住昌之(マンガ家・音楽家)
正直、親切、笑顔、今日もていねいに。
このすべてがこの映画には詰まっている。
こうやって生きればいいと教えてくれている。
松浦弥太郎(エッセイスト)
時間はあっという間に過ぎるけど、思い出や記憶は
積み重なり人生に暖かさを添えていく。
日々に心配や不安はなくならない、
それでもこのまま思う通りに
まっすぐ行けばいいと教えてくれた気がした。
小谷実由(モデル)
危ない剃刀とハサミで大切な頭や顔を触られて平気なのは何故?
それは…さっぱりするから!
アジア映画のなかでも…「本日公休」は心や肌にしっくり来る嬉しい作品!
何故か懐かしい床屋さんを覗き込めば?
無意識のうちに私は誰かに連れられアールイさんの世界にいる。
アールイの後を浮遊する経験すれば…
あなたもしっくり?いやさっぱりすると思う………。
風吹ジュン(女優)
一人で理髪店を営む女将。その店の常連客、女将の家族。 淡々と過ぎてゆく日常。 女将の日記をゆっくりとめくっていくような、ノスタルジックな作品。 女将の愛車は私の愛車と同じく30年の月日を共にしている所が、共感できました。
伊藤かずえ(女優)
本日公休
2024年9月20日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
STORY
台中にある昔ながらの理髪店。女手ひとつで育て上げた3人の子供たちも既に独立し、店主のアールイは今日も一人店に立ち、常連客を相手にハサミの音を響かせる。息子の卒業式に出席するため整髪に来た紳士、親に内緒で流行りのヘアスタイルにして欲しいと懇願する中学生…。娘や息子に「こんな理髪店は時代遅れ」と言われても、40年続けた店と常連客を大切に想い、アールイは、せわしくも充実した日々を送っている。そんなある日、離れた町から通ってくれていた常連客の“先生”が病の床に伏したことを知ったアールイは、店に「本日公休」の札を掲げ、古びた愛車でその町へ向かうが…。
監督・脚本:フー・ティエンユー(傅天余) 製作:ウー・ニェンチェン(吳念真)、ウー・ミンシェン(吳明憲) 主題歌:「同款」ホン・ペイユー(洪佩瑜)
出演:ルー・シャオフェン(陸⼩芬)、フー・モンボー(傅孟柏)、ファン・ジーヨウ(⽅志友)、チェン・ボーリン(陳柏霖)、リン・ボーホン(林柏宏)
2023年|台湾|106分|カラー|1.85|5.1ch 原題:本日公休 英題:Day Off 字幕翻訳:井村千瑞
提供:オリオフィルムズ / 竹書房 / ザジフィルムズ 配給:ザジフィルムズ / オリオフィルムズ
協力:大阪アジアン映画祭 後援:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター
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