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6日間に及ぶアニメーションの祭典「第3回新潟国際アニメーション映画祭」が閉幕を迎え、最終日となる3月20日(木・祝)にクロージングセレモニーが行われた。優れたアニメーション制作スタジオに贈られる【大川博賞】、アニメーションの技術スタッフに贈られる【蕗谷虹児賞】の授賞式、そして映画祭の華・長編コンペティション部門の授賞式も行われ、グランプリには『ルックバック』(押山清高監督)が選ばれた。

写真後列左から:アリシア・パワー(『ペーパーカット』アソシエイトプロデューサー)/井上伸一郎フェスティバル・ディレクター/マヌエル・クリストバル/クリスティン・パヌシュカ/松本紀子/真木太郎ジェネラル・プロデューサー
前列左からエリック・パワー/押山清高/アダム・エリオット/ジョヴァンニ・コロンブ
「この作品の技術、ストーリーテリング、そして成熟度を高く評価したい」

最終日となる3月20日(木・祝)に行われたクロージングセレモニー。映画祭ジェネラル・プロデューサーの真木太郎は挨拶で、「大変多くのお客様に恵まれて、特にコンペティションの観客の多さにはびっくりしました」と第3回目となる映画祭の飛躍に驚きの声。

続いて中原八一新潟市長は「また来年も町中をアニメ一色で盛り上げていただけることを心から願っております。新潟市といたしましても、引き続き皆様と一緒になって漫画・アニメの街・新潟を国内外に向けて発信してまいります」と挨拶。

大川博賞、蕗谷虹児賞の授与の後、長編コンペティション部門の発表に。作品が発表されるたびに場内から歓声が上がる。グランプリは押山清高監督『ルックバック』が受賞した。

井上伸一郎フェティバル・ディレクターは「今回の映画祭はコンペ作品をはじめ、さまざまな作品が見られる大変楽しい映画祭になりました。毎年参加作品のレベルがどんどん上がっていて、とてもいい映画祭に成長したと思っております。映画祭は本日で終わりますけれども、改めて新潟の皆様の温かいおもてなし、心遣いに感謝いたします」と映画祭を締め括った。

なお映画祭の回数を重ねるにつれ、コンペティションノミネート作品の日本公開が増えており、すでに今回のノミネート作品の中から劇場公開予定の作品が4本登場している。今回傾奇賞を受賞した『かたつむりのメモワール』はトランスフォーマー配給で6月27日(金)より全国公開。また、『ボサノヴァ〜撃たれたピアニスト』は2ミーターエンタテイメント/ゴンゾ配給で4月11日より公開。さらに『リビング・ラージ』はクロックワークスが2025年公開を予定しており、『口蹄疫から生きのびた豚』はMARCHが配給権を獲得した。

受賞結果とコメントは以下のとおり。

長編コンペティション部門 受賞結果

<グランプリ> 『ルックバック』 監督:押山清高(日本/2024年/58分)
Ⓒ藤本タツキ/集英社 Ⓒ2024「ルックバック」製作委員会

【マヌエル・クリストバル審査員長コメント】
完璧なテンポと美しくレンダリングされたキャラクターたち。テーマの中にも、作り手にも新たな発見がある映画だ。
この作品の技術、ストーリーテリング、そして成熟度を高く評価したい。
この新鮮で、かつエキサイティングな監督の新作に期待が高まる。

【監督受賞コメント】
本当に多くのアニメーター、多くのスタッフに支えられてできた映画です。近年、AIでアニメーションが作れる時代になっていくだろうというニュースをまさに『ルックバック』を作っている最中に見ました。日本のアニメ業界は、多くのクリエイター集団が日々切磋琢磨して作り上げてきたその技術力を共有し合いながら作品を生み出しています。たぶん今後こういう技術の継承みたいなものは、これまでのような形では生き残ることが難しくなるのかもしれない。『ルックバック』のように隅々まで人の手で作り上げるということは、これからの時代ますます難しくなっていくだろうという思いもあって、この作品は僕の中でも、今の時点での記念碑のような気持ちで作っていました。人の手によって生み出されるプロセス、ヒストリーなどの価値は今後ますます高まっていくだろうと思っていますので、僕もアニメをこのままなるべく長く作り続けられるといいなと思っています。

<傾奇賞> 『かたつむりのメモワール』 監督:アダム・エリオット(オーストラリア/2024年/94分)
© Arenamedia Pty Ltd.

【マヌエル・クリストバル審査員長コメント】
感傷に流されることなく、繊細さと共感をもって、虐待され見捨てられた二人の子どもの物語に挑んだ見事なストーリーテリング。
精緻な技巧と細部へのこだわりが光る本作で、エリオット監督は力強く心を揺さぶるアニメーション寓話を生み出した。

【監督受賞コメント】
この作品は制作に8年かかりました。過去10ヶ月、いろんな国や地域を回ってこの作品のプロモーションを続けてきました。今回が最後の映画祭にもなるので、このような形で自分の冒険を終えられたことをものすごく嬉しく思っております。この10ヶ月、いろんなところでストーリーテリングの重要さ、インディペンデントアニメーションの重要さというものを語ってきました。今アニメーション業界は脅威にさらされています。一番大きな脅威と言えるのはAIだと思いますが、私の作品の一番最後に入れている言葉が“この作品は人間の手によって作られました”という文字です。一番いいストーリー、一番いい芸術というのは人間にしか作れないと思っています。この映画祭を通して新しい若いフィルムメーカーや学生たちがどんどん作品を作り続けてくれるのでは、という希望を抱いていますし、私たち全員が団結すればアニメーション業界も強くなるかなと思っているので、強くなって喜びや心の安堵を与えられるような作品をみんなで作り続けていきたいです。

<境界賞> 『バレンティス』 監督:ジョヴァンニ・コロンブ(イタリア/2024年/72分)

【クリスティン・パヌシュカ審査員コメント】
この美しくも先見的な作品は、圧巻の音響設計とともに、精緻なグラフィック表現とともに、観る者を悲劇的な物語の世界へといざない、唯一無二の映像体験を生み出している。
この独創的な映画は、大胆で、勇敢で、獰猛であり、『バレンティス』が世界中で発見され、称賛されることを願っている。

【監督受賞コメント】
とても嬉しく思っています。本当に皆さんありがとうございます。素晴らしい映画祭に来て、素晴らしい街を見て、街のいろんな優しい人たちと会って、貴重な体験で嬉しくてしょうがない気持ちです。

<奨励賞> 『ペーパーカット:インディー作家の僕の人生』 監督:エリック・パワー(アメリカ/2024年/87分)

【松本紀子審査員コメント】
インディペンデント・アニメーション制作の奮闘を、観客と共有する実に魅力的な旅を味わえる作品。
この誠実で温かみのある作品は、エリック・パワーの3人の息子たち、そして彼と共にアニメーション制作という素晴らしい道を歩んできた私たち全員にとって大切な、次世代に受け継がれるものとなるだろう。

【監督受賞コメント】
この作品は一人のアーティストとしてどのような過程を経ないといけなかったかという、アニメーターとしての苦戦を描いたものです。こちらの映画祭ではアニメーションキャンプも行っているので、若い人々に今後も制作を続けていく活力を与えられていればいいなと思いますし、私自身の作品も若い方々のインスピレーションになっていればいいなと思います。もちろんこの道はものすごく辛いものであり、いろんな人から却下されるようなこともありますが、たまに今日のように勝利を勝ち取ることもできます。ありがとうございました!

<マヌエル・クリストバル審査員長総評>
審査員長として、また、共に審査を務めたクリスティン・パヌシュカ氏、松本紀子氏を代表して、まずは、映画祭の主催者の皆さまに心より感謝申し上げます。温かいおもてなし、プロフェッショナリズム、そして、選び抜かれた世界各国からの12本の長編アニメーション映画という素晴らしいセレクション。本当にありがとうございました。

今年のラインナップは、実に多様性に富んでいました。新潟国際アニメーション映画祭に参加された皆さまは、国際的なアニメーション映画の現状、そして、ここに集まったプロデューサー、脚本家、監督たちが生み出した驚異的な作品を堪能されたことと思います。

私たちは、アニメーションこそが、最も大胆で、獰猛で、感動的で、そして心を揺さぶるストーリーを届けることができるものなのだと強く確信しています。そして、今回の受賞作品はまさにそれを体現するものです。アニメーションという形で作られた素晴らしい映画です。世界のどの映画祭においても受賞に値するものばかりです。

実を言うと、今回の4つの受賞作品を決定することは、意外にも難しくありませんでした。クリスティン・パヌシュカ氏のA-B-Cスコア方式という魔法のような評価システムに導かれたこともありますが、それ以上に、審査が始まった瞬間から、この4作品が際立っていたことは明らかだったからです。それぞれの作品が、その努力にふさわしい価値を持っていると確信しています。

作品の傾向について語るよりも、ここで私が伝えたいのは、インディペンデント・アニメーションが今、非常に活気づいているということです。それどころか、今やインディペンデント・アニメーションは、魅力的で、刺激的で知的で、そして無限の可能性を秘めています。どうか、これからも作品を作り続けてください。物語の新たな境界を切り拓き、世界を驚かせ続けてください。

皆さまの努力と、そして素晴らしい作品に、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

【大川博賞:シンエイ動画】

受賞コメント:梅澤道彦(シンエイ動画株式会社代表取締役社長)
選んでいただいた方々、それからシンエイ動画制作の映画を劇場でみていただいた観客の皆様のおかげでこの賞を頂けたと思っております。シンエイ動画は1976年に設立、来年でちょうど50年になります。一番有名な作品はドラえもん、クレヨンしんちゃんなどの映画ですね。一体何本作ったんだろうと数えましたら、短編も含めてこの49年間で120作品作っております。これからもこの賞を励みに、新潟の方々、日本全国の方、世界中の方に素敵なアニメをお届けできたらいいなと思っております。

【蕗谷虹児賞】
押山清高(作画)井上俊之(作画)木村絵理子(音響監督)林ゆうき(音楽)

受賞コメント:押山清高(作画)
今回は作画ということで顕彰いただいてありがとうございます。僕はアニメーターとして20年ぐらいこの業界にいるんですけれども、“蕗谷虹児賞”ということで、東映動画と関係ある蕗谷さんとは世代が離れてしまうんですけれども、僕もジブリでアニメーターとして仕事させてもらっていたので、少なからずその遺伝子みたいなものは僕の作画スタイルに受け継がれているのかなと思います。『ルックバック』は監督ではあるんですが、アニメーターとして映画全体の約半分、350カットくらいを描きました。『ルックバック』は絵描きが主人公の物語です。私自身が監督であり、いちアニメーターとして、自分自身が物語を体験するような作り方としてトライした作品です。

受賞コメント:木村絵理子(音響監督)
ちょっとトロフィーが重くてびっくりしました!この賞は音響チームにいただけた賞だと思っています。音響のスタッフ一人一人が(『ルックバック』の)藤野の背中に共通する努力を重ねてきました。それぞれの持ち場で、この映画におけるベストな音声を求めて、試行錯誤しながら積み上げ紡ぎ上げていった結果がこの音響だと思います。音響スタッフ一同励みになります。

受賞コメント:林ゆうき(音楽)
今までこういう賞をいただくことはなかったので、本当に驚いていますし、ありがたいことだと思っています。僕は音楽を作るという仕事をやっているだけで、映画というのは音響監督、音楽プロデューサーだったり素晴らしいミュージシャンの皆さん、後ろを支えてくれているスタッフ、いつも僕と一緒にいてくれている家族・・・たくさんの人の支えでできているものだと思っています。みんなの努力が実を結んで、こういう素晴らしい賞をいただくことができたと思っています。

(※井上俊之は欠席)

開催情報

第3回新潟国際アニメーション映画祭
2025年3月15日(土)~20日(祝・木)開催

場所:新潟市民プラザ、日報ホール、シネウインド、T・ジョイ新潟万代(上映)
開志専門職大学、新潟大駅南キャンパスときめいと(シンポジウム、展示)

英語表記:Niigata International Animation Film Festival
主催:新潟国際アニメーション映画祭実行委員会
企画制作:ユーロスペース+ジェンコ

公式サイト https://niaff.net

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