“音楽の苦悩と恐怖”を描いた傑作『セッション』が10周年で復活！　デイミアン・チャゼル監督が日本の観客へ感謝の言葉

『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督、衝撃の長編デビュー作『セッション』が、公開10周年を機に、タイトル『セッション デジタルリマスター』として4月4日（金）より全国公開。このたび、デイミアン・チャゼル監督よりメッセージ映像が到着した。

このたび、初公開より10周年を機に『セッション』が再び公開されることに寄せて、デイミアン・チャゼル監督が今の想いを語る、日本の観客へのメッセージ映像が到着した。

今では有名監督のデイミアン・チャゼルにとって、2014年に発表した『セッション』は、超低予算の初長編映画で、撮影当時は28歳の全くの無名監督だった。しかし、28歳の天才が生んだ作品に世界は注目し、チャゼルを輝かしい成功へと導いた伝説的な大出世作となった。

実は、本作はチャゼルの自伝的な物語。音楽の才能に恵まれたチャゼルは、ニュージャージー州プリンストン高校で、バンドのジャズドラマーとして活躍したが、バンドの指揮を務める厳しい指導者のもとで苦悩の日々を送ったのだ。当時はドラムを叩くことが人生だったというチャゼルは、「いつも怒鳴られるのではないかとビクビクしていた。初めて買ったドラムをイライラして殴り壊したことをはっきりと思い出す」と語っていた。その後ハーバード大学で専攻した映画の道へと進むが、高校卒業から10年経っても当時の悪夢に襲われ、そのトラウマがアイディアとなり『セッション』は誕生した。チャゼルによれば、「これは音楽の苦悩と恐怖を描いた映画」。

『セッション』は、チャゼルがニーマン役に熱望したマイルズ・テラーのスケジュールに合わせ、たったの19日間で撮影された。キャストもスタッフも1日18時間働き、マイルズにはドラム演奏の個人レッスンを受けてもらう必要もあった。150枚ものストーリーボードを描き、1日100か所以上のカメラ位置で撮影し、セットは狂ったような速度で進行した。

撮影第3週目には、なんとチャゼル自身が交通事故に遭うという大きなトラブルが起こり、車は大破、脳しんとうの疑いで病院に担ぎ込まれたが、驚くことに翌朝には撮影現場に復帰した。まるで『セッション』さながらの撮影当時を振りかえり、「たとえ大怪我をしてもゆっくり休む暇はなかった。最高のものが得られるか、最悪な結果に陥るか、毎日その二つの間を綱渡りしているような状況だった」と初公開時のインタビューで語っている。

このたび解禁されたメッセージ映像では、まさに実話から生まれた、このとんでもない出世作が、10年を経た今、4K & Dolby Atmosのデジタルリマスターで再び公開されることについて、チャゼルから歓喜と感謝の気持ちが込められている。監督のメッセージ全文は以下のとおり。

デイミアン・チャゼル監督のメッセージ全文

こんにちは、日本の皆さん。私はデイミアン・チャゼルです。『セッション』の監督です。
『セッション』が日本の劇場で4月4日※に新たな4K版として再上映されます。このことを皆さんにお伝えできることに、とても興奮し、まるで夢のような気持ちです。10年前にこの映画を作っていたとき、まさかこんな形で再び皆さんに観てもらえるとは思ってもいませんでした。本当に信じられない気持ちでいっぱいです。
これは私にとって大きな名誉であり、とても嬉しいことです。この機会を作ってくださった観客の皆さん、そして日本の皆さんに心から感謝を申し上げます。
この映画をすでに観た方も、初めて観る方も、ぜひ楽しんでいただければと思います。映画館でお会いできることを願っています。本当にありがとうございます。
セッション、劇場でみてね。　　　
※注）映像の中で3/28公開と言っていますが、正しくは4/4公開となります