わずか17日間で撮影された低予算の監督デビュー作にしてスペイン映画として初めてインディペンデント・スピリット賞3部門にノミネートされたリアリティMAXの深層心理サスペンス『入国審査』が8月1日(金)より公開。このたび、TVでおなじみの航空・旅行アナリスト・鳥海高太朗が“入国審査のコツ”について徹底解説する特別映像が解禁された。
本作で描かれる、移住のためにスペインからNYの空港に降り立った幸せなカップル二人を待ち受ける‟入国審査“は、実際に海外渡航する際にだれも避けて通れないだけに、劇中同様、緊張でドキドキしながら審査を受けた経験がある人も多いだろう。
そこで、本作公開記念として、TVの情報番組などでおなじみの、“旅行のプロ”こと航空・旅行アナリスト鳥海高太朗が‟入国審査”をスムーズに通過するためのコツを伝授する特別映像が公開。本作のカップルのようにパニックに陥らないために、‟入国審査”で絶対にしてはいけないこととは? これから夏休みシーズンに入る今、映画とともにチェックしてみよう。

そもそも入国審査とは?
ビザなしで入国が可能な国であっても、VISA(査証)を取得していても最終的に入国を判断するのは空港の入国審査官となる。入国審査官は、最終的にパスポートをスキャンし、入国目的、滞在日数、国によっては帰りの航空券(長期滞在であればVISA)、滞在先などを確認したうえで、問題なしと判断した場合に入国が許可される。疑わしい場合には追加質問されることもあり、入国目的の更なる詳細、職業について、将来の仕事について聞かれることもある。映画で描かれるようにまさに入国審査官が入国の最終決定権を持っている!
注目!入国審査場でやってはいけないこととは?
入国審査場内はスマートフォンおよび携帯電話の使用は原則禁止! ルールとしてはスマートフォンでメッセージを送ったり、SNSやホームページを閲覧したり、YouTubeなどの動画再生が禁止されていることがほとんど。スマートフォンは電源をOFFにする必要はないが、例えば写真を撮ったりすると注意され別室に連れていかれるケースも。メッセージを送ることも避けた方が無難。
デジタル時代でも書類は紙に印刷しておくべき?
今やデジタル時代で、航空券のeチケット控え、宿泊先の予約確認書などはスマートフォンに保存することも可能であるが、アメリカをはじめ、入国審査で書類提示を求められた場合は紙に印刷したものを提示することが原則!特に、今回の映画のように、セカンダリー(別の場所で再審査)に行った場合には、スマートフォン自体の操作が一切認められないので、印刷しておくことが必要。紙で書類を持っていないと入国審査官の心証が悪くなることもあり、入国の可否につながるので、しっかり紙に印刷しておくことが必要!
見た目で気を付けることは?
服装についても、清潔感がなく、Tシャツ、スウェット、ビーチサンダルなど服装がラフ過ぎると怪しまれ、審査に影響する傾向もあるので要注意。
日本のパスポートがあってもビザが必要な国はある?
昔は日本のパスポートは、世界中のほとんどの国でVISAなしでの入国が可能で、パスポートと航空券があれば入国できたが、今は事前に電子登録が必要な「電子事前渡航認証システム」を導入する国が増えている。アメリカの「ESTA」、オーストラリアやカナダ、イギリスの「ETA」などが該当する。例えばアメリカの「ESTA」は登録を怠ると飛行機に乗ることすらできないので注意が必要!タイやシンガポール、マレーシアなど入国カードに代わり、入国直前にインターネットで入国情報を登録することが必要な国もある。国によってルールが異なるので、必ず出かける前に必要な手続きの有無を確認しておくことを忘れないように。
入国審査で一番大事なポイントは?
入国審査では絶対に嘘をついてはいけません!入国審査官はプロなのでたやすく嘘は見破られてしまう。特に職業や滞在の目的など、明確に答えるように。また入国審査においては入国目的を明確に話すことが必要。アメリカやヨーロッパ各国では、具体的にどこに観光に行き何をするのかを話す方がよい。例えば、ロサンゼルスで大谷翔平選手の試合を観戦する目的であれば、「ドジャーススタジアムへ野球を観戦しに行く」または「ディズニーランドに行く」というように具体的に話すと入国審査もスムーズになる。またホテルの名前も暗記して口頭で言えるようにしておくなど、明確に観光で来た目的を伝えられるようにしておこう。この国に来た目的を正しく話し、嘘をつかなければ、入国審査は決して怖いものではありません。
◆鳥海高太朗(プロフィール)
食品会社、コンサルタント、城西国際大学観光学部助手を経て、帝京大学理工学部航空宇宙工学科非常勤講師を務める。専門は航空会社のマーケティング戦略。利用者・専門家の双方の視点から各社メディアを通じて情報発信をしている。著書に「コロナ後のエアライン」「エアラインの攻防」「鳥海高太朗が選ぶ 世界の絶景楽園 100」「天草エアラインの奇跡。」などがある。
入国審査
2025年8月1日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
STORY
移住のために、バルセロナからNYへと降り立った、ディエゴとエレナ。エレナがグリーンカードの抽選で移民ビザに当選、事実婚のパートナーであるディエゴと共に、憧れの新天地で幸せな暮らしを夢見ていた。ところが入国審査で状況は一転。パスポートを確認した職員になぜか別室へと連れて行かれる。「入国の目的は?」密室ではじまる問答無用の尋問。やがて、ある質問をきっかけにエレナはディエゴに疑念を抱き始める―。
監督・脚本:アレハンドロ・ロハス、フアン・セバスチャン・バスケス
出演:アルベルト・アンマン、ブルーナ・クッシ
2023年|スペイン|スペイン語、英語、カタルーニャ語|77分|ビスタ|カラー|5.1ch|原題UPON ENTRY|日本語字幕 杉田洋子
配給:松竹 後援:在日スペイン大使館、インスティトゥト・セルバンデス東京
© 2022 ZABRISKIE FILMS SL, BASQUE FILM SERVICES SL, SYGNATIA SL, UPON ENTRY AIE
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