日本にもファンが多いドキュメンタリー映画の名手で、2017年にアカデミー賞名誉賞も受賞したフレデリック・ワイズマン監督が2026年2月16日、マサチューセッツ州ケンブリッジの自宅で死去した。享年96。

イェール大学のロースクールを卒業し、弁護士をしながら講師などもしていたが、次第に映画に興味を持ち、ドキュメンタリー映画の制作の道へ。67年にマサチューセッツ州の精神病院を取材し、トレードマークのナレーションや字幕を使わない手法で『チチカット・フォーリーズ』でデビューした。69年の『法と秩序』、70年の『病院』でエミー賞の最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。
従来のドキュメンタリーとは違って、映像をTVドキュメンタリー番組のようにナレーションや字幕を使って明確に意味づけることを徹底して回避し、映像だけを観客の前に差し出すことが特徴。60年代から現在に至るまで多くのドキュメンタリー作品を制作したほか、いくつかの劇映画も作っている。
主なドキュメンタリー映画は『アメリカン・バレエ・シアターの世界』(95)『コメディ・フランセーズ演じられた愛』(96)『パリ・オペラ座のすべて』(09)『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』(11)『ニューヨーク、ジャクソン・ハイツへようこそ』(15)『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』(17)『ボストン市庁舎』(20)など。
2014年にヴェネツィア国際映画祭で栄誉金獅子賞。2021年にカンヌ国際映画祭で金の馬車賞、フランス文化賞を受賞した。
Source:Variety



