第81回ヴェネチア国際映画祭に正式出品されたドキュメンタリー映画『ビートルズがいた夏』が、ビートルズ来日60周年となる2026年の7月4日(土)より全国順次公開。このたび予告編が解禁された。
本作は、ルーマニアの巨匠監督アンドレイ・ウジカが『ニコラエ・チャウシェスクの自伝』以来となる長編作品として10年以上の歳月をかけ作り上げた新たな都市交響詩。ハーレムからロングアイランドのジョーンズビーチまで、ビートルズのコンサート開催を中心に、ニューヨークとその人々を多様な視点で描く。100時間以上のニュース番組と100時間の個人の8ミリフィルムから抜粋したアーカイブ素材ですべてが構成され、そこにフランスのアーティスト、ヤン・ケビによるアニメーションを重ね合わせ、主人公の詩人ジェフリー・オブライエンとヒロインのモデルとなったコンサート・ファンのジュディス・クリステンの個人的な文章、およびウジカ自身が1972年に書いた詩を用いた声を加えている。

今回公開された予告編は、1965年8月15日、シェイ・スタジアムでいよいよビートルズのコンサートが開催される日に、友人たちと車で出かける女の子たちが、知り合いに声を掛けながら走るシーンから始まる。

ニューヨークの象徴でもある自由の女神、賑わう夏のビーチでは、家族が楽しげに写真を撮っている。庭で遊ぶ子供たち、サングラスを掛けた女性が歩くニューヨークの町、そこにはニューヨークで初めてビートルズの曲を流した人気DJの声が重なる。このDJは、ニューヨーク・タイムズ紙、ル・モンド紙などにイラストを提供するフランスのアーティスト、ヤン・ケビの描く主人公ジェフリーの父親である。

「気温は20度を超えた」という爽やかな夏の午後。タイトルロゴのあと、1965年8月13日、ビートルズがTWA機のタラップから、ニューヨークに降り立つ姿が映し出される。ニューヨークの街は、彼らを一目見ようとするビートルマニアで溢れている。続いて「作家になろうとする17歳の少年と、蝶の化身のような少女が出会った」様子として、アニメーションで本作の主人公ジェフリーが海辺で少女の姿を描く姿が映し出される。

同時にスタジアムの脇で開催されている万博では、アミューズメントを楽しむ姿が収められており、アメリカという国の力が誇示される。次のシーンでは反対に西海岸で起きた暴動の様子が映され、ストリートで歌う人の姿と、遊ぶ子供たち、音楽と共に踊る人々、華やかな万博とはかけ離れた暗部が映り、最後には撮影しているカメラを手で払う映像が入る。
シェイ・スタジアムの満席の観客席から、カメラのフラッシュが光る。その中にジェフリーがいる。「蝶の夢をみる」という女の子の「髪がなびいて、ゆっくりと大きな蝶になる」、そして夏のシェイ・スタジアムの空高く舞い上がる姿を、ヤン・ケビのアニメーションで描きながら、「そしてきっと“さよなら”だった」というタイトルと共に、誰もが体験したであろう17歳の男の子のあの夏の週末を想起させて終わる。
使用されている曲は、ビートルズがカバーして一層有名になったチャック・ベリーの『ロール・オーバー・ベートーヴェン』、そして公民権運動にも積極的に関わり、1964年33歳で亡くなったサム・クックの『キューピッド』。さらにエンディングには、キング・カーティスの独特のサックスが響く。
ビートルズがいた夏
2026年7月4日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開
第81回ヴェネチア国際映画祭正式出品 / 2026年ヨーロッパ映画賞ショートリスト
●スタッフ
監督・脚本:アンドレイ・ウジカ
編集・サウンドデザイン:ダナ・ブネスク
録音・ミキシング:ダナ・ブネスク、ギヨーム・ソリニャ
VFXスーパーバイザー:オルガ・アヴラモフ
ドローイングアーティスト:ヤン・ケビ
リサーチ責任者:アンナ・クーリヒ
プロデューサー:ロナルド・シャマー、アナマリア・アントチ、アンドレイ・ウジカ
エグゼクティブ・プロデューサー:ヌレディン・エッサディ、アンダ・イオネスク、エルヴェ・シャンデス、ケント・ジョーンズ、アンナ・クーリヒ
●キャスト(声)
トミー・マッケイブ Tommy McCabe:ジェフリー
テレーズ・アザラ Therese Azzara:ジュディス
シェア・グラント Shea Grant:シェリー
サラ・マクラスキー Sarah McCluskey:キャロル
2023年/フランス・ルーマニア/英語・フランス語・ドイツ語/85分/1.78:1
原題:TWST: Things We Said Today
字幕:福永詩乃
配給:オンリー・ハーツ オンリー・ハーツ創立35周年記念映画 ④
©LES FILMS CAMÉLIA, MODERN ELECTRIC PICTURES, TANGAJ PRODUCTION, ARTE FRANCE CINÉMA, L’INSTITUT NATIONAL DE L’AUDIOVISUEL, 2024




