2024年のベルリン国際映画祭アムネスティ国際映画賞受賞をはじめ数々の世界的な映画祭で41冠の快挙を成し遂げた、シリア内戦における1,400万人の実話に基づく衝撃の群像ヒューマンドラマ『アイ・ワズ・ア・ストレンジャー』が6月19日(金)より全国公開。このたび、紛争地の医療現場の現実を映し出した本編映像が解禁された。
多様な当事者の視点からシリア内戦の実態を捉えた『アイ・ワズ・ア・ストレンジャー』。映画は、キーパーソンとなる女性医師のストーリーに始まる。今回、戦時下の切迫した医療現場での一幕を、圧倒的なリアリティとともに手に汗握るサスペンス要素たっぷりに映し出した本編映像が到着した。

アサド大統領による独裁政権が続くシリアでは、政府軍と反政府組織の間で紛争が激化していた。シリア北部アレッポの病院で働く医師アミラ(ヤスミン・アル・マスリー)は、手術室で負傷者の治療にあたっているが、目の前にいる患者の治療を終える間もなく、新たに酷く負傷した兵士が運びこまれてくる。
ほかの医師に頼めないかと聞くも「手術中です」のひと声が返ってくるばかりで、いかにもひっ迫した医療現場の様子がうかがえる。「モルヒネの投与を」と助手に鋭く指示を出したアミラの背後から、「先生!」と悲鳴のような呼び声が上がる。
「1時間前に殺しておくべきだった」と銃を構える兵士に対峙しながらも、「あなたも死ぬわよ」「今撃つならしばらく待ってて」とアミラは動じることなく語りかける。アミラと兵士の運命はどうなるのか? その後の展開が気になる本編映像となっている。
まるで登場人物の記憶の中に飛び込んだかのような生々しさを伴う本作。アンダーセン監督が物語の起点として“医師”を選んだ背景には、シリア、トルコ、ギリシャ、ヨルダンで行った人道支援活動での経験がある。監督は現地で難民たちから直接聞いた証言をもとに物語を構築したが、特にシリア・アレッポ郊外の新生児病院で過ごした時間が脚本に大きな影響を与えたという。「信じられないほど忙しい病院で、医師や看護師たちは狂ったようなシフトで働いていた」と振り返り、戦争の最前線で命をつなぎ続ける医療従事者たちの献身の姿を目の当たりにし、強い衝撃を受けたと語る。
「医療室で銃を突きつけられる出来事は、シリアの手術室で私がインタビューした看護師が経験した実際の話に基づいています。彼女は自動車爆弾の襲撃を生き延び、その体験を私に語ってくれました。私は撮影直前にそれを脚本に書き加えました。すべての物語は実在の人物の経験から生まれたものです」と明かす。敵味方を問わず命を救おうとする医師アミラの姿には、監督が現地で出会った人々の記憶が色濃く刻み込まれている。
医師アミラを演じるのは、レバノン生まれの俳優ヤスミン・アル・マスリー。パレスチナ難民としてのルーツを持つ彼女は、本作への出演を特別な使命として受け止めたという。ハリウッドやヨーロッパ、アラブ映画界を横断して活躍し、TVシリーズ「クアンティコ」で主要ネットワークドラマ初の中東出身主演女優として注目を集めた実力派が、極限状況でも人間性を失わない医師像に圧倒的なリアリティを与えている。
本日5月8日は「世界赤十字デー」。「傷ついた兵士はもはや兵士ではない、人間である。人間同士としてその尊い生命は救われなければならない」という赤十字創始者の言葉がある。本作の医師アミラも敵味方に関わらず、今目の前の命を助けることを最優先とする。各国で戦争が続く現在、そんな最前線で働く医療従事者に関心を寄せるきっかけにもなる映画『アイ・ワズ・ア・ストレンジャー』は見逃せない。
まとめ(注目ポイント)
- 映画『アイ・ワズ・ア・ストレンジャー』6月19日(金)より全国公開シリア内戦の1,400万人の実話に基づき、世界の映画祭で41冠を獲得した群像ヒューマンドラマ。
- 戦時下の切迫した医療現場を映し出す本編映像が解禁医師アミラが、銃を構える兵士に対峙しつつも動じることなく負傷者の治療にあたる緊迫のシーン。
- アンダーセン監督の人道支援活動と難民への取材に基づく脚本シリアの病院での経験や、爆撃から生き延びた看護師の証言など、実在の人物の体験を物語に反映。
- 医師アミラ役にレバノン生まれの実力派ヤスミン・アル・マスリーパレスチナ難民のルーツを持つ彼女が、極限状況で敵味方問わず命を救う医師像にリアリティを与える。
アイ・ワズ・ア・ストレンジャー
2026年6月19日(金)よりTOHOシネマズシャンテほかにて全国順次公開
STORY
独裁政権が続くシリアで、政府軍と反政府組織との内戦が激化。シリアの医師アミラは娘と共に安全な国へ逃れるため危険な国境越えを決意する。国境を守るシリア兵ムスタファは、残虐な政府軍に不信感を抱き、命令に従う兵士であるべきか、心ある人間でいるべきか苦悩する。一方、トルコの密航業者マルワンは病弱な息子とアメリカで暮らすため、難民をギリシャ行きのボートに乗せて荒稼ぎしようとする。ファティは妻子を連れてそのボートに乗り込むが、死の危機に直面。そして嵐の海を航行する難民を発見したギリシャ沿岸警備隊のスタヴロスは、人命救助に全力を尽くすのだが──。
監督:ブラント・アンダーセン 出演:オマール・シー、ヤスミン・アル・マスリー、ジアド・バクリ、ヤヤ・マヘイニ、コンスタンティン・マルクーラキス
配給:ハーク 配給協力:フリック
原題:I WAS A STRANGER|2024|アメリカ・ヨルダン・パレスチナ|英語・アラビア語|104分|カラー|映倫G
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