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山形国際ドキュメンタリー映画祭の東京上映プログラム「ドキュメンタリー・ドリーム・ショー――山形in東京」が10月17日(土)より新宿K’s cinema、アテネ・フランセ文化センターにて開催されることが決定した。あわせてポスタービジュアルが解禁された。

隔年に開催されるドキュメンタリー映画の祭典、山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)。2025年開催の映画祭では、世界が大きな紛争や社会の分断で揺れるなか、いま見るべきドキュメンタリーに注目が集まり、過去最大の2万人を超える観客で大きな盛り上がりを見せた。

その上映作品を東京で見ることができる恒例のイベント「ドキュメンタリー・ドリーム・ショー」が今年も開催されることが決定した。連日多くの観客が詰めかけた「アメリカン・ダイレクト・シネマ」「パレスティナ――その土地の記憶」の特集上映のほかに独自のプログラムを加え、約50本が上映される。

あわせて、アジア千波万波部門で上映されたイラン映画『ハキシュカ』の写真をフィーチャーしたポスタービジュアルも解禁された。

主な上映作品と分野

■ インターナショナル・コンペティション
1300本を超える応募作から選出された世界の今を描く、ヤマガタの顔とも言えるプログラム。
昨年は世界の様々な地域の〈抵抗〉をテーマにした作品が数多く上映された。いまドキュメンタリー映画の最先端の作品群があらゆる境界を超えて語りかけてくる。

・ギヨーム・カイヨー、ベン・ラッセル監督『ダイレクト・アクション』★ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
自治コミュニティを農村に形成し、2018年の国際空港拡張に抵抗したことで知られる、フランスで最も過激な社会活動家集団に密着。その自給自足生活の断片が刻まれる。政府による強制執行に抵抗する人々の姿が生々しく捉えられ、映像作家・ベン・ラッセルの撮影が際立つ傑作。

・カマール・アルジャアファリー監督『ガザにてハサンと』★山形市長賞(最優秀賞)
ある日見つかった録画テープ。そこには、かつて投獄された時の同房者を探すため、2001年にガザを訪れた作家自身の姿が記録されていた。二度のインティファーダに連なる過去の記憶がガザのいまに接続され、不条理を問い歴史の忘却に抗うための思索の旅が始まる。

・タナ・ヒルベルト監督『愛しき人々』★優秀賞
チリの刑務所に収監された女性たちが、携帯電話で密かに残した日常の光景。映像が消去される危険に抗い、監督はすべての画像を一度印刷し再映像化する。デジタルともアナログともつかない風合の画面が、彼女たちの経験を親密に物語る。

・板倉善之監督『Ich war, ich bin, ich werde sein![イッヒ ヴァール イッヒ ビン イッヒ ヴェルデ ザイン!]』
大阪の日雇労働者の街・釜ヶ崎。大阪・関西万博開催を控え、貧困層の排除と再開発が進められる中、映画はこの街の路上で生きてきた人々の語りと向き合う。やがて監督たちは、この街で命を落としていった者たちの声にも耳を澄ませていく。

■アジア千波万波
ドキュメンタリー映画作家、小川紳介が提唱した、アジアの作家たちを発掘、応援するプログラム“アジア千波万波”。
上映作品からの劇場公開も相次ぐ、ヤマガタ屈指の人気プログラム。
アピチャッポン・ウィーラセタクン、河瀬直美、小田香など多くの映画作家を輩出してきた。

・ファラズ・フェシャラキ監督『パラジャーノフ、ゆうべはどんな夢を見た』(アジア千波万波 ★小川紳介賞)
ベルリン在住の監督が、遠く離れたイランの両親やウィーンのいとことの他愛ないオンライン通話を撮影。ノイズにまみれた画面の中で、思慕とユーモア、苦難の記憶が静かに交錯し、かけがえのない時間が紡がれてゆく。

・宋承穎(ソン・チョンイン)、胡清雅(フー・チンヤー)監督『炭鉱奇譚』(アジア千波万波 ★奨励賞)
台北・侯硐(ホウトン)。鉱夫をしていた年長者たちの不思議な体験談を集めていくと、土地に染みついた暗い歴史が立ち上がる。

・イ・ジユン監督『木々が揺れ、心騒ぐ』(アジア千波万波 ★奨励賞)
ソウル・貞陵渓谷。再開発に向け退去し始めた住人たちの物語の中に入り、軽やかに駆け抜けていく

■パレスティナーーその土地の記憶より
パレスティナという土地と人々の記憶、そして記録された映像―――YIDFF2025で多くの観客を集めた「パレスティナーーその土地の記憶」特集から、巨匠ミシェル・クレイフィ作品とコンペ作『ガザにてハサンと』監督の旧作を上映

・ ミシェル・クレイフィ監督『豊穣な記憶』 
イスラエル北部とヨルダン川西岸地区に暮らすふたりの女性。本作は、イスラエル占領下に暮らす彼女たちとの応答を通して、理不尽な占領や家父長制に抗う女性の姿を描き出す。男性中心の社会で女性を被写体に日常を活写したことで評価され、パレスティナ映画の礎を築いた。

・カマール・アルジャアファリー監督『フィダーイー・フィルム』
ベイルートのパレスティナ・リサーチ・センターが所蔵していたフィルムは、1982 年にイスラエル軍によって奪われ、建国の物語を補完する歴史資料に改竄された。作家は「奪われた者のカメラ」によって映像の意味を転倒させ、抵抗としてのフィルムのアーカイブ化を試みる。

■アメリカン・ダイレクト・シネマより
いわゆる型通りのインタビューやナレーションを排したアメリカのドキュメンタリーを集めた「アメリカン・ダイレクト・シネマ」特集。連日、大盛況となった特集から話題作を上映する。

・ 製作:ロバート・ドルー『予備選挙』 
1960年のアメリカ大統領選挙に向け、民主党の候補者指名を争うジョン・F・ケネディとヒューバート・H・ハンフリーの対決を追う。ドルーの改良した軽量カメラを活用した本作は、ダイレクト・シネマの基本原則を定めるものとなった。

・アメリカン・ダイレクト・シネマ特選短編集
1960年代の現代美術や芽吹き出した対抗文化と密接な関係を結んだダイレクト・シネマの側面を見せる『解体美術館』、『誰かに愛されなければ君は誰でもない』、フェミニズム・アート・パフォーマンスの基礎を築いた作品として知られるオノ・ヨーコの《カット・ピース》の記録『カットピース、1964/1965』(制作:メイズルス兄弟)、人種差別的暴力の被害者『パノーラ』が明らかにする公民権運動のある事実。

■ハルトムート・ビトムスキー特集
YIDFF2001では審査員も務め、2009年にはコンペで『ダスト ―塵―』が上映され、2025年に逝去したドイツ・ドキュメンタリーの名匠であり作家、批評家でもあったハルトムート・ビトムスキー監督を追悼し特集上映を行う。

・ ハルトムート・ビトムスキー監督『ジャーマン・イメージ』 
1933年から1945年までのナチス時代に制作された30本以上の映像記録により構成。市民の生活を記録した各フィルムには、社会のあるべきイメージが投影されている。社会の発展とそれがもたらす創造物の美を強調した映像から、映像によるイメージ操作を分析していく。日本語字幕付き初上映!

© Deutsche Kinemathek

・ ハルトムート・ビトムスキー監督『第三帝国アウトバーン』 
ニュース映画・文化映画・劇映画などの映像資料に、当時の関係者への取材と監督自身のナレーションによる批判的考察を加え、ナチス時代にドイツで建設された高速道路「アウトバーン」の隠された経済的・文化的意味を暴き出す。

そのほかに『B52』と『ダスト ―塵―』も上映。

■ YIDFF2025 特集上映より
「日本プログラム」、「未来への映画便」、「やまがたと映画」のYIDFF2025特集上映より、選りすぐりの作品を上映し、ヤマガタの多種多様な魅力に迫る。

・小森はるか監督『春、阿賀の岸辺にて』
「日本プログラム」より。新潟水俣病の未認定患者の運動を支え、佐藤真『阿賀に生きる』(1992)の製作発起人でもある旗野秀人。「冥土のみやげ企画」を今も続けるその姿に惹かれ阿賀野川流域へ移住した作家が、土地と人の記憶を継ぐ営みを見つめる。

・藤川佳三監督『対話のゆくえ 京都大学吉田寮』
「日本プログラム」より。100年の自治の記憶を宿す、日本最古の学生寮。老朽化を理由に大学が退去を迫るなか、寮生たちは「対話」を重んじる日常を守り抜こうとする。人が集う「場」、そして、人が向き合って語り合うことの豊かさを、映画は静かに訴えかける。

まとめ(注目ポイント)

  • 「ドキュメンタリー・ドリーム・ショー――山形in東京2026」10月17日より開幕新宿K’s cinema、アテネ・フランセ文化センターにて開催。
  • 約50作品を上映YIDFF2025作品に加え、独自プログラムを含む多彩なドキュメンタリー作品を上映。
  • YIDFF2025で大賞を受賞した『ダイレクト・アクション』を上映2018年の国際空港拡張に抵抗したことで知られる、フランスで最も過激な社会活動家集団に密着。
  • ハルトムート・ビトムスキー特集『ジャーマン・イメージ』『第三帝国アウトバーン』などを追悼上映。
上映情報

山形国際ドキュメンタリー映画祭 東京上映
ドキュメンタリー・ドリーム・ショー――山形in東京2026

●開催場所
新宿 K’s cinema
アテネ・フランセ文化センター

●開催期間
新宿 K’s cinema…2026年10月17日(土)〜11月6日(金)
アテネ・フランセ文化センター…2026年11月6日(金)〜12日(木)

主催:シネマトリックス 
共催:山形国際ドキュメンタリー映画祭/K’s cinema/アテネ・フランセ文化センター
助成:芸術文化振興基金、国際交流基金

公式サイト http://cinematrix.jp/dds2026/

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