台湾人監督として唯一カンヌ国際広告賞の金獅子賞を受賞した、台湾CM界のレジェンドとして知られるワン・チャイシアン(王財祥)監督の長編デビュー作にして、唯一の長編作品『逃亡者狂騒曲 デジタル・リマスター版』が10月10日(土)より全国順次公開。このたび、主演俳優チェン・ホンレンのメッセージ動画&監督コメント&メイキング写真が解禁された。
今回、NYに憧れながらナイトクラブで働き、殺し屋に追われることになる主人公のダンサーを演じたチェン・ホンレンが、ユーロスペースで行われる初日舞台挨拶に登壇することが決定した。また公開にあたり、チェンからのメッセージ動画と、ワン・チャイシアン監督からのコメントが到着した。
1997年、海外映画祭への出品と、わずか数日間の台湾劇場公開。『逃亡者狂騒曲』を実際にスクリーンで観た人は、ごくわずかだった。そんな数少ない観客の中に、荒木啓子、三澤真美恵がいた。当時の衝撃と、時を経て日本公開されることについて二人からコメントが寄せられた。コメントは記事下にて。
あわせて、台北の高速道路を封鎖して撮影されたカーチェイス、200万発を超えるロケット花火と無数の爆竹が飛び交う伝統の祭りを舞台にした逃亡劇、台湾を代表するロックバンド濁水溪公社が出演する伝説のライブシーンなど、当時の熱気を伝える貴重なメイキング写真が解禁された。そして、ベルリン国際映画祭の会場前で、期待と興奮に満ちた笑顔のワン監督たち。世紀末を駆け抜けた映画人たちの、創作へのあくなき情熱を伝える一枚となっている。






コメント全文
ワン・チャイシアン/王財祥(本作監督)
これは1997年に作られた、とても台湾らしい台湾映画です。とても直接的なのに、同時にどこか暗示的でもあります。
日本の観客の皆さんにも楽しんでいただけたら嬉しいです。
もしびっくりさせてしまったら、ごめんなさい!
チェン・ホンレン/陳訇任(本作主演)
日本の皆さん、こんにちは。『逃亡者狂騒曲』主演のチェン・ホンレンです。劇中では名前を持たない「X」を演じています。
『逃亡者狂騒曲』が今年日本で劇場公開されることを大変嬉しく光栄に思っています。
この映画は独特で強烈な映像スタイルを持ち、内容にも爆発力のある革新的な作品だと思います。1997年、私たちは全身全霊でこの映画を作りました。
そして29年が経った今でも、皆さんがこの映画を観れば、きっとその説明しがたい魅力に惹きつけられるはずです。
東京の劇場で皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。ありがとうございます。
○1997年の目撃者たち
荒木啓子(ぴあフィルムフェスティバルディレクター)
1997年、ベルリン国際映画祭で観たとき、台湾映画だとは思わなかった。
それまでPFFで紹介してきた台湾ニューシネマとは、まったく違う印象を持った。
すべての思いを、具体的に映画にする。
ひとつひとつのショットが鮮烈で、よく死人が出なかったなと思うシーンも多い。みんな命懸けだったのでは?
すべてを自分でコントロールして映画を作る、まさに夢のような完全自主映画!
三澤真美恵(日本大学教員・華語圏映画史研究)
コンセプチュアル・アートの先駆者M.デュシャンが男性用小便器に付けた作品名は「Fountain」。本作の製作会社名は「Fountain Films」。1997年台湾での劇場公開当時、ほとんど観客のいない映画館で観た時にはこのフックに気づかなかった。「第四原発」建設をめぐる対立、政治家の暗殺、セクシャル・マイノリティ、爆竹祭り、ハイヒール。約30年を経てようやくわかった。この作品はダンサーの身体を媒介にした叛逆のブリコラージュだったのだ。
逃亡者狂騒曲 デジタル・リマスター版
2026年10月10日(土)よりユーロスペース他全国順次公開
STORY
ニューヨークに憧れながら、夜はナイトクラブで働き、昼は恋人と過ごす青年。祭りの夜、偶然殺人事件をビデオカメラに収めたことから、謎の殺し屋に追われる逃亡者となる。混沌とした台北の街をさまよううち、現実と白昼夢の境界は次第に曖昧になり、夢の地・ニューヨークからは疫病の知らせが届く。「街の中空に透明なガラスが存在し、世界を上下に隔てる。僕はその上で踊りたい──」。
監督・脚本・撮影:ワン・チャイシアン(王財祥)
出演:チェン・ホンレン(陳訇任) ルー・シンユー(鹿心雨) チェン・ジェイー(陳介一) ホー・ジョンシアン(何宗憲)
製作:ワン・チャイシアン(王財祥) ヤン・バオホイ(楊寶輝) 音響:ドゥ・ドゥーチー(杜篤之) 音楽:ツォン・スーミン(曾思銘)
日本語字幕:神部明世 協力:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター
配給:Cinema Drifters・大福 宣伝:大福 宣伝デザイン:100KG
原題:給逃亡者的恰恰/英題:A Cha-Cha for the Fugitive 1997-2023年|83分|台湾|カラー|DCP|ステレオ
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