ⓘ当サイトにはプロモーション(広告)が含まれています

第81回ヴェネチア国際映画祭 オリゾンティ部門に正式出品され、インターフィルム賞を受賞したほか、数々の海外映画祭で高い評価を得た『QUIET LIFE(原題)』が邦題『生存放棄 クワイエット・ライフ』として、12月11日(金)よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国公開されることが決定した。あわせて日本版ポスタービジュアルが解禁された。

2018年、スウェーデン。母国ロシアで迫害を受けたセルゲイとナタリアは、二人の娘を連れて逃れてきた。働き、言葉を学び、当局の審査に従いながら、家族は普通の生活を始められる日を待っている。しかし難民認定申請は却下され、その直後、末娘カティアが突然倒れ、外界への反応を失う。医師が告げたのは「あきらめ症候群」。娘を目覚めさせるには、家族に安全と希望を取り戻す必要があると告げられた両親は、再審査に望みを託す。そして姉アリーナに求めたのは、彼女の記憶にはない出来事の証言だった。妹を目覚めさせるため、家族の未来をつなぐため、少女はある“真実”を語り始める――。

福祉と人権を重んじる国として理想化されることの多いスウェーデン。その静かで整然とした社会の内側で、庇護を求める子どもたちが、生きるための反応を閉ざしていく――。

本作は、スウェーデンの難民認定申請中の子どもたちに実際に報告された「あきらめ症候群」に着想を得て、ロシアから逃れてきた一家の危機と選択を描く。監督は『ミス・バイオレンス』でヴェネチア国際映画祭銀獅子賞に輝いたアレクサンドロス・アブラナス。無機質な行政施設と医療現場をカフカ的な不条理として映し出し、家族を守ろうとする愛が、いつしか嘘と圧力へ変わる瞬間を、冷徹な映像美と息詰まる緊張感で描き切った。

目を覚まさない妹。両親から嘘の証言を求められる姉。救いを求めた先で突きつけられる、いくつもの条件。穏やかな日常を取り戻したいだけなのに、家族を守るための愛が、もう一人の娘を追い詰めていく。あなたなら、この嘘を責められますか。

「あきらめ症候群」とは、1990年代後半にスウェーデンで初めて報告された実際の症例。2003年から2005年には400件以上の症例が報告されている。血圧も正常、反射神経もすべて正常に機能しているのに、歩くことも話すことも食べることも、目を開けることすらできない。そしてこの症例はスウェーデン国外では確認されていないのだ。20年以上にわたるこの謎の病気との闘いの末、スウェーデンの医師たちは一つの結論を導き出す。『世界があまりにもひどいので、子どもたちは絶望し、脳の意識的な部分を切り離してしまった』――苛烈な暴力に晒され、安心して住む場所すらもままならない不安や極度のストレスは脆弱な立場である子どもたちの心を蝕んでいく。正式に病気として認められ、トラウマ体験後に働く防御機制であることがわかったのは2014年のことだ。

初めて症例が報告されてから約30年、現在、世界は戦争や貧困、移民問題で混沌の中にある。監督のアレクサンドロス・アブラナスは「共同脚本家のスタヴロス・パムバリスと私は2人とも、クーデターや戦争、住む場所を追われた経験の記憶が、まだごく生々しく残る国で生まれ育ちました。自ら体験したものであれ、前の世代から受け継いだものであれ、政治的混乱のトラウマは私たちの血の中にあるのです。近年の世界の出来事が進行する中でこの物語を練り上げてきたことで、私たちにとって、その背景はいっそう重みを増しました。周囲の至るところで戦争が起こっているように見えます。そこから生まれる難民たちは、西側社会によって、ますます二級の人間として扱われるようになっています。一方で、世界は気候危機の渦へと落ち込んでいるように見えます。この危機は私たち全員に影響を及ぼし、すでに新たな気候難民の波や、経済的な理由による移住を生み出しています。政治の仕組みがこうした事態に示してきたのは、冷淡さの増大、ポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)、そして壁を築こうとする姿勢です。共感するのではなく、無関心になることです。この映画で私たちは、人間性と愛を通して、そうしたあり方に対抗するものを見いだそうとしました」と本作制作の背景を語る。

そして「何百万人もの子どもたちが、戦争や貧困、政治的抑圧によって住む場所を追われ、人間らしい暮らしを求めて移動しています。しかし、決して楽観できない現実を知りながら、親はどうすれば子どもたちを守り、安定した生活を与えられるのでしょうか」と問題提起。

「庇護申請を却下され、末娘が“あきらめ症候群”に陥ったとき、父セルゲイと母ナタリアはまさにその問題に直面します。これは深い絶望の状態で、スウェーデンだけでも何百人もの子どもたちが陥っています。懸命に努力しさえすれば、何もないところから何かを生み出すことはできるのでしょうか。結局、幸福は私たち自身がつくり出すものなのでしょうか。本作はどんな代償を払ってでも希望と安定を取り戻そうとする彼らの闘いを、そして非人間的な状況の中に光を見いだそうとする姿を描いた映画です」とコメントを寄せている。

今回、日本版ポスターも解禁された。難民認定の申請のため、冷徹な審査員に対峙し、証言をしなければいけない子どもたち。これを失敗すれば家族全員が苛烈な暴力が待つ母国に送り返されることになる…。真実を知る妹、彼女に代わり、嘘の証言を両親からも求められる姉。同じ状況下で心理的圧迫を受け止める姉妹を捉えた構図となっている。

まとめ(注目ポイント)

  • 『生存放棄 クワイエット・ライフ』12月11日公開アレクサンドロス・アブラナス監督の社会派ドラマ。邦題と日本公開日が決定。
  • 日本版ポスタービジュアル解禁難民認定を求める一家の、過酷な状況に置かれた姉妹を捉えた構図。
  • 実際に報告された「あきらめ症候群」が題材難民申請を却下された一家と、突然周囲への反応を失った末娘の物語。
  • ヴェネチア国際映画祭で受賞第81回映画祭オリゾンティ部門に正式出品され、インターフィルム賞を受賞。
作品情報

生存放棄 クワイエット・ライフ
2026年12月11日(金)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー

監督:アレクサンドロス・アブラナス 脚本:スタヴロス・パンバリス、アレクサンドロス・アブラナス
出演:チュルパン・ハマートヴァ、グリゴリー・ドブリギン、ナオミ・ランプ、ミロスラヴァ・パシュティナ、エレニ・ルシヌー

2024年/フランス・ドイツ・スウェーデン・ギリシャ・エストニア・フィンランド/ロシア語・スウェーデン語・英語/99分/カラー/スコープサイズ/原題:QUIET LIFE/字幕翻訳:加賀爪琴

提供:クロックワークス 配給:ミッドシップ 配給協力:Lino 宣伝:長村亜紀

© les films du worso

公式サイト mid-ship.co.jp/quietlife

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事